【成分考察とレポ】suisai(スイサイ) ビューティクリア パウダー<角質ケア洗顔料>

先日、秋のはじめにやっておきたいスキンケアという記事の内容のなかで、厚くなった角質をOFFする洗顔料について触れたのですが、実際に市販品を試用してみたのでマニアックエステティシャンの視線でレポと成分考察をしてみたいと思います。

suisaiビューティクリアパウダーの全成分と価格

suisai(スイサイ)ビューティクリアパウダー0.4g×32個
1,880円

※2021年9月amazonでの価格

全成分

タルク、ココイルイセチオン酸Na、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウリン酸K、ミリストイルグルタミン酸Na、カラギーナン、シルク、メチコン、イソステアリルアルコール、BHT、DPG、エチルグルコシド、乳酸、水酸化K、プロテアーゼ、ヒアルロン酸Na、リパーゼ、メチルパラベン

suisai(スイサイ)ビューティクリアパウダーの成分を考察

洗顔料タイプの角質ケア剤なので、皮脂やメイク汚れなどの油性汚れを落とすための洗浄剤(=界面活性剤)と角質を科学的に剥離するピーリング剤……この場合は酵素と酸が1種含まれています。

酵素はタンパク質分解酵素であるプロテアーゼ、脂肪分解酵素であるリパーゼが含まれています。このうち、余分な角質を分解する作用があるのはプロテアーゼ。リパーゼは皮脂を分解します。

酸は乳酸のみ。ピーリング作用のある酸の主役はフルーツ酸とグリコール酸。乳酸はおだやかな角質分解作用を持っています。

さて、それら角質分解作用のある成分はいったい製品中にどのくらい含まれているでしょうか。表示順を見てみます。

酸化防止剤であるBHTより後ろ、アルカリ剤・乳化剤である水酸化Kの前に乳酸、後方にプロテアーゼ。

「あれ、ちょっとしか入ってない……?」

そう思われますよね。しかし、角質ケア効果のある洗顔料の成分表示はだいたいこんなかんじです。

ご紹介用の化粧品として、グリコール酸15%、AHA+乳酸で5%の洗顔料を取り扱っているのですが(コレを書いている人は職歴10年超のフリーのエステティシャンで、リアル・ネットでの化粧品販売をしています)どちらの成分表示もこちらの市販品と同じく、ph調節剤などの製品安定剤の前後に成分名の表示があります。

実はこれが角質ケア効果のある洗顔料選びを難しくさせます。

化粧水や美容液と違って、成分を見るだけでは実際の性能や使用感が想像しにくいのです。

なので、良品を探し出すにはひとつひとつ手に取って実際に泡立て、使ってみるという地道かつ懐の痛む作業が必要になるのです。

ちょっと脱線しましたが―― こちらのsuisai ビューティクリアパウダーの成分を見た印象は……「マイルドそう」です。

界面活性剤も、酸の種類もすごーくマイルドなかんじ。プロテアーゼもあんま入っていなさそう。

ただの洗顔料ではなく、角質ケア効果のある洗顔料なので、それなりのパフォーマンスは欲しいところですが……実際に使ってみました。

使ってみたら やさしさに満ちていた……

界面活性剤の種類が示すとおりの、やわらかでやや粗めの泡。角質分解効果は、よく噛みしめないと実感できないくらいのやさしさでした。

製品に表記はなかったのですが、10数年のあいだに三桁の数の角質ケア洗顔料を試用、業務で日常的に戯れているエステティシャンの肌感覚としては、1%もないんじゃないだろうか、という感触でした。

ちなみに、理想の濃度としては、酸や酵素の種類にもよるんですけれど最低3%くらい、しっかりした保湿効果のある美容液やクリームがお手元に用意してあるのなら5%は欲しいところです。1%ぐらいだと効果を感じずらいですし、逆に10%以上とかだと扱いが難しいので特別な事情がないかぎりおすすめしません。特にグリコール酸がピーリング剤の主となっているものは、効果が強いので一般の方がホームケアで扱うには難しいかもしれません。

それと、suisaiビューティクリアパウダーの場合、泡にコシがないのでパックしづらく、放置時間中にかなり垂れてきてしまうのもちょっとネックかもしれません。

洗顔料で角質ケアをするときには、しっかり泡立てて泡で顔全体をパックするように広げてからしばし放置する必要があります。ある程度の時間、酸や酵素が肌のうえにのっていないと角質を分解することができないのです。

まとめ

suisai(スイサイ)ビューティクリアパウダーは、角質ケア効果、洗浄力ともにおだやかなので、日常の洗顔に使うのがおすすめ。

よく見たら、1パック32個入り=朝か夜だけの使用なら1か月分なので、そういう使用を想定しているのかもしれません。個包タイプだったので、市販品のなかでは強めなのかなと勝手に思ってしまったんですけれども。タルクは吸湿しやすいので、単に湿気って固まってしまうのを防ぐためかも。

洗顔料としては問題ないのですが、角質ケア効果はガチ勢の製品たちに比べるとめちゃくちゃマイルドなので、あまり期待しない方が良いかもしれません。

このぐらいのコストをかけるのなら、フルーツ酸やグリコール酸などのピーリング成分をしっかり含む化粧品が使えてしまうので、真剣に角質ケアを考えている場合は別の製品を考えた方がよいと思います。

***

洗顔料でのマイルドなピーリングは、ぜひ日々のスキンケアにおすすめしたい手法です。

肌のためにいいことはいろいろあって、詳しくお知りになりたい方はこのへんとか、このへんを読んでいただくとありがたいんですけれども。

まあ、3行でまとめると

気持ちいい

効果がすぐに感じられる

その割に安い

ってことです。

お休みの日にうちでひとりでいられない方は、この急激な生活の変化が耐え難いのではないかと思います。

ピーリングソープと保湿効果の高いこってりクリームを用意して、お家でセルフエステなんて楽しんでみるのはいかがでしょうか。肌の調子があがると不思議と気分もあがります。

スキンケアは人からよく見られたいとか、人よりきれいでいたいとか、そういう目的でもいいんですけれど、休日や夜のスキンケアは自分を労わり、慈しむために、朝のスキンケアはスイッチを入れる気分転換のために活用することを引きこもりエステティシャンとしてはご提案したく存じます。

毎日のノルマやわずらわしい作業になってしまってはつまらないし負担ですが、ポイントを押さえるとなかなかに手軽なのに深い癒しのツールになると思います。


毎週金曜更新を目標に2ヵ月くらいやってきたのですが、目標破りが常習化しており、これはつまり、無理ということなのだと思います。

なんとなく、土曜ならいけそうな気がしてきたので来週から――いや、だめだ。来週は2回目のワクチン接種があるのでたぶん、きっと無理なので……いや、まてよ、予約投稿できたらイケるか?

