増コスト0で今すぐできる、肌の乾燥対策

湿度が下がってきましたね。

私の住まう札幌はすでに室内は40%台がデフォルトです。

対策なしだと30%台を見かけることも……オソロシイ。

定期的に拝見させていただいているクライアントにも、顕著に乾燥傾向が見られるようになってきました。

今日はコスト増ゼロ、何も買い足さず、手持ちのスキンケアアイテムを変えずにできる肌の乾燥ケアをご紹介したいと思います。

使っている化粧品を全体的に増量する

お使いの化粧水や美容液、クリームの使用量を増やすという超カンタンな技です。

簡単ではありますが、実はそれが有効な背景がちゃんとあります。

消費者が毎日のスキンケアに使用しているスキンケア化粧品の量は、メーカーが想定している量の1/2から1/3程度に留まっているというデータがあります。

つまり、メーカーが推奨している量よりも実際は遥かに少ないことが多いのですよね。

私は長年サロンを運営しており、10年以上のお付き合いをいただいているクライアントも少なくありませんが、そのような美意識が高く、スキンケアにも関心が高い方たちでさえ定期的にお声がけさせていただかないと、いつの間にか使用量が大分推奨量よりも減ってしまっています。

かくいう私もそうです。

分かっていても、日々の忙しさに流されて……または、節約意識が高じて、つい使用量を控えめにしてしまうのが人心というものだと思います。

それで問題がないのなら別に悪いことでないと思いますが、肌のコンディションが気になってきたら使用量が減っていないか確認してみてくださいね。

ところで、化粧品のパッケージの裏書には「適量使用する」と書いてあることが多いですが、この適量とは一体どのぐらいでしょうか。

製品と使う人の顔の大きさによって多少違いますが、

化粧水=500円玉大

美容液=さくらんぼ大

クリーム=パール粒大2つ、またはさくらんぼ大

だいたいこのぐらいを1回分の使用量の目安にしておくと良いと思います。

このぐらいで使っていくと、化粧品の減り具合はどうなっていくかというと……

タンク式のクリームであれば最も一般的な容量は30gですが、30gは1か月で使いきるくらいです。

化粧水はテクスチャー(質感)によってずいぶん違いますし、容量も製品による幅がかなりあります。よく見る容器容量としては100ml~220mlくらいかと思います。大体1か月あたり120ml程度使うと1回500円玉大くらいになるでしょう。

ちなみに、使用量を増やす際は美容液とクリームを特に意識すると有効です。

心情的にも行程的にも増やしやすいのは化粧水だと思うのですが、化粧水は90%以上がただの水なので増やしたところでちょっとふやけやすくなるだけです。

それに対し、美容液やクリームは基材に対する美容訴求成分の含有量が多くなっているので、肌に働きかける力が強いです。

手持ちのクリームでパックをする

近ごろはホームケアのパックとしてはシートパックが主流ですが、シートパックはパックのなかでは「手軽である」「扱いやすい」という利便性の観点ではメリットが目立ちますが、スキンケア効果からはエタノールの含有量が高いことや、シートに薄い不織布が採用されていることが多いなどデメリットやリスクが目立ちます。

今も昔も保湿ケアとして最高のパックは「石膏パック」です。

ただ、石膏パックはホームケアとして重要な「手軽さ・やりやすさ」という要素をすべて投げ捨ててしまっています。

また、誤って直接肌につけてしまうとトラブルを起こすなど扱いが難しいため、今やエステサロンでも避けられることが少なくありません。業務用パック剤の主流もジェル、クリームになっています。

そこで私はお手持ちのクリームによる、クリームパックをご提案したいと思います。

いつもスキンケアに使っているクリームを2倍~3倍程度、お顔に塗ったくります。

そしてその、ぬらぬらな状態のまま寝るだけという超簡単なケアです。

さらに効果を増すなら、塗ったくったあと、口と鼻の部分を避けてラップで覆い、7~8分程度放置します。ラップは包帯状にはさみで切り、横向きにフェイスラインを引き上げるようにして貼り付けると良いです。リフトアップ効果も望めます。

翌朝はいつもどおり洗顔をし、スキンケアをするだけでOKです。

簡単です。何も買い足す必要はありません。

でもびっくりするぐらい効果があります。

いくつか注意する点を上げるとすれば、

クリームに保湿成分が含まれていること、抗老化成分である高濃度のレチノールやメラニン還元効果のあるハイドロキノンなど、まぶたの上に塗るには適していない成分を含んでいないこと、などを確認しましょう。

一般流通品を使用している場合はそんなに気にする必要はないと思いますが、業務用メーカーの製品などを使用しているとクリームはけっこうその作りが多彩です。購入元に確認してください。

あと些末なことですが、ぬらぬらで眠ると枕やその周辺を汚すことは必至なので、枕にはぜひフェイスタオルを1枚敷いてください。

あと、大事なことですが、クリームをたっぷり塗るというのはけっこう勇気が要ります。

トーストにいつもの倍バターを塗るのと同じか、それ以上に勇気が要ります。

これは、エステなんだ。

ただの日常のスキンケアじゃない。セルフエステだ。

そういう強い意志をもって己を奮い立たせ、怯まず、ぬっらぬら、テッカテカに光るぐらい塗ってください。

高級クリームを使用している場合は心が折れやすいと思いますので、パック用に安価なクリームを用意すると心理的負担が少ないかもしれませんね。こういうご時世なので余計なストレスは抱えずに済む手段を採用して欲しいと思います。勇気の無駄遣いはいけません。

買い足さず、何も変えずに今すぐできる肌の乾燥ケア まとめ

美容液、クリームの使用量を増やす

お休みの前日など週1回程度、手持ちのクリームでパックをして寝る

いずれも簡単でありながら、職歴10年超のエステティシャンが自信を持ってお勧めできるアプローチです。

ぜひお試しくださいね。

コロナ禍を経た昨今のスキンケア事情

ずいぶんおカタイ表題になってしまったのですが、久々の更新1発目はこれから行きたいと思います。

何を考えるにせよ、何の話をするにせよ、やはりまずは大きな枠を捉えておくことが重要だと思いますので。

2023年現在のスキンケア事情 ざっくり結論

時間がない人、文章読むのが苦手な人向けに結論を簡単に。

効果を重視したスキンケアの考え方と製品は第三世代へと移行中
油分でフタ(第一世代)
足りないものを補う(第ニ世代)
自分の細胞を賦活する(第三世代)→今ココ

娯楽性の高いスキンケアは下火
香りや感触を楽しむタイプのスキンケアアイテムは減り、実用性に重点を置いた製品が増えている。

価格と性能が比例しないのは変わらず。しかし、安くて効果の高い化粧品は存在しない
高い化粧品が必ずしもパフォーマンス(性能)に優れているわけではないが、安くてスキンケア効果の高い化粧品が存在しないのも変わらない事実。それは、美容成分には「原価」があるため。ここで言う、値段が安いの定義はおおむね千円台。