えっと、まあ、その……そんなかんじです(どんなかんじだ)

科学に敬意と一定の信頼があるのでワクチンを接種することに屈託はありません。また、医学にはこれまでも大変お世話になっており、中年なのでこれからさらにお世話になると思います。だから、ある種の臨床試験のような側面があったとしても、微力ながら次世代のために役に立ちたいと思っています。

【成分考察とレポ】マミーボディミルク<ボディミルク>

あんなに暑さに苦しんだ夏が嘘のよう……すっかり秋な札幌です。

湿度は40%台がデフォルトといったところで、顔もからだもパリパリしてきました。そんな折、オムツをドラッグストアで買ったらママさん受け良さそうなボディミルクのサンプルがついていたので、成分考察&レポしてみたいと思います。

マミーボディミルクの全成分と価格

マミー ボディミルクS 無香料 200g
1,320円

※2021年9月amazonでの価格

全成分

水、PG、グリセリン、マカデミア種子油、 トレハロース、 ホホバ種子油、アロエベラ葉汁、ヒアル ロン酸Na、グルコシルセラミド、セタノール、ステア リン酸ポリグリセリル-10、シメチコン、ステアリン酸 グリセリル、カンテン、キサンタンガム、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ポリグリセリル-10、トコフェロール、 セルロースガム、マルトデキストリン、αーグルカン

マミーボディミルクs 無香料の成分について

保湿剤としてグリセリン、トレハロース、ヒアルロン酸Na、グルコシルセラミドが含まれており、エモリエント剤、皮膜形成剤としてジメチコン、製品安定剤(増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、賦形目的)などとして、カンテン、キサンタンガム、ステアリン酸ソルビタン、トコフェロール、 マルトデキストリン など。

マカデミア種子油、ホホバ種子油は基材(化粧品の土台、美容訴求成分を混ぜるもと)とするか、保湿剤とするか微妙なところです。油分は肌の保湿の2,3%ほどしか担っていないのですが、ベビー(3か月以降)の場合、その油分(皮脂)が圧倒的に足りないので大人と比べると化粧品で補充したい要素の優先順位があがってきます。特にからだは顔や頭皮に比べると皮脂量が少ないので、顔用、頭皮用化粧品に比べると重要な要素になってくると思います。

植物油のなかではマカデミア種子油、ホホバ種子油は酸化しにくい良質な基材ではありますけれど、その他の保湿剤も含め全体的には成分的には、すごく保湿力が高いとか、そういうことはないですし、なにかすごく特徴のある組成というかんじでもないかな、と。わりとよくある、スタンダードな部類のボディ用ミルクでそういう点では安定感があります。

形状はうすい白色のミルク。基材のTOPが水だけあって、テクスチャは軽め、のびが良いです。質感調整剤がいろいろ入っているので、気持ちよくお手入れできると思います。油性原料が多くないので、べたつきも少ないです。

食品成分100%…? 食品成分なら肌に安心?

製品のアピールポイントとして「食品成分100%」とあります。サンプルにも堂々と印字されていました。

こちらの製品の組成は成分表示のとおり。ちょっと一般的には食品成分に分類しないものがいろいろ含まれているように思いますが……。ありふれた保湿成分であるグリセリンは動植物の油脂から脂肪酸などを製造する際の副産物ですから、まあ、食品由来といえないこともないけれど……ヒアルロン酸Naも、もともとはにわとりのトサカなどから取り出していたそうですから、まあ、うん……食品……食品、といえなくもないけど、今は合成ヒアルロン酸が主なのでちょっと苦しいように思いますし。

一般的にごくふつうにイメージできる食品成分とは離れているとは思います。

そもそも、肌にぬる化粧品において食品成分なら安心、安全ということはありません。食道、胃、小腸、大腸などの消化器官を通って分解代謝されるものと、肌にぬって代謝されるものではルートもプロセスも違います。むしろ、食品成分の油脂などは鉱物油に比べ酸化しやすく、酸化した油は肌に非常に刺激になります。

過去、化粧品で事故のあったエラグ酸やコウジ酸も、ヒアルロン酸を含めてしまうような大きなくくりでは食品成分といえないこともないけれど、深刻なトラブルを起こした成分でもあります。(今のは配合上限などが決まっているので大丈夫です!)

しょうゆだって、一口なめるくらいでは問題ないけれど、荒れた唇にふれれば十分、口唇炎の原因にもなりますしね。

一般の方が口にいれても大丈夫なもの=安心・安全というイメージを持ちやすいのは十分に理解できますが、それを逆手にとったような売り込みや触れ込みは、ちょっと不誠実な姿勢ではないかなぁ……と、個人的にはあまり良い感情を持てません。

ましてや、ベビちゃんに使う化粧品選びは、ママさんたちは安全かどうかとっても神経を使うと思うのです。私も遅まきながら母になりましたので、その心情は十分すぎるほどに想像できます。

同じ問題で「無添加」表記もそうですね。何が添加されていないから安心、ということもないのですが、無添加がまるで水戸黄門様の印籠みたいになっていることがあり、モヤモヤしてしまいます。

まとめ

マミーボディミルクsは一般的なボディミルク。特別に肌にやさしいとか、特別に保湿力に優れているとかそういうことは成分的にはないと思います。逆にリスクが高い成分も含まれていません。

伸びがよく、べたつきの少ないクリームなので気持ちよくお手入れできるのではないでしょうか。

自分の子どもに使うかどうかという観点で考えたとき、使ってもいいけど、こちらの製品じゃなければいけない理由はないかな、と思います。

***

ふだんオムツはネットでまとめ買い派です。

どんどん大きくなっていく子どもだったので、サイズアップの時期が読めず、Lサイズに到達、安定するまでは様子を見ながら小まめに買っていました。1才をすぎて体重増加もゆるやかになり、しばらくLでいけるな……と思っていた矢先、朝起きたときに漏れていることが――。

さすがにビッグサイズには遠く体重が足りないし、お腹ぽっこりくんとはいえ、腹囲も大きすぎるだろうと思いつつも、ものは試しということでビッグサイズを買ってみたらこちらのクリームのサンプルがついていたのでした。

たまに店頭で買ってみるのも楽しいですね。

オムツ問題は結論としては、夜の就寝中はビッグにして正解でした。漏れがなくなったし、サイズが大きすぎて漏れるということもありませんでした。

脚まわりがっちり、お腹ぽっこり、めしゃめしゃ飲む・食べるので食後はより一層おなかぼってり、そのうえ肌荒れしやすくオムツ選びは試行錯誤してきましたが、同サイズでも他のメーカーさんよりも大きめのメリーズを主に、スポットでムーニーに落ち着きました。

体格や肌の特性なんかはすごく個人差があるので、受け皿として複数のメーカーさんが、いろんなオムツを作ってくれているのはありがたいです。そしてこれは化粧品にも言えることだなぁと。

肌質はもちろん、スキンケアに求めるもの、目的もそれぞれ違うので、多様なニーズに応えられるようたくさんの製品が世にあることは幸せなことだと思いました。全部が全部科学的で、肌に良い作用をもっていなくたっていいんです。

別に肌にイイコトはそんなにないけど、パッケージがかわいいとか、香りがいいとか、テクスチャーがいいかんじとか、そういうのもいい。

くずれ・テカリを防ぐ夏のスキンケアとベース

いやあ……アッチーですね!!!

最近冒頭にこれしか書いていない気がしますが、もう、ほんと暑いとしか言いようがないです。ただでさえ冬は雪に埋もれるというのに、夏もこんなに暑かったら北海道に住んでいるメリットとはいったいなんなのだろうか、とさえ思います。

ハンカチにマイボトルはもちろんのこと、日傘に扇子、汗ふきシート、衣類用冷却スプレー……などなど、これだけ暑いと通勤や通学に際し持参&用意しておきたいアイテムも変わってきますね。(昭和の人間なのでハンディ扇風機とかは思いつかないです)

そして、それだけいろいろ用意、対策しても通勤・通学時の汗や皮脂によるメイク崩れが悩ましいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今日は夏の化粧下地について考えたいと思います。

夏の化粧崩れの原因は皮脂と汗

夏のメイク崩れの原因は、ご存じのとおり汗と皮脂です。

暑くなることで体温があがるとそれを調整しようとして汗をかきますし、皮脂は温められてさらさらとしてどんどん分泌されます。水と油のダブル攻撃でメイクは脅かされるというわけです。どんどん出てくる汗や皮脂をハンカチ等でおさえ、汗が落ち着いた時に化粧直しを都度できれば良いのですが、なかなか現実は難しいもの。崩れにくい素地をつくるにはどうしたらいいのでしょうか。

油分少なめのスキンケアで、朝のメイクは粉っぽく仕上げる

10代から30代半ばくらいまでの女性は、まだまだ皮脂量が多い年代。自前の皮脂(油分)が十分なうえにスキンケア化粧品やベースメイクで油分を与えすぎると当然メイクが崩れやすくなります。