順に少し詳しく書いていきます。

最新スキンケアの考え方は「自分の細胞を活性化する」

かつて社会的地位が高い人や経済的に裕福だった人たちだけのものだった「スキンケア」が、庶民にまで広がったのは江戸時代だと考えられています。それから数百年を経て、近代スキンケアが広まったのは今から4,50年前。

肌に良い作用をもたらすことを目的に作られたスキンケア化粧品の考え方は、いったいどのように変わってきているのでしょうか。

第一世代 油分でフタをして水分を逃さない

肌の水分を油分でフタをすることによって守る、逃さないという考え方でつくられた化粧品が最初です。油分はオリーブ油やホホバ油などの植物性の他、動物性由来のスクワラン、酸化に強い鉱物油など様々なものが使われてきました。

ところが皮膚科学が発展するにつれて、油分は肌の保湿にあまり重要でないことが分かってきました。油分が肌の水分を守るために担っている役割は全体の2,3%ほど。多くは、自前の皮脂で十分であることが分かりました。

こうして、肌を健やかに美しく守るためのスキンケアは次の時代に突入します。

第二世代 足りないものを補う、有用なものを足す

肌の水分を守っているのは主に角質細胞間脂質。今やすっかり名前も機能もその重要性も定着した「セラミド」がスターです。角質細胞間脂質の他には天然保湿因子であるアミノ酸、尿素など。そして主に真皮で重要な役割を果たしているコラーゲン。このあたりはすべて保湿剤です。

そして、コロナ禍以前──2020年頃まではこのあたりが機能性の高い化粧品の主要成分でした。

足りないものや、肌にとって有用な成分を補う、足すという考え方が主流でした。この流れに重なるようにして次の流れが起こってきていました。

第三世代 自分の細胞を活性化する

足りないものや有効な成分を補うという考え方には、限界がありました。

例えば、コラーゲンは真皮で肌の土台を担っている大事な成分ですが、化粧品成分のコラーゲンは分子が大きく、真皮まで到達することはできません。また、人のコラーゲンと化粧品成分のコラーゲンはつくりが異なるため、同化することはありません。

そこで登場したのが、自分の細胞を活性化する「細胞賦活」という考え方です。

十年ほど前から美容商材の展示会や、一部の先鋭的な科学的化粧品を作っているメーカーではその種の製品が見られましたが、コロナ禍以前までは大変に高価な製品が多数でした。

美容成分の濃度が高くなるクリーム、美容液でだいたい1万円台後半から3万円台。なかには30gと標準的な容量のクリームで6万円、8万円というものもありました。

それがコロナを経た現在は、1万円未満……中には5千円台で濃度は高くないもののそういった成分を含み、なおかつパフォーマンス的にもある程度の満足を得られる製品が出てきています。

娯楽性の高い化粧品の流行は下火

コロナ禍以前……私の感覚的にはだいたい2018年頃から、スキンケア化粧品の動向は二極化の様相をていしていました。

実用性VS.娯楽性です。

突然ですが、この記事をお読みの皆さまは何を基準に化粧水や美容液を選んでいますか?

お値段? それとも、化粧品そのものの感触? 塗ったあとの肌の感触?

ベタツキがないかどうか? 匂いが好みかどうか?

多くの方が、今あげた要素を総合的に判断して結論を出しているのではないでしょうか。

女性の場合は物事の判断基準が「感情」の人が多いので、その過程や要素はうまく言語化はできないけれど「好き」か「嫌い」──それを、「合う」「合わない」と表現されるのかもしれません。

肌の傾向はそれぞれ異なりますが、肌のつくりや仕組みは皆一緒です。それを明らかにし、それを踏まえたアプローチを行うのが皮膚科学だと思います。科学に基づいたアプローチは当然成果をあげます。その考え方にない化粧品が「娯楽性の高い化粧品」です。

香りやテクスチャーの心地よさや品の良さなどに重きを置いているものがあれば、自然派、地域密着など独自の思想に基づいて作られた化粧品があります。

この辺りの化粧品は、コロナを経て一気に勢いがなくなったようです。

社会全体で経済状況が悪化したので消費者のニーズもより実用的に、実務的なものに変化した結果かもしれません。

高い化粧品が必ずしも良い訳ではない。ただし、安くていい化粧品も存在しない

スキンケア化粧品の値段とスキンケア効果は比例しません。お値段が高いからといって、必ずしもスキンケア効果が高いとは言えないのです。

ただし、値段が高い化粧品の中には実際にとんでもないスキンケア効果を発揮する製品もあります。

しかし、逆にお値段が安くていい化粧品も決して存在しません。

これも悲しいことに事実で昔から変わりません。

ここでいう「お値段が安い化粧品」の定義とは、千五百円以下の製品のことです。

フリーのエステティシャンとして、科学的視点で15年以上に渡って数千点の化粧品を見て、手にとってきましたが、少し前ならば千円以下、今のように物価高の状況では千五百円以下の化粧品は、化粧水であってもスキンケア効果を期待するのは厳しい、というのが私の結論です。

化粧品の美容成分には原価というものがあります。たとえば、セラミドの中でも主に保湿に関わっていると考えられているセラミドⅡは非常に高価な成分です。千円台の化粧品にも表示上は入っていることがありますが、実際に使ってみるとその存在を全く感じません。

濃度が薄すぎるのです。美容成分はそれなりの濃度がないと体感できるくらいの効果を発揮しません。

それなりの濃度とは、目的とする効果によって異なりますが、最低1%以上です。3%ほどだと大抵しっかり存在を感じますし、5%以上は逆にリスクの心配をする必要が増えてくるかと思います。

そのため、保湿を目的としてセラミドⅡを含む製品を探し、予算を加味して千五百円の美容液を購入するよりは、合成できるようになって安価になったヒアルロン酸を高濃度に含む同じ価格の美容液を使った方が総合的なスキンケア効果は高くなる……といったようなことが、現実ではよく起こります。