お肌の乾燥が気になる人も、油分でフタをしても乾燥は改善されないので、セラミドⅡやセレブロシドなどの角質細胞間脂質や類似物質、ヒアルロン酸やコラーゲン、リピジュアなどの水を抱え込む性質のある成分を組み合わせて取り入れ、肌の水分量を守る考え方のスキンケアに変えます。

参考

肌の一番うえの部分、角質層の水分のうち、約80%ほどが角質細胞間脂質に、残り20%弱がNMF(天然保湿因子)によって守られており、皮脂によって守られているのはたった2,3%ほどです。

当ブログ内過去記事

そのうえに塗るファンデーションは、パウダーがベスト。

余計な油分が含まれておらず、酸化亜鉛や酸化鉄、シリカなどの顔料が皮脂を吸着してメイク崩れを防ぎます。乳化剤や防腐剤もリキッドに比べるとすごく少ないので肌負担も小さいですし、パウダーファンデーションはたとえSPF表記がなくてもそのものに必ず紫外線防止効果があります。

パウダーだとうまく乗らないという人は、土台(肌そのもの)のコンディションが良くないので、先にご紹介した肌の水分量を守る考え方のスキンケアを最低2週間程度行ってから変えると、今までよりずっときれいに乗ると思います。

化粧崩れを防ぐ下地を活用する

撥水剤を含む化粧下地は、撥水剤が皮脂と汗をはじくため化粧崩れが起きにくくなります。また、顔料を多めに含む下地は顔料が皮脂を吸着するため、皮脂くずれをおきにくくします。

試しに製品を見てみましょう。

プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止化粧下地 超オイリー肌用25ml 3,080円(2021年7月現在amazonでの価格)

全成分

水、シクロペンタシロキサン、トリシロキサン、ジメチコン、パーフルオロヘキシルエトキシジメチコン、エタノール、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸、カミツレ花エキス、アスナロ枝エキス、ポリシリコーン-9、PEG-12ジメチコン、硫酸Mg、BG、(メタクリル酸ラウリル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、(スチレン/メタクリル酸ステアリル)クロスポリマー、合成フルオロフロゴパイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、メチコン

シクロペンタシロキサン、トリシロキサン、ジメチコン、パーフルオロヘキシルエトキシジメチコン ……と、ずらずらずらと撥水剤であるシリコーンオイルが名を連ねています。まさに撥水剤によって皮脂、汗でメイクがよれるのを防ぐ発想です。ほとんどの成分がシリコーンオイルです。

「塗った直後からサラサラ」なる文言の表記がありますが、おそらくエタノールのことかな? と。

エタノールの含有量が多いと、その揮発性によってスッとした感じがします。スッとした感じはあくまでも感触で肌に良いも悪いもないです。乾燥肌の人だと乾燥が進みますが、こちらは皮脂が多い人を想定しているので、問題ないのではないかと。紫外線防止効果がないので、別に日焼け止めを塗る必要があると思いますが、この下にどんな日焼け止めを塗ったらいいかというと、ちょっと難しいです。

なぜなら……

これなら、ノンケミカルタイプのウォータープルーフの日焼け止めだけを下地として活用した方が一石二鳥だからです。

ノンケミカル・ウォータープルーフの日焼け止めは化粧崩れ防止にも役立つ

ウォータープルーフの日焼け止めに使われる撥水剤は、皮脂くずれを防ぐ目的に使われるものと同じ性質の成分です。さらに、紫外線防止剤として酸化亜鉛や酸化鉄などの顔料を含む(特に高SPF値のものは多量に)ので、皮脂を吸着もします。

そのため、実はノンケミカルタイプで撥水剤を多く含む日焼け止めは、ケミカルタイプの日焼け止めに比べて肌負担が少ないだけでなく、化粧崩れ防止にも大変有効です。そのうえ紫外線防止効果も持っているので、夏場の化粧下地にはこれ以上の適任はありません。

まとめ

真夏の化粧下地には、紫外線防止効果と化粧崩れ防止効果をあわせもつ、ノンケミカル・ウォータープルーフタイプの日焼け止めを使い、普段のスキンケアでは角質細胞間脂質、ヒアルロン酸、リピジュアなどのしくみの違う保湿成分を取り入れ、油分に頼らないスキンケアで土台を整えます。そのうえで、朝のメイクではパウダーファンデーションを使って仕上げることで、日中の化粧崩れを抑えることができます。

ただし、洗顔や手抜きのクレンジングではこういう密着度の高い日焼け止めは落ち切らないので、油水混合ジェルタイプか、クリームタイプのクレンジング剤をたっぷりつかって、顔全体で40秒ほどくるくると馴染ませてしっかり下地を浮かせ、水で流します。

その後、洗顔もお忘れなく…!

***

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【成分考察】ケシミンクリームf <クリーム>

この季節、日焼け止めとともに注目度が上がるのが美白化粧品です。そして、美白化粧品といえば、ケシミンシリーズ!そのネーミングからインパクト大、印象に残りやすいのか、毎年のようにお問合せいただく商品です。今時期はよくCMもよく流れているようですしね。見ていきたいと思います。

ケシミンクリームfの成分と価格

ケシミンクリームf シミ対策成分 浸透ビタミンC配合 30g×2個 【医薬部外品】
1個あたり1,250円
(2個販売 2,501円)
※2021年7月amazonでの価格

全成分

<有効成分>L-アスコルビン酸 2-グルコシド、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール酢酸エステル<その他の成分>サラシミツロウ、ステアリン酸、流動パラフィン、硬化油、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、親油型モノステアリン酸グリセリル、べヘニルアルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、吸着精製ラノリン、メチルポリシロキサン、パラオキシ安息香酸プロピル、濃グリセリン、1,3-ブチレングリコール、パラオキシ安息香酸メチル、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、キサンタンガム、クエン酸、水酸化カリウム、油溶性甘草エキス(2)、ホオノキ抽出液、プルーン酵素分解物、フェノキシエタノール、グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル、サクラ葉抽出液、精製水 (公式サイトより引用)

ケシミンクリームfの成分について

医薬部外品なので、有効成分とその他の成分で分かれています。有効成分とは、ある成分をある規定濃度含めると、ある特定の効果を表記できるものです。

参考:化粧品より医薬部外品の方が良いのか?

有効成分はL-アスコルビン酸 2-グルコシド、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール酢酸エステル。

L-アスコルビン酸 2-グルコシドがビタミンC誘導体、美白成分です。水溶性のVC誘導体で表皮か真皮で酵素によってじょじょに分解されます。2021年現在では少し古いタイプのVC誘導体です。

グリチルレチン酸ステアリルは抗炎症作用、トコフェロール酢酸エステルは血行促進による新陳代謝の促進です。

その他の成分にはクリームの基材(もと、土台の意)である油性原料が目立ち、美容訴求成分はあまり入っていないのですが、それらしいのは濃グリセリンや1,3-ブチレングリコール。古典的かつ安価な保湿剤で、それこそ100均の化粧品なんかにも入っています。

後半の方に油溶性甘草エキス(2)、ホオノキ抽出液、プルーン酵素分解物など植物エキスが少し見られますが、防腐剤であるフェノキシエタノールの手前で、クエン酸や水酸化カリウム(いずれもph調節剤)などの添加物のあと、もしくは並列なので微量。美容効果で存在感を示すものではないと思います。


結局ケシミンはしみを消すのか?

消しません。

まず、これを声を大にしてお伝えしたいです。

美白成分であるVC誘導体は、美白作用の他、過酸化脂質抑制、コラーゲンの産生促進など大変すばらしい美容効果を持つ成分でエステサロンはおろか、美容皮膚科でも重用……というか、当たり前のように使われる成分です。ですが、あくまでも医薬部外品の効能表記として認められているのは、「しみ・そばかすを予防する」です。

パッケージやCMを見るに、メーカーさんもそのあたりとても気をつけて扱っていらっしゃるのがよく分かるのですが、だったら、ケシミン=消しみ なんて、紛らわしいネーミングつけるなよぉ~と純真なわたくしは思ってしまいます。まあ、そのネーミングだもんで、こんなに注目されているし、長いこと美白化粧品として君臨しつづけているのでしょうけれどね。

しみを消したいときはどうしたらいいの?

皮膚科や美容皮膚科でレーザー治療しましょう。

現状、消すのはそれしかないです。

もっとマイルドにケアしたいとか、消えるまでいかなくても、ちょっと薄くなれば……ぐらいに考えている方はハイドロキノン配合の美白化粧品を使うか、ビタミンCを週2,3回程度イオン導入するかポレーションしましょう。

しみがあるのは肌の基底層という部分で、化粧品をふつうに塗るだけでは成分が浸透しないエリアです。

VCはそれ自体はメラニンの除去作用を持っているので、電気(機械)の力を借りることで、表皮以下に成分が届きます。また、ハイドロキノンは大変強いメラニン還元作用を持っている美白成分で、塗るだけでも浅いところにあるしみは薄くなります。大事なことなので2度いいます。ハイドロキノンだけは、本当に化粧品を塗るだけでシミが薄くなることがあります。ただし、副作用として肌を炎症させるので扱いが難しく、そのせいか市販化粧品ではあまり採用されている製品を見ません。

結論

VC誘導体の1種であるL-アスコルビン酸 2-グルコシドを規定濃度(確か3%)含むケシミンクリームは、メーカーさんもおっしゃっているとおり、しみ・そばかすの予防のために使うクリームです。

保湿成分はちょっと働きがよわく、それでいて油性原料が多いので皮脂分泌が多い若い人は使いにくいかもしれません。中高年の方に向いたクリームだと思います。

***

出来たしみ・そばかすを消すのは大変だけど、予防はできます。

日焼け止め選びに迷っている方はこちらをどうぞ。

WEB上で読みたい方はこちら


毎週金曜更新を目標に始動したのですが、早くも先週脱落しました。仕事が……仕事が、終わらない、、

でも、めげずに金曜更新目標でいきます。

ドゥラメール(DE LA MER) ザ モイスチャライジング ソフト クリーム<クリーム>

高級クリームといえば、こちらを取り上げないわけにはいきません。

ひと昔前、お手頃価格の某超定番クリームが、こちらと成分が似ており、そのことから某定番クリームは実はスゴイ美容効果なのでは?! と話題になりました。

一時期よりも熱は冷めたような感じはしますが、ニベア神話が未だネットを中心に信仰されているのは感じます。2021年の今、実際のところどうなのか、いろんな側面から考えてみたいと思います。

ちなみに、大昔に本家ブログの方でニベア(おっと……!)の側から取り上げたことがありました。

当時の記事はこちら
「ニベア青缶=高級クリームに酷似」の真相(2015年1月)

きちんと成分表記等はしていなかったようなので、改めて詳細に見ていきます。

ドゥラメール(DE LA MER) ザ モイスチャライジング ソフト クリーム

ドゥラメール(DE LA MER) ザ モイスチャライジング ソフト クリーム 60ml
価格:¥31,400
※2021年6月現在 amazonでの価格

全成分(公式サイトより引用)

水・シクロペンタシロキサン・アルゲエキス・ワセリン・ジステアリン酸グリセリル・フェニルトリメチコン・BG・水添野菜油・コレステロール・シア脂・ステアレス-10・ポリシリコーン-11・ステアリン酸グリセリル(SE)・ジメチコン・コハク酸ジオクチル・ステアロイルオキシステアリン酸イソセチル・グリセリン・セタノール・スクロース・ポリアクリルアミド・グルコース・(C13,14)イソパラフィン・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル・酢酸トコフェロール・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル・カフェイン・PCA-Na・尿素・ジパルミトイルヒドロキシプロリン・ジステアリルジモニウムクロリド・ヒアルロン酸Na・ラミナリアディギタータエキス・ラウレス-7・ライム果汁・BHT・エタノール・レシチン・EDTA-2Na・ポリクオタニウム-51・トレハロース・クリスマムマリチマムエキス・加水分解アルギン・ミクロコッカス溶解液・アッケシソウエキス・アセチルヘキサペプチド-8・プランクトンエキス・海塩・クロレラエキス・グルコースオキシダーゼ・ラクトペルオキシダーゼ・ペンチレングリコール・クレアチン・アデノシンリン酸・アセチルカルニチンHCl・シアノコバラミン・ヒドロキシプロピルシクロデキストリン・ダイズ種子エキス・ムコ多糖・フェノキシエタノール・ソルビン酸K・香料

https://www.delamer.jp/product/5834/22929/moisturizers/the-moisturizing-soft-cream/face-cream-for-dry-skin#/sku/44193

次に例の超定番クリームの成分を見ていきましょう。

ニベアクリーム 大缶 169g
価格:¥436
※2021年6月現在 amazonでの価格

全成分(製品裏面より)
水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸、安息香酸Na、香料

あれ?

あんまり似てないな。というか、全然違いますね。

2015年時に自分が書いた関連するものには成分表記がないのですが、「確かにかなり似ている」「ニベアの青缶に入っていて高級クリームに入っていないのはほんの何種類かの成分」とまで書いているので、当時は相当似ていたのかもしれません。化粧品のマイナーチェンジってけっこう短期間で繰り返されるので、5年以上経っていれば2回くらい変わっていてもおかしくないかも……。

ドゥラメールの表示3番目にアルゲエキスがあるのが印象的ですね。

アルゲエキスとは海藻エキスのことで、含まれるミネラルが保湿作用があると言われています。

タラソ発想が得意なフランスのスパ化粧品によく見られる成分です。有名どころだと、THALGO(タルゴ)とか。

関連記事:さらに別館完全に個人的なお楽しみだけに存在しているブログの過去記事です
THALGO(タルゴ)の入浴剤について

ドゥラメールが含む他の美容訴求成分もタラソやフィト発想の自然派成分が目立つのですが、かなり後半に強い作用の保湿剤であるポリクオタニウム-51や新しい抗老化剤アセチルヘキサペプチド-8などが見られます。このあたりの成分が市販品でもよく見られるようになったのはけっこう最近なので、やはりこれはリニューアルかかってますね。

全体的にはこれまでのブランドイメージそのままのナチュラルな思想に基づいていますが、一部このような科学的で高機能な成分を含んでいるようです。これは、ニベアのような数百円の製品には不可能なこと。

もはや、ニベアとこちらのクリームは別物ですが、だからといってドゥラメール ザ モイスチャライジング ソフト クリームがスキンケア効果の高いクリームということでもないと思います。

こちらはやはり、スキンケアやその時間を楽しむタイプの製品で、本当に肌を良くしたいとか、しみとかしわをどうこうしたいというニーズに対応するタイプの製品ではありませんし、それでいいのですよね。

皆が皆、化粧品に何らかの効果を切実に願っているわけではないし、そもそも化粧品の定義は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」(薬事法より)です。

ただ大事なのは、消費者が自分のニーズ(目的)を自分でちゃんとわかっていて、それを叶える製品を選ぶための情報がきちんとメーカーなりが誠実に出しているかどうかだと思います。これが、化粧品選びの難しいところなのですよね。

ちょっと脱線しつつあるので、話戻しますけれど。

同じ高級クリームカテゴリー(値段は3倍近く違うけど!)でも、前回取り上げたカネボウ ザ クリームとはずいぶん発想が違い、性能(効果)も違うクリームです。そして、ひと昔前に話題となったニベアとはすでに全く違うクリームでもあります。

なのに、なぜ未だニベア神話がそこここに息づいているのでしょうか?