ここが化粧品選びを難しくするひとつの理由かと思います。

長年、たくさんの方のスキンケア化粧品選びのご相談にのってきましたが、誰もが皆さんおっしゃいます。

安くていいのを教えて欲しい、と。

私もできるのならそうして差し上げたいと思います。ただでさえ、先の見えない世の中です。

ただ、なかなかそうはいかない事情があるというのは事実です。

2023年現在のスキンケア事情まとめ

コロナ禍を経て、スキンケア化粧品の傾向は大きく変わっていこうとしています。

これからは、自分の細胞を賦活する「第三世代」のスキンケアアイテムに注目したいところです。

とはいえ、スキンケアは必ずしも美肌づくりのために行わなければならないものではありません。

朝、自分にスイッチを入れるために。

夜はリラックスのために。

忙しい現代人が気持ちの切り替えをする時間のおトモでもあります。

ご自身の美容観をもって、適切なアイテムを選んでくださいね。

日焼け止めと紫外線対策のほんとうのところ

紫外線の強い季節です。

お砂場遊びの大好きなうちのチビ(2歳)も健康の観点から紫外線対策をしていますが、手の甲だけはノーガードなのでかなり黒くなってきました。

あ、この赤くなったりせず、いつの間にか黒くなっている現象を「サンタン」といい、主に紫外線A波によって引き起こされます。

ちなみに海やプールに行ったときによく体験する、赤くなってヒリヒリする日焼けは「サンバーン」といい、紫外線B波が主犯です。

紫外線A波への防御指数がPAで、紫外線B波への防御指数がSPFです。

そんな、知ってるようでよく知らない紫外線や日焼け止めのアレコレを今日は分かりやすくまとめていきます。

過去にも似たような記事はいっぱいあるんですが、関心事の高い事柄だと思うので気にせずまとめていきます。

日焼け止め関連の検索でかなりご訪問いただいているようですので。

8/3追記:この記事の内容をさらっとまとめた動画(約2分)を作りました
時間のない方、文字を読むのが苦手な方は動画もいかがでしょうか

UVカット効果の高い日焼け止めは肌に悪いの?

必ずしも悪いわけではありません。

SPF値やPA値の高さそのものよりも、使われている紫外線防止剤の種類や成分組成によって、肌への負担の中身が変わってきます。

50+のような高SPF値の日焼け止めに使われている紫外線防止剤は紫外線吸収剤であることが多いです。紫外線吸収剤は皮膚のうえで化学変化を起こし、紫外線をカットするので化粧品の成分のなかでは負担が大きい方です。環境省の紫外線防止マニュアルでは「稀にアレルギーを起こすことがある」というマイルドな表現で注意喚起されています。現役ゴリゴリ、職歴16年のエステティシャン的には、「稀(まれ)」よりは、もうちょっと頻度高い印象です。

小さなお子さんや肌の基礎力が落ちてきている中年以降では、可能ならば避けた方が無難なのではないかな、と思います。プールや海、キャンプなどのたまのレジャーに使う分には多くの場合問題ないかと。肌荒れしやすい人はシーンを問わずに避けた方が良いかと思います。

紫外線吸収剤不使用のノンケミカルタイプの日焼け止めは、酸化亜鉛や酸化チタンなどの顔料で紫外線を反射します。酸化亜鉛や酸化チタンは、ファンデーション等にも使われる「粉」ですからアレルギーは起こしにくいのですが、粉であるため、皮脂を吸着しやすくなります。夏場は気温があがるため皮脂が出やすくなるので、多くの方にとってはありがたいことですが、皮脂が極端に少ない人では、これによって乾燥しやすくなることがあります。

また、酸化亜鉛や酸化チタンなどの紫外線散乱剤は「粉」なので、そのままでは密着度が低いため、シリコーン油などの撥水剤と一緒に使われます。密着度の高いノンケミカルタイプの日焼け止めは非常に日焼けしにくく、アレルギーを起こしにくい反面、とってもクレンジングしにくいです。クレンジングの際にごしごしこすりすぎたり、強すぎる洗浄力のクレンジングを繰り返し使うことで肌を傷めることがあります。

水性ジェルかクリームタイプのクレンジングをたっぷり使い、顔全体で40秒ほどかけてていねいにやさしくクレンジングすることで、それを防げます。(ちなみに、この方法では密着度の高い日焼け止めの落とし残しも起きにくいです)

日傘と帽子があれば、日焼け止め塗らなくていい?

美容の観点からは必要です。

紫外線は空から地上にまっすぐ降り注ぐものの他に、散乱光といって周囲の建物や自然物などで反射したものがあります。割合としてはこちらの方が多く、6割程度は散乱光といわれています。

日傘と帽子が直接的に威力を発揮するのは直射光ですから、たとえそれらを装備していてもお顔には日焼け止めを塗った方が、美容の観点からはよろしいかと思います。日傘と帽子は赤外線対策(熱中症予防)には有効なので、大事ですけれどね!

ウォータープルーフの日焼け止めは肌に負担なの?

ウォータープルーフであること自体は、負担にはなりません。

耐水性や撥水性を付与する成分は、主にシリコーン油ですが、これ自体は大変一般的な成分で肌への刺激も問題にされていません。ただ、クレンジングしにくくなるので、落とすときにごしごしこすったり、オイルクレンジングなどの洗浄力が強く、さらさらした質感のクレンジングを日常的に使うと、それらが負担になることはあると思います。

詳しくはこちらもどうぞ↓
ウォータープルーフの日焼け止めは肌に負担なのか?(過去記事)

化粧くずれしにくい 皮膚科学的夏のスキンケア

気温が高い日が増えてきましたね。

札幌でも室内の温度計が25℃以上という日を、すでに何度か見ました。

気温が高くなってくると、汗をかくだけでなく皮脂も出やすくなるので化粧崩れ、テカリが気になってきます。今日は科学的観点で、それらを予防・緩和するケアについてまとめていきます。

もはや完全に動画の時代だな、と思ったので不格好ながら今回のブログの内容を動画にしてみました。お時間がない方、文字読むの苦手な方、こちらはいかがでしょう。

※喋ります。音量注意してください。

くずれ・テカリを予防する夏のスキンケア結論

油分少なめ、保水成分たっぷりを意識する

ビタミンC誘導体を含む化粧水か美容液を取り入れる

解説していきます。

油分少なめ、保水成分たっぷりのスキンケアとは?

まず、前提として基本的なスキンケアのために用意するアイテムは、化粧水・美容液・クリームの3点です。科学的な観点からは、乳液ではなく絶対クリームがおすすめ。乳液とクリームには天と地ほどの埋められない違いがあります。

このうち、クリーム以外は油分やシリコーンオイルなどの油様成分を含んでいないものを選びます。

市販の化粧品は、てっとり早く肌に柔らかい質感をつくりだすために、それらの成分が含まれているものも少なくありませんが、自前の皮脂が増える夏場は化粧品に含む油分や油様成分が化粧崩れの一因になってしまいます。

油分は、お肌のうるおいを守るのにたった2~3%の役割しか担っていません。

参考:
皮膚科学発想の保湿スキンケア
お肌のうるおいってそもそも何のこと?