成分マニアのエステティシャンとしては、そこにピンとくるものがあります。

次回、そのあたりを書いてみたいと思います。

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美容ブログ(このブログ)の定期更新を再開するにあたって、あれこれいじったり、過去取り上げた化粧品の確認などもしてみたんですが、またなんかひと時代変わった気がします。

ニベアといえば、低価格のノンケミカルの日焼け止めが割りと良かったのですが、現在の商品ラインナップを見ると、その商品は廃番寸前か……? という風情で、わびしさを感じました。

当たり前っちゃ当たり前なんですけれど、化粧品は一般の方にはほとんど使用感で選ばれるので、科学的視点ではほんとうに肌に良かったり、すばらしいコストパフォーマンスの製品もどんどん無くなっていったりしてしまうんですよね。

日焼け止めはそれが露骨なカテゴリーで、肌のためには絶対ノンケミカルがお勧めなんですけれど、利便性やテクスチャー(質感の意味)の面でケミカルタイプに劣ることが多いうえ、価格も劣勢なのでどんどん無くなっていってしまいます。

一方で、10年超のエステティシャンの臨床経験からすると、日焼け止めの肌負担によるトラブルはほんとうに多くて、ですね。

何ともない人はそれ(ケミカルタイプ)でいいんですけれど、毎年夏から秋に肌荒れとか肌不調で悩んだり憂鬱になってしまう人には、「日焼け止めはノンケミカルにして!!!!」と、声を大にしてお伝えしたいのです。

あとね、それ以外の美容液でもクリームでも、スキンケアを楽しんでいる方には何を使ってもらってもいいんですけれど、肌に悩みがあって化粧品ジプシーを通り越して難民になっている方には、「俺のところに来いよ!」と両手を広げてお伝えしたいです。

ほんと、そんな高いお金出さなくっても良くなることって、いっぱいあるんすよ。

誠実に良い商品つくっている素晴らしいメーカーさんって、中小企業でいっぱいあるんすよーーーー(魂の叫び)

定価12万のクリームの成分を見てみた

ふだん、スキンケアの仕上げにクリームを使っていますか?

長らく軽めのテクスチャーのスキンケア化粧品が好まれていますから、お使いでない方も多いかもしれません。

ただ、美容効果の観点からいうと、クリームは最重要アイテムです。

どうしてかというと、美容成分は油溶性といって油分に溶ける性質のものの方が多いのです。また、化粧水の9割以上がただの水(正確には基材である精製水)であるのに対し、クリームは美容液とともに美容訴求成分の濃度が高くなりやすい傾向もあります。

化粧水や乳液に比べて美容液やクリームの値段が高めのものが多いのは、そういう側面もあるからかも。

クリームは、スキンケアに効果を求めるのなら欠かせないアイテムなのです。

そんなスキンケアの重要アイテム、クリームですが、市販のお値段の高いクリームって結局肌にいいものなのでしょうか?

いったい、どんな成分が入っているのでしょう?

そんなことが気になって、早速だいすきなamazonさんで検索をかけてみました。

乳液・クリーム→3万円以上→値段の高い順でソート!!!!

うほっ!(興奮) きたきた。

KANEBO(カネボウ) カネボウ ザ クリーム(医薬部外品) クリーム 40ml
価格: ¥132,000

贅沢なテクスチャー。濃厚な使い心地。満たされるような香り。 手にした瞬間から、見る人を圧倒する自信に満ちた美しき存在へ。 その人の佇まいまで美しく。 それは祈るように纏い、一つ上の高みに美しく引き上げる。 上質なうるおいと艶を湛えた透明感と、ハリのある肌に整えるエイジングケア*クリーム。

https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/products/2032435

すごい紹介文だ……!!

早速、成分見ていきましょう。

全成分(公式サイトより引用)

塩化レボカルニチン*、ニコチン酸dl-α-トコフェロール*、グリチルリチン酸ジカリウム*、水、シュガースクワラン、マルチトール液、ジグリセリン、ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、セテアリルアルコール、ワセリン、濃グリセリン、DPG、オリブ油、親油型ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリン酸PEG、ステアロイルグルタミン酸Na、ホホバ油、マカデミアナッツ油、イソステアリン酸、ジメチコン、フェノキシエタノール、ミツロウ、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、N-メチル-L-セリン、キサンタンガム、チョウジ抽出液、水酸化K、クロルフェネシン、BG、エタノール、オランダカラシエキス、セイヨウナシ果汁発酵液、ゼニアオイエキス、ヒメフウロエキス、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、エデト酸塩、水添大豆リン脂質、ゲットウ葉エキス、エチルグルコシド、香料 *は「有効成分」無表示は「その他の成分」

https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/products/2032435

フェノキシエタノールが防腐剤で配合上限1%なので、美容訴求成分として意味がありそうなのはその前後の表示まででしょうかね。

有効成分である塩化レボカルニチンは肌荒れの予防と改善効果、ニコチン酸dl-α-トコフェロールはビタミンE誘導体で、血行促進して新陳代謝を促すはたらき、グリチルリチン酸ジカリウムはご存じ、抗炎症作用による肌あれ防止。

グリチルリチン酸ジカリウムとニコチン酸dl-α-トコフェロールはポピュラーな有効成分ですけれど、塩化レボカルニチンは見ないですね。

……調べたところ、カネボウさんが開発した成分とのこと。肌に塗ると、角質細胞間脂質が増加するようで、それにより肌荒れを予防・改善するとのこと。

角質細胞間脂質(代表格はセラミドⅡ)は非常に重要な保湿成分ですが、そもそも大変高価な成分です。それを増やす成分が入っているなんて、いいですね~! 高級クリームっぽいです。

水、シュガースクワラン、セテアリルアルコール、ワセリン、オリブ油、親油型ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ステアリン酸PEG、ホホバ油、マカデミアナッツ油、イソステアリン酸……このあたりはすべて基材(クリームの土台)ですね。たくさん入っていて、テクスチャーがかなり精密に調整されている感じ。感触や肌あたりがかなり良さそうです。

その他の成分で、美容訴求成分のトップバッターはマルチトール、糖アルコールで保湿剤ですね。穏やかな作用。

あとは、ジグリセリン、ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、濃グリセリン、DPG……この辺は保湿成分ですね。あまり重要な成分ではなく、穏やかな、というか割りと古典的なタイプですね。

……ん、んんん?

フェノキシエタノールより前の表示だとこれで全てですな。

一応以降も見てみると、お! という成分はヒメフウロエキスくらいでしょうか

紫外線によるしわやしみを予防・改善する作用があります。

う~ん。

たぶん、この製品の最大の特徴はやはり塩化レボカルニチンですね。

ざっとデータベースとかも見てみたのですが、他に使われている製品が見当たらないです。特許取っているのかしら?? でも塩化レボカルニチンはまんま成分名なんですよね~。もしかすると、カネボウさん以外使えないのかなぁ。

ううん、手持ちの資料と情報じゃ分からんです。あまりここを突き詰めると本題からずれていくのでここらにしておきます。

このクリームは分類でいくと、保湿クリームでしょうね。美白成分や抗老化成分は防腐剤以降の植物エキスだけで、主となっていはいません。

保湿成分としても、すぐに効果(ほんとは効果って言っちゃいけないけど、慣用句的表現の”効果”)が感じられるような成分が入っていないので、どれだけ塩化レボカルニチンがすごいかでしょうね。

いずれにせよ、ある程度の期間……少なくとも、ターンオーバーが1回か2回、年齢にもよりますが2~3ヵ月くらいは使わないと、その変化は感じられないのではないかと思います。角質細胞間脂質が増えるといっても、ターンオーバーとともに、ゆっくり、という感じでしょうから。

40mlという容量もちょっと珍しい。クリームの容量で一般的なのは30gなので、たぶん、のびのよい軽めのテクスチャーなのだと思います。

朝晩しっかり使って1ヵ月分くらいかな。

……となると、132,000×2か3……

ひょえ~! 試用するには勇気のいる金額ですね!!!

『贅沢なテクスチャー。濃厚な使い心地。(中略)上質なうるおいと艶を湛えた透明感と、ハリのある肌に整える』

もしかすると、全く誇張のない宣伝文句かもしれません。

良いか悪いかで言うと、難しいですけれど、成分マニアンなエステティシャンも興味津々、手に取ってみたい製品です。

やっぱり高価格帯は面白い製品がありますねぇ。

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暑くなってくると特にベタツキが嫌で、普段はスキンケアラインにクリームが入っているのに省いてしまったり、お休みしてしまったり、使う量が減ってしまうこともあると思います。

しかし、クリームはスキンケアにある程度の効果を求めるならば、美容訴求成分の濃度が高くなりやすく、油溶性の成分を含むため、欠かせない最重要アイテムです。

冬=乾燥のイメージはあると思いますが、実は夏場も冷房の影響だったり、汗のために乾燥に注意しなければなりません。特にコロナ禍ではマスクを外すことができないため、覆われている部分はいつも以上に乾燥しやすい状態になっています。(水は蒸発するときに周囲の水分を奪います)

涼しくなってきた秋に肌不調を感じることが多いのは、夏場の”隠れ乾燥”も一因だと言われています。

体温が上がるため冬場よりも皮脂分泌が盛んなため、一見乾燥などしていないように見える(感じる)のですよね。

お肌を健やかに美しく保ちたいと願うのなら、スキンケアにクリームを使っていない人はクリームを取り入れて欲しいと思います。また、何を使うかの以前に、十分な量を季節問わず使うことがまずは大切です。


無料オンラインレクチャー付(ご希望の方のみ)お家でエステキット販売再開いたしました。

成分マニアのエステティシャンが満を持してお送りする お家でエステキット

普段のスキンケアに1か月半から2ヵ月程度はお使いいただける、クレンジング、洗顔(角質ケア効果含)、美容液をセットにし、さらにお家でエステレベルのケアを楽しんでいただけるマスク、クリームをセットにした自信の1品です。

コスト、性能、多くの肌質に対応できるかどうかなどを追求した結果、4メーカー7レーベルの化粧品を採用し、組み合わせました。

気兼ねなくエステに行くことが難しい状況が続いていますので、本格派ケアをお家でご体感いただければと思います。

<日焼け止め>ANESSA(アネッサ) モイスチャーUV マイルドミルク a


ちょっと季節的には遅いですけれど、まだまだ紫外線自体は強いので有名どころの日焼け止めを取り上げて、もう少しUV化粧品について掘り下げたいと思います。


ANESSA(アネッサ) モイスチャーUV マイルドミルク a 60ml 2728円(2020年8月amazonでの価格)

全成分:
水,セバシン酸ジイソプロピル,シクロペンタシロキサン,BG,グリセリン,トリエチルヘキサノイン,カプリリルメチコン,酸化亜鉛,DPG,酸化チタン,テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル,シリカ,PEG-100水添ヒマシ油,ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン,イソステアリン酸,エチルヘキシルトリアゾン,(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン,ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,グリチルリチン酸2K,アセチルヒアルロン酸Na,含水シリカ,ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3,(アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEG)コポリマー,水酸化Al,ジメチコン,ハイドロゲンジメチコン,サクシノグリカン,(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー,クエン酸,ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース,ステアリン酸,パルミチン酸デキストリン,クエン酸Na,トコフェロール,フェノキシエタノール

ざっくり結論: 「敏感肌、赤ちゃんや子どもにも使える」の定義をあらためて考えたくなる製品

日焼け止めの代名詞のような製品で、ひと昔前は「日焼け止めは何を使っていますか?」とおうかがいすると、必ず名前が出てきた製品です。

成分見ていきましょう……の前に。

日焼け止めは、基材+撥水剤+紫外線防止剤+美容訴求成分+製品安定剤などが含まれるため全成分表示にボリュームがあるため分かりにくいように見えますが、化粧水や美容液、クリームなんかに比べるとあまりバリエーションがないので逆に分かりやすかったりします。

日焼け止めで大きな違いが出るところは、紫外線防止剤……つまり、どういう風に紫外線をカットするか、という部分です。

使われている紫外線防止剤が散乱剤のみのタイプをノンケミカルタイプといい、そのように表記されています。これは世の中に星の数ほどある日焼け止めのごく一部の製品で、それ以外の製品では紫外線防止剤に吸収剤が使われています。

それでは、アネッサ モイスチャーUV マイルドミルク aの紫外線防止剤を見てみましょう。

紫外線散乱剤の酸化亜鉛、酸化チタン と 紫外線吸収剤のビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルが見られます。

散乱剤と吸収剤が両方入っているため、ノンケミカルタイプではないです。ちなみに、肌への負担、リスクは紫外線吸収剤が入っている方が高くなります。



<参考>
美しい肌を守る日焼け止めの選び方① ~成分に着目する~

『赤ちゃん*や子どもにも使える低刺激設計』(公式サイトより)ということで、紫外線散乱剤の方が含有量が多く、低刺激「設計」であることは間違いないと思いますが、紫外線吸収剤自体が化粧品原料のなかではなかなか刺激が強いものですし、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンのような粘膜に使用する化粧品には配合が禁止されている成分が入っているところを見ると、低刺激の定義とはいったいなんなのか改めて考えてみたくなります。

日焼け止めに限らず、化粧品には「ベビー用」「低刺激」などと表記のあるものがありますが、明確に……たとえば、法律で定められているような決まりはありません。あくまでも「当社比」というのが現状で、なかには成分を見るかぎりではまったく低刺激と思えないようなもの、私なら子どもさんに使うのにはおすすめしないな、と思うような成分のものもあります。

こちらの日焼け止めも、低刺激設計であることは間違いないですが、私なら赤ちゃんや子どもさんには使わないし、おすすめもしないと思います。60ml 2,728円(メーカー価は3,300円)ですと、もっと肌へのリスクが低いノンケミカルタイプも使えるぐらいのコストですしね。

ついでに気になるのは『石けんでするりと落ちる』(公式サイトより)でしょうか。撥水剤が入っているようなんですけれどね。いや、撥水剤が入っていないと日焼け止めは日焼け止めの役割を果たせません。汗で落ちてしまうわけですから……。

こんな風に書いていると、紫外線吸収剤が入っている日焼け止めすべてが悪のようですが、そんなことはありません。肌へのリスク、負担、刺激という点ではやはり散乱剤に分があるんですけれど、質感、仕上がりという観点では吸収剤の方が優れています。

日焼け止めを塗って白くなるのが嫌だから、透明タイプがいい。そんな方はいらっしゃいませんか?

透明の日焼け止めはすべて紫外線吸収剤タイプです。散乱剤は酸化亜鉛や酸化チタンのような顔料……つまり、粉なので白色から肌色のクリームタイプにしかならず、必ず多少の色がつきます。吸収剤はローションやスプレーにもできますから塗ったときの感触を軽くできるのも特徴です。(ただし、散乱剤よりもしっかり量を肌のうえに乗せないと日焼け防止効果が得られないことはあります)

長くなっているのでそろそろまとめましょうか。

やっぱり、アネッサはアネッサというブランドらしく、がっつりの紫外線吸収剤が入ったレジャー向け日焼け止めでいて欲しいです。昨今人気のある低刺激タイプの日焼け止めは、他のレーベルかブランドにお任せして、中途半端に寄せない方がいいと思うの。

日常使いの日焼け止めはスキンケアの観点からはやはりノンケミカルタイプがおすすめですが、たまのレジャーなら紫外線吸収剤タイプの日焼け止めもいいと思います。その方が経済的には賢い選択ですし、たまに使うのならさほど肌への負担も気にしなくてよいと思いますのでね。


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なんとなく★評価まとめをつけてみる
満点は5で

系統 古典的日焼け止め
成分 ★
性能 ★※
コストパフォーマンス ★※

※この製品は試用しておらず、性能とコストパパフォーマンスは成分を見た印象にすぎません

<ハンドクリーム>PAX NATURON(パックスナチュロン) パックスナチュロン ハンドクリーム 70g

日々、刻々と状況が変わりますね。

私の住まう北海道札幌市では、
・2月29日~3月19日まで道独自の緊急事態宣言
・10日強ほど小康状態がつづくが、4月初旬ほどから少しずつ再び感染者が増えはじめる
・4月13日 北海道・札幌市緊急共同宣言により、札幌市の小中高がふたたび休校
・4月16日 国による緊急事態宣言が全国に拡大
という変遷をたどっております。

二桁台の新たな患者さんが確認されていて、内感染経路が不明な方は半数ほどですが、次は休業要請がいつ出るかな……というかんじです。

店がありますので、さすがに対応に追われてドタバタしてしまって、なかなかこっちまでこられませんでした。

もはや、状況的にも心境的にも手荒れがどうとか言ってられない、という方も少なくないと思いますが──

私は日常の些末ごとを掘り下げるという豊かな社会でしかできないことをさせていただいており、結局それしかできないし、できることをやるしかないのでいつもどおり呑気にハンドクリームなんぞのことを真剣に考えたいと思います。

医療や食料品、交通など社会機能を支えてくださっている方々には、心からの敬意を感謝を表します!