セラミドやセラミド様成分、ヒアルロン酸、リピジュア(ポリクオタリウム-51)などの機能性が高い保湿成分をたっぷり含む美容液、クリームを選びましょう。

ビタミンC誘導体を含む化粧水か美容液を使う

ビタミンCには有名な美白作用(しみそばかすを予防)の他、過酸化抑制、コラーゲンの産生促進などさまざまな美容効果があり、古くからエステや美容皮膚科領域で重用されています。

このうち、お家で肌で塗って得られる大事な効果のひとつが、「過剰な皮脂の抑制」です。

ビタミンC誘導体を含む化粧水や美容液を使うことで、さらっとした肌が続く効果を望めます。

重要なのは、ビタミンC(成分名アスコルビン酸)でなく、ビタミンC誘導体を含む化粧品を選ぶこと。VCは非常に安定性に欠ける成分で、アスコルビン酸ではただ塗るだけは美容効果は得られず、美容機器と併用することではじめてその効果を発揮します。

体内で酵素によって分解され、少しずつビタミンCとなり代謝されるなどの機序をもつ、誘導体の形になったものは塗るだけでもその効果を得られます。(医薬部外品指定成分です)

成分名は、アスコルビルMgなどアスコルビルほにゃらら または ほにゃららアスコルビルの形になったものです。

濃度がそれなりにないと働かないので、1%から5%くらいの化粧品がおすすめです。

***

基本的なスキンケアに必要なアイテムで「クリーム」を推していますが、クリーム、お使いでない方が多いと思います。

お使いでない理由は、質感が好きじゃない、価格が高いものが多い、などではないでしょうか。

お気持ちやご事情はリアル店舗でうかがってきたので、よく分かるのです。

シャバっとしたみずみずしい質感が好まれるようになって久しいですし、ますます美容ケアにかける費用は抑えたくなるでしょう。

ただ、年齢を重ねた肌……個人差はありますが、やはり35歳くらいからはクリーム抜きのスキンケアラインナップをつくるのは、なかなか難しいものがあります。

クリームは一番美容成分の濃度が高く、油に溶ける性質(油溶性)のものが多い美容成分を効率よく取り込めるアイテムです。ご予算の関係でとなると、どうしようもないのですが、スキンケアに効果を求めたい方は絶対に検討して欲しいと思います。

保湿に特化したクリームなら、お手頃価格でこちら↓とか、なかなか成分がいいですよ。

肌ラボ 極潤 ヒアルロンクリーム

ヒアルロン酸が主体なのですが、「アセチル化」といって肌に定着しやすい操作がされた上等なヒアルロン酸が入っています。ヒアルロン酸は単体だとセラミド(様)成分より体感的な保湿力は劣りますが、シリコーンオイルなどのエモリエント剤が主となった市販化粧品が多いなかでは、スキンケアに取り入れるとやはりなかなかいい変化と実感をもたらしてくれます。

原材料が安価なわりに、イイはたらきをしてくれるヒアルロン酸ですが、ネックはやっぱり「ぺったりした質感」ですね。スキンケア効果はさておき、好みはどうしても分かれそうなところです。

でも、今までクリームを使っていない方、乳液を使っている方は、だまされたと思ってまずはこの辺りのクリームから試してみていただきたいな、と思います。普段の自分の肌がどのぐらい乾いていたか、よく分かると思うんですよね。

手の乾燥と荒れ対策 まとめ

時世柄、時節柄、手と顔の乾燥がヤバイことになっている方が多いのではないかと思います。

ほんとうに効果のある対策や使うべき化粧品、ハンドクリームについてまとめていきます。

手指の乾燥、荒れ対策まとめ

本気で手荒れを治す、防ぐにはどうしたらよいの?~皮膚科学の観点から~

肌荒れが起きる仕組みを分かりやすく

市販のハンドクリームの成分・実際の効果について

ユースキンA

パックスナチュロンハンドクリーム

手指の荒れと乾燥対策 3行まとめ

有効な対策は 物理的に守る・化粧品成分で守る・うるおい成分を与える

物理的に守るのは手袋、成分的に守るのはシリコーンオイルなどの撥水剤、与えるべきうるおい成分は1にセラミドやその類似成分、2に油分

残念ながら、流通しているハンドクリームに撥水剤とセラミド(類似成分)が両方含まれる、科学的な製品はほとんどない

***

ほんとうに”効く”ハンドクリームは、残念ながらほとんど存在しません。

10年以上前から、たぶん累計で3百点以上のハンドクリームの成分を見ていますが、シリコーン油が十分に含まれており、セラミド(類似成分)も同時に含むという要素を満たし、なおかつ、その他の細かい条件(ややこしくなるので割愛します)も満たしており、わたしが皆さまに自信をもっておすすめしたいという製品は、たった2商品です。

化粧品はもともと、娯楽物としての側面も強いのですが、ハンドクリームが属するボディケア化粧品では特にその傾向が強いです。

顔はしみやしわ、乾燥、にきびなどがあるとけっこうストレスになるので、積極的にそこを何とかケアしようという発想の化粧品が存在するのでしょうが、ハンドケアは今まで化粧品業界も眼中外だったのかもしれません。

顔用の基礎化粧品を作っている会社が、ついでにボディケア用の商品も作っているというケースはありますが、逆はあまりないのもそれを暗に示しているように感じます。顔用化粧品とからだ用化粧品は同じ化粧品でもそれぞれテリトリーが違うのですよね。

コロナ禍によって、間接的にハンドケアのニーズが高まっているので、今後は少し情勢が変わっていくのかもしれません。

んじゃあ、今、実際に手荒れや乾燥に切実に困っている場合はどうしたらいいのかというと。

ひび割れや手荒れが発端となった湿疹などがある場合は、医薬品で治します。

そのうえで、水仕事のときはゴムやビニル製の手袋を着用、それ以外は現実的に可能な範囲で綿手袋をしたまま生活します。ポイントは、”現実的に可能な範囲”です。2歳の子どもにマスク着用させるか、などという想像力の欠如した話ではありません

ライフスタイル……具体的には、小さな子どもや介護の必要な方のお世話をしている方、手のかかるペットのお世話などをしている方は日中手袋をするのはほとんど無理だと思います。なので、そういう方は夜寝るときだけでも手袋をしておくと、それだけでも効果あります。寝ている最中に外れてしまうのはご愛嬌。

性能的にすぐれたハンドクリームはほとんど存在しないので、化粧品についてはフェイスケアの応用で対処します。

具体的にはハンドクリームは最低限しっかり撥水剤(シリコーン油)の含むものをチョイスし、ハンドクリームを塗る前に、セラミドやその類似成分をなるべく濃度高く含む美容液を塗ります。

そのうえからハンドクリームをぬればOKです。

美容液がなじみきる前に、ハンドクリームを塗ってしまってかまいません。セラミド系の成分は水溶性の成分ではないので…。

長いこと先が見えず、まったく、心もからだも懐もパッサパサに乾いてしまいそうですね。

せめて、懐や時間が許すかぎり、ご自身でご自分を十分に労わり、慈しんであげてほしいものです。

同居の方がいらっしゃる人は、感染リスクという点では一蓮托生のことが多いかと思いますので、親子やご夫婦、パートナー(性別によらず)、ご友人同士で塗りっこしてあげてもよいのではないでしょうか。