製品の詳細を見ていく前に、こちら↓を読んでもらった方が、深まると思います。

前提が違ってしまうと、話が変わってきてしまうのでね。

▼ 本気で手荒れを治す、防ぐにはどうしたらよいの?~皮膚科学の観点から~
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/473828073.html
▼肌荒れが起きる仕組みをわかりやすく
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/474003214.html
▼化粧品より医薬部外品の方が良いのか?
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/450526825.html

【PAX NATURON(パックスナチュロン) パックスナチュロン ハンドクリーム 単品 70g
880円(2020年4月amazonでの価格)

全成分:
水,グリセリン,カリ石ケン素地,ホホバ種子油,スクワラン,ハイブリットヒマワリ油,キダチアロエエキス-2,トコフェロール,ヒノキチオール,エタノール

ざっくり結論:
油脂類中心の古典的なハンドクリーム
このくらいで手荒れや乾燥が改善するならば、それは深刻な手荒れではない

こちらも 【指定医薬部外品】ユースキンA と同じでネットでは人気ありますよね。値段が手ごろだし、やさしそうなイメージがやはり好まれているのかもしれません。

成分見ていきましょう。

保水するような成分は、昔からあり、安価で働きの穏やかなグリセリンのみ。
恐らく安価なスキンケア化粧品で、入っていないケースはないのではないかと思うくらいの成分です。吸湿性によって保湿するため、他のアプローチの保湿成分に比べると働きが穏やかというか、悪く言えば弱いです。水でも流れやすいですね。

ホホバ種子油,スクワラン,ハイブリットヒマワリ油は表面をおおい、柔らかな感触を与えます。ホホバ油は植物油のなかでは酸化しにくいため、良質なオイルに分類されがちですが、保湿力が高いとかそういうことではありません。スクワランも酸化しにくく、皮脂となじみもよいため高級かつ良質なオイルのひとつですが、これも保湿にはあまり関係ないです。

肌のうるおいを守っているのは、大半が角質細胞間脂質と天然保湿因子で、皮脂(油)はわずか2,3パーセントでしかありませんのでね。

参考:
本気で手荒れを予防したいなら、まずは肌の構造を知る
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/473828073.html#title2

植物油でも、動物由来油でも、鉱物油でも種類によらずスキンケアの観点からは皮脂の代替……または補助成分です。アロエエキスは保湿成分ですが、植物エキスなのではたらきは穏やか、ヒノキチオールは養毛剤として使われることもありますが、表示順からいってこの場合は防腐目的だと思います。製品の酸化防止剤であるトコフェロール(ビタミンE)とエタノールに挟まれていますので。

歯に衣着せぬ言い方をすれば、科学的な観点では取り立てて優れている点はなく、このくらいの保湿力のハンドクリームを塗ることで改善、維持できる場合は、手荒れの程度としてはかなり軽いものだと思います。効果や効能で選ぶというよりは、自然派スキンケアの実践という点で、商品の思想を楽しむタイプの化粧品だと思います。

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なんとなく★評価まとめをつけてみる
満点は5で
系統 商品やブランドの思想を楽しむ娯楽化粧品タイプ
成分 ★
性能 ★※
コストパフォーマンス ★※
※この製品は試用しておらず、性能とコストパパフォーマンスは成分を見た印象にすぎません

あくまでも個人の考え方、意見です。
なにを信じ、なにを選ぶかは自由です。
ご使用の際はご自身の美容観や健康観に沿った判断でどうぞ。

<保湿クリーム/ハンドクリーム> ユースキンA (医薬部外品)

新型コロナウイルスの影響拡大にともない、頻繁な手洗いとアルコール消毒によって手荒れがヤバイことになっている人が多いと思われるため、ここから数回に渡ってハンドクリーム(場合によって保湿クリーム)を取り上げていきます。
事前にこちら↓を読んでもらった方が、深まると思います。

▼ 本気で手荒れを治す、防ぐにはどうしたらよいの?~皮膚科学の観点から~
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/473828073.html
▼肌荒れが起きる仕組みをわかりやすく
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/474003214.html
▼化粧品より医薬部外品の方が良いのか?
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/450526825.html


【指定医薬部外品】ユースキンA 70g
517円(2020年3月amazonでの価格)

有効成分:
ビタミンE酢酸エステル
グリチルレチン酸
dl-カンフル
グリセリン
添加物として(その他の成分):
ビタミンB2
ポリソルベート80
自己乳化型ステアリン酸グリセリン
ステアリン酸
ハードファット
トリエタノールアミン
エデト酸Na
ミリスチン酸イソプロピル
パラベン
ステアリルアルコール
ヒアルロン酸Na
ビタミンC

ざっくり結論:
分かりやすく医薬部外品のクリーム。基本。原点。
自転車操業型、その場しのぎタイプのスキンケアアイテムで、肌そのもの、土台を回復・改善させることはしない

ネットでは人気ありますよね。
手頃な値段で効きそう! というところがポイントかもしれません。
成分見ていきましょう。
医薬部外品なので有効成分とその他の成分に分かれています。