タッチセラピーというものが存在するように、人は他者のぬくもりを感じるだけでリラックスするものですから……

皮膚科学発想の保湿スキンケア~実践編~

前回、「皮膚科学発想の保湿スキンケア~理論編~」という記事を書きました。

今回は必要な成分や使い方などを書いていきたいと思います。

おもに必要な成分は細胞間脂質・天然保湿因子

肌のうるおいは肌のいちばんうえの部分、平均0.03ミリの角質層に含まれる30%の水分のこと。

その水分の約8割は角質細胞間脂質によって、残り2割弱が天然保湿因子によって、そして2,3パーセント程が皮脂を中心とした皮脂膜によって守られています。しかしながら、年齢や体調、環境等によってそれらが不足したり、うまく働かなかったりするために水分量が低下します――ここまでが前回のおさらいです。

なので、理論的には細胞間脂質、天然保湿因子を補ってやればOKです。

以下に主な成分名を並べます。

細胞間脂質

細胞間脂質のうち、約50%を占めるのがセラミド、約20%が遊離脂肪酸、約15%がコレステロール、約10%がコレステロールエステル、残5%ほどが糖脂質となっている。化粧品に配合される成分名例は下記のとおり。

セラミド1
セラミド2
N-ステアロイルフィトスフィンゴシン(セラミド3)
N-オレオイルフィトスフィンゴシン(セラミド3)
セラミド6Ⅱ

天然保湿因子(NMF)

天然保湿因子の組成は約40%が遊離アミノ酸、約18%が無機塩類、ピロリドンカルボン酸、乳酸塩が各12%程度、7%が尿素、アンモニア・尿酸・グルコサミン等が1.5%ほどとなっている。美容訴求成分名は下記のとおり。

アスパラギン酸Mg
アラニン
リシンHCI
グリシルグリシン
尿素
乳酸Na

選ぶ難しさ~セラミドの濃度が薄すぎる件~

うるおいを保つために必要な成分名もその理由も分かりました。

しかし、最大の難関は条件に合致する製品をこの星の数ほどあるスキンケア化粧品のなかから選ぶことです。

お肌のうるおいのうち、80%ほどが角質細胞間脂質によって守られており、その細胞間脂質を構成する物質のうちの実に50%がセラミドです。ということは、乱暴に言えば「乾燥肌にはセラミド」なわけです。

セラミド配合のスキンケア化粧品は10年ほど前までは市販品にはほとんどなく、一部の業務用メーカーがつくっているだけでした。しかし、近年はドラッグストア等で販売されている化粧品にも「セラミド配合」と書かれているものを見かけます。ということは、ドラッグストアに行ってセラミド表示がある、またはPOPにセラミド配合と書かれている製品を使えば、乾燥肌から脱することができるのでしょうか。

残念ながら、そうは簡単にいかない事情があります。

実はこのセラミド、大変に高価な成分なんです。

そのせいか、ヒト型セラミド(保湿に深い関わりがあるのは特にセラミド2)が濃度高く含まれている製品を、私は未だかつて見たことがありません。市販品はおろか、業務用メーカーのものでもです。

クリームや美容液の市販品で数千円のもので、成分名にセラミドがあるものは、ヒジョーに濃度が薄く、ちょっとしか入っていない可能性が高いです。

え? セラミド5%配合とか書いてあるの見たことあるよ!

そういう方もいらっしゃるかもです。

たぶんね、それ、セラミドじゃないんすよ……

セラミド類似成分であり、その正体は恐らく”通称セラミド”です。

しかしながら、セラミド類似成分――通称セラミドは悪者ではありません。むしろお肌の救世主であり、懐にもやさしい天使です。

乾燥肌にはセラミド類似成分を濃度高く含んでいる美容液やクリームを使う

結論です。

セラミドはお肌のうるおいを保つ、増やすために必須の成分です。ただ、とても原価が高価な成分のため、実際のスキンケア化粧品に含まれているのはほんのちょっぴり。

だから、乾燥肌対策――いえ、20歳以降のすべての人は肌のうるおいと健康を保つために、セラミド類似成分をたっぷり、濃度高く含むスキンケア化粧品を使いましょう。

セラミド類似成分には、合成タイプ、植物由来タイプ、動物由来タイプがありますが、植物由来ははたらきが穏やか、合成は種類によります。ちょっとお値段が高くなりやすいですが、動物由来(セレブロシド)が効果を感じやすいです。

それでも、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの他の保湿剤と比べると、類似成分でも濃度が高いものはやはりお値段が高くなりやすいです。

こんなことを言い出すと、元も子もないですが、予算をどうにも上げられない場合は、それらの水分を多量に抱え込むタイプの保湿剤で多角的に保湿するという手もあります。

……と、いうわけでスキンケア化粧品選びは魔境です。

結論は、効果を重視するとスキンケア化粧品選びは手に負えなくなるでした。

次回、実際のセラミド配合化粧品の市販品などを取り上げてみられればいいな、と思っています!

***


このように、理論を背景にして実用性の高い製品を10年以上かけてコツコツと調べ、試用して合格した製品が現在私が取り扱っている化粧品です。

スキンケアに効果を求めたくなったとき、でも自分で調べ上げる時間的金銭的労力を節約したいときはわたくしめにご相談ください。

本来は、カウンセリングを重ねてその方に適切な商品の組み合わせをご提案させていただいた方がよろしいのですが、お時間がない方、コミュニケーションが苦手な方はこれまでの膨大なプランニングの結果から厳選した5つのセット商品もあります。

皮膚科学発想の保湿スキンケア~理論編~

ついに暖房のお世話になる季節になりました。

そうなると、湿度計が50を切っているのをしばしば見かけますし、ひどいときは30%台なんてことも……加湿器がついているっていうのにね。

だいたい11月から2月くらいまでの、お肌に過酷な乾燥シーズン。

今日はスキンケアの基本である乾燥ケア、保湿ケアについてまとめたいと思います。

お肌のうるおいってそもそも何のことだろう

そもそも、「お肌のうるおい」とはいったい何のことでしょうか。ほっぺたをさわったときに、ぽちゃぽちゃする感じのことでしょうか。それとも表面が滑らかでかさかさしていないことでしょうか?

皮膚の構造上お肌のうるおいとは、”角質層の水分量”のことです。

角質層はお肌のいちばんうえの部分で、平均的な厚さは0.03ミリ。そして約30%水分が含まれています。

この約30%のうるおいを守り続けられるかどうかが、肌が乾燥するかどうかのポイントです。

角質層の水分は約80%が細胞間脂質によって守られており、17~18%ほどが天然保湿因子によって、そして残り2~3%ほどが皮脂を中心に形成される皮脂膜によって守られています。

乾燥肌は敏感肌へのステップ

このようにお肌には本来うるおいを守るしくみ、物質(成分)がありますが、これが加齢や環境、体調などさまざまな理由で衰えたり、バランスを崩したりしてしまいます。そうして水分が30%から低下した状態が乾燥肌です。

表皮は肌への異物侵入や外的刺激から守るためにうるおいを保っているため、肌が乾燥すると必然的に敏感な状態になります。こすれなどの物理的な刺激や、化粧品に含まれる美容成分や添加剤、ときには水にふれるだけでもその刺激に耐えられなくなり、炎症を起こしてかゆくなったり赤くなったりします。この状態が敏感肌です。

よって、敏感肌とはもともとの性質によるものではなく、大半は乾燥肌によって引き起こされる2次的な状態です。アレルギーが原因でない敏感肌は、表皮の水分量を十分にすることによって改善します。

※化粧品を塗って少し経ってから起こる(多いのは12時間後から48時間後くらいだそうです。早めだと5,6時間後という場合も)、腫れや湿疹などの症状はアレルギー反応の可能性があります。また、特定の成分を使うといつも同じ不快な症状が出るときも、同じくアレルギーが心配されます。そのような症状が見られるときは乾燥肌による敏感肌とは違うので、すみやかに皮膚科医に相談しましょう!

乾燥肌に有効なのは 元もと肌にあるうるおい成分を補給すること

角質層の水分は細胞間脂質(80%)、天然保湿因子(20%弱)、皮脂や汗などによって形成される皮脂膜(2-3%)によって守られていると書きました。

肌が乾燥しているということは、それらがうまく働いていないか損なわれているために起きているので、それらを補ってあげれば良い――理論的にはそういうことになります。

細胞間脂質で特に水分保持とかかわりの強いのはセラミドⅡ。

天然保湿因子の主成分はアミノ酸、その他にPCA、乳酸ナトリウム、尿素などが含まれています。

皮脂膜は皮表脂質と汗によって形成されていますが、皮表脂質の主はトリグリセリド、それにワックスエステル、脂肪酸、スクワレン、ジグリセリド、コレステロールなどがつづきます。

ただ、皮脂腺から分泌される皮脂については角質層水分量に比べて低下する年齢が遅く、女性の場合40代くらいから、男性の場合50代くらいからというデータもあり、もともと水分量を守るためにたった数パーセントしか寄与していないことが分かっているため、積極的に取り入れるべき成分ではないかもしれません。

かつて、化粧品の保湿成分の主役は油分でした。今も安価な化粧品や、効果を重視していない製品ではそのような傾向が強く残っています。

それは、このような肌のしくみが解明されていないためだったようです。

まとめ

肌のうるおいとは、角質層に含まれる約30%の水分量のこと。

乾燥肌にならないためには、この水分を死守することです。

角質層の水分は約8割が細胞間脂質によって、2割弱が天然保湿因子によって、そして残り2-3%程度が皮脂を中心とする皮脂膜によって守られています。

乾燥肌のケアには第一に角質細胞間脂質を補給すること。そして、補佐的に天然保湿因子を取り入れるとOK!

理論的にはそういうことになりますが、現実には大きな問題が……。

次回、実践的な科学的保湿ケアを書きたいと思います。

【続きを読む】
皮膚科学発想の保湿スキンケア~実践編~

とにかく今、乾燥肌や乾燥肌から進んだ敏感肌に困っている方はこちらをご提案させてください。

もう少し詳しくこの商品を見る

amazonで買えるビタミンC誘導体配合化粧水 3種

ビタミンC誘導体は数ある美容成分のなかでも大変有効な働きを持つ成分です。成分原価も安いため、製品価格も手ごろなものになりやすく、年齢性別問わずぜひとも毎日のスキンケアで取り入れたい成分です。

特に、先日皮膚科学発想の対にきび スキンケアでも書きましたが、にきびとうまく付き合っていくためには必須の成分です。

必要な成分が分かっていても、難しいのが製品選び。

今日は実際にビタミンC誘導体を含む化粧水3種を、低価格帯・中価格帯・高価格帯からそれぞれ1種類ずつピックアップして、配合されている成分やそのはたらきについて見ていきたいと思います。

シャルーヌ化粧品 薬用美白化粧水 ホワイトスキンローション

シャルーヌ化粧品 薬用美白化粧水 ホワイトスキンローション 120ml
8,800円

※2021年10月amazonでの価格

薬用表記があるとおり、医薬部外品のため成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。

【有効成分】L-アスコルビン酸2-グルコシド 【その他の成分】ローヤルゼリーエキス、酵母エキス(3)、ニンジンエキス、ユキノシタエキス、ボタンエキス、カッコンエキス、カンゾウフラボノイド、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、L-セリン、濃グリセリン、エタノール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、キサンタンガム、クエン酸、水酸化カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、精製水

ビタミンC誘導体の種類は L-アスコルビン酸2-グルコシド 。

酵素によって表皮や真皮でアスコルビン酸に分解されるという、VC誘導体のなかでは古典的なタイプ。

保湿剤は植物性の穏やかなものが中心。キサンタンガム(増粘剤)があるので液剤はとろっとしており、エタノールの含有量がけっこう高めなのでその揮発性によってスッと肌になじむ感じがあると思います。

成分を見るかぎりでは、ひと昔前の構成という感じです。

キサンタンガムやエタノールの件からいっても、スキンケア効果を重視した製品というよりは、スキンケアを楽しむための娯楽的要素が高いのではないかと思います。

価格は、相当数の製品を長年見て、実際に手に取ってきたエステティシャンの感性でいくと「ものすごく高い!」です。

このくらいの価格だと、もっと最新鋭のとんでもない成分が入った製品を使えるので、効果のあるスキンケアを実践するためというよりは、ブランドの思想やスキンケアの時間を楽しむための製品だと思います。

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEX

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEX 120ml
4,250円

※2021年10月現在amazonでの価格

薬用表記があるとおり、医薬部外品のため成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。

<有効成分> L-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム(ビタミンC誘導体)、グリチルリチン酸モノアンモニウム(肌荒れ防止剤)

<その他の成分> 精製水、DL-アラニン(保湿)、異性化糖(保湿)、オウゴンエキス(整肌)、カモミラエキス(1)(整肌)、カンゾウフラボノイド(整肌)、グリシン亜鉛(整肌)、シロキクラゲ多糖体(保湿)、セイヨウナシ枝エキス(整肌)、ダイズエキス(整肌)、タイソウエキス(整肌)、党参抽出物加水分解液(整肌)、トリメチルグリシン(保湿)、ヒアルロン酸ナトリウム(2)(保湿)、ヒナギク花エキス(整肌)、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液(保湿)、ムラサキシキブ果実エキス(整肌)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(保湿)、ユキノシタエキス(整肌)、ローズマリーエキス(整肌)、ローズ水(芳香蒸留水)、濃グリセリン(保湿)、グリセリン(保湿)、ジグリセリン(保湿)、1,2-ヘキサンジオール(保湿)、1,2-ペンタンジオール(保湿)、1,3-ブチレングリコール(保湿)、クエン酸(pH調整)、クエン酸ナトリウム(pH調整)、乳酸ナトリウム液(保湿)、フェノキシエタノール(防腐)