参考:
化粧品より医薬部外品の方が良いのか?
http://sentakubiyori06s.seesaa.net/article/450526825.html

有効成分:
ビタミンE酢酸エステル
グリチルレチン酸
dl-カンフル
グリセリン
ビタミンE酢酸エステル、グリチルレチン酸、dl-カンフルは血行改善、促進、消炎作用、抗アレルギー作用(グリチルリチン酸のみ)を持つ成分です。いずれも医薬品に使われることもあります。医薬部外品に使われている場合は濃度が落ちます。
珍しい成分ということは全くなく、医薬部外品にとっても化粧品にとっても非常にポピュラーでスタンダードな成分です。
炎症を抑えながら血行を促進することによって新陳代謝を促し、しもやけやあかぎれを改善しよう、という方向性かと思います。
手洗いやアルコールによってバリア機能が低下し、乾燥がすすんで炎症が起こしている肌への対策というよりは、しもやけ・あかぎれの方がしっくりくるイメージです。
その他の成分:
ビタミンB2
ポリソルベート80
自己乳化型ステアリン酸グリセリン
ステアリン酸
ハードファット
トリエタノールアミン
エデト酸Na
ミリスチン酸イソプロピル
パラベン
ステアリルアルコール
ヒアルロン酸Na
ビタミンC
ビタミンBは不足すると口角炎や口唇炎の一因になるといわれておりますが、これは経口摂取の話。
化粧品の成分としては、脂漏性皮膚炎……一般的には、皮脂や油脂過剰による皮膚の炎症へのケアとして使われます。ちょっとそぐわない感じしますが、なんで入っているんだろうか。
それ以外は界面活性剤と基材と、添加物です。
基材というのは美容訴求成分を混ぜるための土台になるもので、化粧水ならば水、クリームならばなんらかの油性原料、皮膚薬ならば白色ワセリンなどがそうです。
界面活性剤は水と油などさまざまな性質の成分を混ぜることができるので、乳化剤としても使われます。
添加物はph調節剤や、防腐剤などですね。
肌のうるおいを守る、与えるための成分はグリセリンとヒアルロン酸Naのみ。
どちらも古典的かつ特別な成分ではありません。
グリセリンは吸湿性によって水分を取り込む(蓄える)成分ですから、保湿剤のなかでははたらきが穏やかですし、ヒアルロン酸Naは防腐剤の後方表示のためほとんど入っていないと考えてよさそう。
手指や顔、からだの角質層の低下している水分量を復活させるはたらきはほとんどありません。
乾燥やしもやけ、あかぎれなどの炎症を、抗炎症によって水際で食い止め、自己の新陳代謝を活発にすることによってなんとかしのいでいこう、というタイプの考え方の製品です。
手洗い、アルコール消毒による手荒れという観点では、起きていく乾燥や炎症は決して軽いものではないのでギリギリのところで食い止められるかどうか、微妙なところ。20代はいけそうな気がしますが、以降は自身の肌の水分量がかなり落ちているのでけっこう難しいように思います。
このタイプの製品をうまく活用したいなら、とにかく使いつづけること、です。
肌の土台や素地を養っていくタイプの化粧品ではなく、ギリギリのところで異変を防いでいく水際作戦タイプの製品なので、使い続けなければその恩恵にあずかれません。使い続けていても炎症がひどくなるようなら、潔く医薬品にクラスアップした方がよいです。結局、医薬部外品が医薬品を勝ることはないのでね。
個人的には、肌そのものに水分の貯金を増やした方が余力が生まれ、少しくらいケアをサボっても肌荒れが起きなくなるし、きめが細かくなることによって見栄えもよくなるのでそちらのケアの方が合理的なように考えていますが、スキンケアの考え方は人それぞれです。
水際作戦を採用したい方は、このタイプの化粧品がよいでしょう。
もうひとつこのタイプのメリットをあげるとすれば、コストが安いこと!
肌そのものの水分量をUPし、バリア機能を回復させるような化粧品に含まれる成分はいずれもちょっと高価です。そのため、製品価格も割高になります。
現在、今後のために、あらためてかなりの数のハンドクリームの成分を見直していますが、今のところの感触だと、千円以下は「ない」と考えてもよさそうな感じです。
医薬部外品を含め、化粧品はさまざまな考え方によってつくられていますので、それぞれの特徴を押えたうえで上手に選び、活用するのが賢いと思います。
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満点は5で
系統 抗炎症タイプ 保湿力はほとんどない
成分 ★★
性能 ★★※
コストパフォーマンス ★★※
※この製品は試用しておらず、性能とコストパパフォーマンスは成分を見た印象にすぎません

あくまでも私個人の考え方、意見です。
なにを信じ、なにを選ぶかは自由です。
ご使用の際はご自身の美容観や健康観に沿った判断でどうぞ。

<化粧水> 全薬工業 アルージェ モイスチャーミストローションⅡ(しっとり)

全薬工業 アルージェ モイスチャー ミストローション II (しっとり) 220ミリ (医薬部外品)
全薬工業 アルージェ モイスチャーミストローションⅡ 220ml
2,698円(2019年10月amazonでの価格)


全成分:
水、濃グリセリン、ペンチレングリコール、PEG-20、カンゾウ葉エキス、コメヌカエキス、トリメチルグリシン、ヒアルロン酸Na-2、ビオセラミド、ジグリセリン、フェノキシエタノール、グリチルリチン酸2K、ε-アミノカプロン酸


ざっくり結論:
入っているものはいい!
もう少し全体的に美容訴求成分が濃ければ、保湿化粧水として理想的。


保湿・低刺激のイメージ、手に取りやすい価格、ドラッグストアやネットで手に入りやすい、と好条件が揃っている人気の高いアルージェシリーズの化粧水です。


乾燥の季節になってきて、保湿系化粧品のお問合せが増えていますが、この「アルージェ」と「キュレル」は特に多いですね。昔から。


成分見ていきます。


保湿成分は、表示順に


・濃グリセリン
・ペンチレングリコール
・PEG-20
・コメヌカエキス
・トリメチルグリシン
・ヒアルロン酸Na-2
・ビオセラミド
・ジグリセリン


そう、ほぼ全てといってもいいです。


カンゾウ葉エキスはコラーゲンの合成を促進作用を持つといわれている成分で、コメヌカエキスは保湿と肌の機能を活性化させる作用をもっているといわれています。いずれも植物エキスなので、働きは穏やかでしょうけれどね。


製品の方向性としては、まさに、


モイスチャー!!!
しっとり!!

で間違いないです。


ただ、実際にこの化粧水を使用することで「モイスチャー」「しっとり」を肌にもたらせるかというと別問題かなぁ……と。


大前提として、化粧水の85%から95%以上は基材(土台の意味)の「水」であり、含まれる美容訴求成分は非常に薄いです。


化粧水の場合たいていは1%未満で、何かの成分を単独で3%以上含む水基材の化粧品は、美容液というカテゴリーになっていることが多いです。


しかも、こちらの製品の場合、保湿成分の大半が吸湿性によって保湿するタイプの穏やかな保湿成分。


強力に水分を抱え込んだり、それを逃さないというような性質の成分ではないので、ちと弱い。


ヒアルロン酸Na-2は水分を貯めこめる成分ですし、ビオセラミドは細胞間の隙間をパテのように埋めて水分蒸発をさせない性質の、どちらも保湿に重要な成分なのですが、いかんせん表示が後方すぎる……! だって、防腐剤の手前ですからね。


しかも、繰り返しますが「化粧水」という性質上、もともとがほとんど水だという……


ほとんど水の物体の防腐剤手前表示の成分となると、推して知るべしってなっちゃいますな。


化粧水は洗顔後の肌を整えるために使用するもので、もともとスキンケアの要にはなりません。


保湿ケアをお考えの方が、こちらの化粧水でスキンケアをスタートし、もっと優れた美容液→クリーム と重ねていける場合には、使ってみても良いのではないかと思いますが、この化粧水を主役に据えてそれを期待するには酷というものだと思います。


保湿ケアの主役でなく、サブ的位置で採用するべき化粧水かと私は思います。


もっとも、このお値段だとかなり他の選択肢もありそうですけれどね。


***
なんとなく★評価まとめをつけてみる
満点は5で
系統 保湿化粧品
成分 ★★★★
性能 ★★※
コストパフォーマンス ★★※
※この製品は試用しておらず、性能とコストパパフォーマンスは成分を見た印象にすぎません

保湿寄りスキンケアを行う際、洗顔後に肌を整える目的がよろしいかと思います


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いろんなとこで書いてますし、いろんなとこでお話ししていますが──


予算が限られている人や、アイテム数を抑えたい人がスキンケア化粧品を選ぶならまずはクリームを見るべきです。


クリームは水溶性と油溶性両方の美容訴求成分を含めることができますし、一般的には化粧水よりその濃度も高いです。


美容効果の観点からは、化粧水のみを塗るくらいなら、クリームだけを塗るほうがずっと良い。


ひと昔前に流行った「ニベア オンリー 美容法」は考え方としては間違いじゃないです。


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冒頭でキュレル シリーズにもちらっと触れましたが、わりとこのアルージェのシリーズと印象が似ています。


入っているものはいいんだけれど、実用となると、ちょっと気になる点があるというか、なんというか。


広く流通する製品はどうしても割高になるので、仕方ないっちゃ仕方ないんですけれどね。


細々と良いものを作っている業務用メーカーさんを何社も知っているので、どうしても見劣りしてしまうんですよね。


比べること自体ナンセンスだとは分かっているんですけれど。


市販品はスキンケア効果で選ぶべきではなく、ブランドイメージやパッケージのかわいさ、テクスチャーや香りの好みなど感性で選ぶほうがしっくりくるし、それ以上はあんまり期待しない方が楽しいと思います。そもそも、ほんとうは化粧品ってそういうものですしね。