公式サイトより https://www.tvert.jp/fs/tvert/219?ct_P6fd25c0eF87f6bF=11.1.365.40c3Oe1O676M958f.365.69l7u36ra0l9rhu7e1189e1h.39V6hCitea128i61OethO77V.null

VC誘導体の種類は医薬部外品表示成分名でL-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、表示名はリン酸アスコルビルナトリウム。通称APS。

非常に新しいタイプの誘導体で、他のメーカーさんが使っているのを私は見たことがないです。体内で酵素で分解されてビタミンCとして代謝されるタイプだそうで、かなり安定度が高いんだそう。APPSとかVC-IPと比べてどうなんでしょう…誰か教えて……

こちらの製品、2019年時に研究段階では老人性色素斑――いわゆる、頬骨周辺にできる円形の”しみ”を薄くする効果が確認されたようです。濃度が6%で医薬部外品申請に通っているのようなので、一般的なVC誘導体が有効成分になっている医薬部外品のものの濃度は倍です。

VC誘導体の種類が先鋭的で濃度も高いせいか、保湿剤の類はやや控えめ。あまり強力に水を抱え込む性質のものが入っていないので、かなりサッパリした感じになるのではないかと。

ただ、この化粧水を使ったあとに美容液などで補給すればOKだし、科学的で高いスキンケア効果を狙ったすばらしい製品。

ただ、コスパの点でいくとちょっと高い、かな。

120mlボトルというのは、化粧水だと最小クラス。

ふつうに使っても1か月で間違いなくなくなりますし、お顔の大きさによっては一ヵ月持たない人もいます。首やデコルテにまで使うとちょっとびっくりするくらいの減りです。

他の成分も見るに、カテゴリーは完全に美白化粧品ですので、にきびケアのための化粧品として採用するにはちょっとコストがかかりすぎるだろうし、しみを薄くしたいのならやはりハイドロキノンに勝るものはないのではないかと。しみを薄くするのをあえてVC誘導体で狙う必然性もないような。

製品そのものはすごく良いと思うんですけれど、実際の活用では限定的になるような気がします。

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプ

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプ 170ml
870円

※2021年10月現在amazonでの価格

例によって医薬部外品のため成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。

全成分

【有効成分】 3-O-エチルアスコルビン酸(高浸透ビタミンC誘導体)、グリチルリチン酸ジカリウム 【その他の成分】アスコルビン酸(ビタミンC)、グレープフルーツエキス、レモンエキス、アルピニアカツマダイ種子エキス(アルピニアホワイト)、BG、濃グリセリン、DPG、POE・POPデシルテトラデシルエーテル、パラベン、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、キサンタンガム、エデト酸塩、香料

VC誘導体の種類は 3-O-エチルアスコルビン酸。通称ビタミンCエチル。安定性だけでなく即効性にも優れているという水溶性のビタミンC誘導体。古典的なタイプです。日焼けのあとに取り入れたい成分。

ちなみに、その他の成分にアスコルビン酸――純粋ビタミンCが入っています。たぶん、壊れています。ビタミンCはそのくらい不安定らしいので。

清々しいくらいに保湿剤が入っていません。

BG・グリセリン・DPGぐらい。いずれも吸湿性によって保湿するマイルドかつ古典的な保湿剤です。しかも、フルーツエキス後方の表示ってどういうことなんだ……

グレープフルーツエキスやレモンエキスってのは、肌を滑らかにしたり、引き締めるような作用がマイルドにあるのですが、そんなに量を入れられるもんじゃないので、その効果を製品で感じることは恐らくないと思います。ただなんか、入っているといい感じはしますよね。

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプ

”しっとり”

しっとり……だ、と?

しっとりの要素、どこ……?

キサンタンガム(増粘剤)か?

誘導体の種類が 3-O-エチルアスコルビン酸 、有効成分にグリチルリチン酸ジカリウム(抗炎症)があることからも、こちらは日焼け後の肌に使用することを想定した商品かな? と思います。

amazonで買えるビタミンC誘導体配合化粧水 まとめ

シャルーヌ化粧品 薬用美白化粧水 ホワイトスキンローションはスキンケアを楽しむタイプの製品

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEXは科学的で先鋭的な美白化粧品。

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプは日焼け後の肌にバシャバシャ使って楽しい化粧水。しっとりはたぶん液剤の質感!

こんな感じに個人的にはまとめたく思います。

いやー、改めて化粧品の懐の深さというか内包する小宇宙を感じました。

同じVC誘導体配合の化粧水というくくりでもこれほどの違いがあります。

価格的にも、成分的にも、コンセプトも。

これだから化粧品は面白いです。

皮膚科学発想の対にきび スキンケア

近ごろお客様のお子さんたちが大きくなってきて、中高生とか、大学生なんですよね。

あれ……おかしいな、この前まで幼稚園行っていたような?(真剣)とかうっかり思ってしまうのですが、15年も営業していれば、そりゃそうなんですよね。

その当たり前の事実におののく今日この頃なのです。

それはそうと、中高生や大学生のお坊ちゃん、お嬢さんたちを持つお母さま方のお肌の悩みといえばお子さんたちのニキビです。

大人にとってスキンケアは、娯楽でも義務でもなんでも個人の好きなように位置付けていいと思うんですけれど、若年層のニキビケアだけはちょっと毛色が違うと思います。

にきびがあることで人と対するのに気おくれしてしまったり、時にからかわれたり、ヘンテコなあだなや不名誉な通り名のきっかけになったり……大げさでなく、青年期の自己肯定感を損なう一因になりかねない。

たかがニキビごときで、多感な時期に余分に精神衛生を損なうなんて、そんな不幸は断じて許しません。

親は選べないけど(息子よコモン以下の親ですまない……)自分の人生を損なうリスクの内、コントロールできるものは積極的に潰していきたいものです。

直接的だろうと間接的だろうと、にきびによって心に傷を負うことを撲滅するのが、わたくしの使命の一つです。

今日はにきびが出来にくい肌、出来ても治りやすい肌、跡を残さない肌の作り方について書きます。

にきびはこうやってできる

1.角質が厚くなる

2.厚くなった角質によって毛穴がふさがれる

3.その中で、皮脂などの油分をエサに常在菌であるアクネ菌が異常繁殖する

にきび(大人の場合は吹き出もの)ができる原因は種々ありますが、順序は必ずこうです。

そのため、にきびを作りにくくするための最重要ポイントは角質を厚くしないこと。

そしてそのうえで、余計な油分を増やさない、皮脂が過剰ならコントロールすることが大切です。

必ず必要な成分は AHA・VC

角質を厚くしないことが最重要ポイントと書きましたが、実は角質が厚くなる原因は未だよく分かっていません。

肌の乾燥やホルモンバランス等のコンディションの他、ストレス、睡眠時間、食生活などの条件もあると言われています。また、もともと角質が厚くなりやすい人とそうでもない人もいるようです。

そのため、角質を厚くしないとは、厚くなることを予防するのではなく、厚くなったものを適切にケアする(薄くする)方が現実的です。

角質を分解する化粧品はいろいろありますが、やはりお勧めは肌を傷めにくい洗顔料タイプ。

特に、にきび予防のために使う場合は酵素ではなく、AHA(フルーツ酸、グリコール酸、乳酸など)を強くお勧めします。酵素は角質分解効果がマイルドなものが多く、十分な効果を得られないことがあります。フルーツ酸とグリコール酸が入っていて、濃度が3%から5%程度の、固形せっけんか泡で出てくるタイプの洗顔料がおすすめです。

そして、十分なピーリング効果のある洗顔料と同時に欠かせないのが、ビタミンCが入っている化粧水か美容液。

若いお嬢さんやお坊ちゃんなら手ごろなお値段になりやすい化粧水の方が使いやすいかもしれません。

VCが入っている化粧品を選ぶときに重要なのは、ビタミンCそのものでなく、ビタミンC誘導体が入っているものを選ぶことです。

VCには、代表的なシミや色素沈着を予防する作用の他、過酸化抑制や余計な皮脂を抑える作用もあります。このように、さまざまな美容作用を持ち、美容皮膚科やエステサロンでも必ず使われる大変優れた成分であるビタミンCですが、実はとんでもない致命的な弱点があります。

それは、安定性が悪いこと。

そのため、塗布するために使う化粧品に含まれるVCは安定性の増した誘導体の形でなければいけません。誘導体にもさまざまな種類がありますが、体内で酵素によって少しずつ分解されるタイプや、皮脂と混ざって浸透して分解されるタイプなどがあります。

できれば、油に溶ける性質の油溶性のVC誘導体が非常に安定性が高いので、それらを含む製品がベストです。

VC(成分名はアスコルビン酸)そのものしか含まない化粧水や美容液は、イオン導入等の美容機器と併用することではじめて意義のあるものなので避けます。

水を抱え込む性質の保湿剤が入った化粧品も用意しよう

二十代半ばくらいまでだと、肌の油分は当然、水分量もまだそこまで低下していないことが多いです。

そのため、さほど強力な保湿成分は必要ありませんが、角質をケアすると肌が少し乾燥しやすくなりますし、秋冬などはどうしても空気に水分が奪われますし、肌が乾燥することそのものが角質を厚くする原因のひとつなので、やはり保湿剤も用意した方が良いです。

大人の場合は、角質細胞間脂質を含むことが鉄則ですが、にきびケアのための保湿剤なら、ヒアルロン酸やコラーゲンなど水分を抱え込む性質の保湿剤でも良いかと思います。

ただ、やはりどの成分にも言えることですが、なるべく濃度が高いものがいいです。

ヒアルロン酸やコラーゲンは分子が大きい成分なので、加水分解されて分子が小さくなっているものや、アセチル基が導入されて水に強くなっているものだとさらに性能が良いです。

化粧品の形状は美容液やクリームが濃度が高くなりやすく、近頃はクリームであっても基材が水ベースのものが多いので、油分過剰にはなりにくいはずです。

皮膚科学発想の対にきびスキンケア まとめ

AHA(フルーツ酸とグリコール酸がベスト)を3%から5%程度含む固形せっけんか、フォームタイプの洗顔料とVC誘導体を含む化粧水か美容液、そして、ヒアルロン酸やコラーゲン等の水をたくさん抱え込む性質の保湿剤を含むクリームなどを用意します。

夜だけ洗顔料でまぶたの上をさけて顔全体を泡パックするように泡をひろげ、30秒ほど置いたのちすすぎ流します。

パックが面倒な人は、ちょっとていねいな洗顔ぐらいでもかまいません。それでも全然効果ある。AHA使うだけで全然違う。

その後、化粧水か美容液で十分VC誘導体をとりいれ、保湿剤で保湿します。

朝はぬるま湯で流すだけでもいいし、皮脂量が多い人はビオレでもunoでも牛乳せっけんでもなんでもかまいません。むしろ、皮膜形成剤が入っている洗顔料なら、牛乳せっけんの方がいいくらいだ。

どの界面活性剤でも必ず皮脂は落ちます。ぶっちゃけ、ぬるま湯だけでもけっこう落ちます。

このスキンケアを最低2か月は続けてみてください。

マジでにきび出来にくくなるし、出来てもすぐ無くなるから…… 跡も残らないから……

以上、ガチ勢エステティシャンがお送りする、ガチで効果のある対にきびスキンケアでございました。

にきびに人生狂わされる若者がいなくなりますように。

***

化粧品の選び方をお伝えするのは簡単なんですけれど、実際の難しいところは星の数ほどある化粧品から、それを見つけ出すことなんですよね。成分表示はあっても、実際に使ってみないと濃度とかは分かりにくいことが多いです。

濃度がきちんと書かれているのはメーカーさんの自信の証拠。あとは医薬部外品は効能を謳うときに対象の成分の濃度規定があるので、それも手がかりになります。

ちなみに、この書いたとおりの対にきびケアを実践するための基礎化粧品を私の方でもご紹介しているのですが、なんせお値段が安いとは言えないので、若い方にお勧めするのは忍びないです。

大人の、自分で自分の責任を取れる人には自信を持ってお勧めいたしますけれど。

一応、リンク貼っておきましょうか。

毎週土曜更新を目標にして早々に脱落しました。

なんか、ネット、デジタル関係のトラブルが頻発しています。

光回線も開通日当日に急に落ちたし。本家ブログは急にAレコードの設定とやらが必要になって、しばらく落ちたままだったし。

昨日のドコモの通信障害も例外なく影響受けました。

デュアルSIMで2枚SIM入っているんですけど、どっちもドコモで、どっちも死んだという……。正式にはdocomo回線のMVNOですけど、なんにせよ昨日はスマフォーがただのヒンヤリした平べったい四角と化しておりました。

【成分考察とレポ】マミーボディミルク<ボディミルク>

あんなに暑さに苦しんだ夏が嘘のよう……すっかり秋な札幌です。

湿度は40%台がデフォルトといったところで、顔もからだもパリパリしてきました。そんな折、オムツをドラッグストアで買ったらママさん受け良さそうなボディミルクのサンプルがついていたので、成分考察&レポしてみたいと思います。

マミーボディミルクの全成分と価格

マミー ボディミルクS 無香料 200g
1,320円

※2021年9月amazonでの価格

全成分

水、PG、グリセリン、マカデミア種子油、 トレハロース、 ホホバ種子油、アロエベラ葉汁、ヒアル ロン酸Na、グルコシルセラミド、セタノール、ステア リン酸ポリグリセリル-10、シメチコン、ステアリン酸 グリセリル、カンテン、キサンタンガム、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ポリグリセリル-10、トコフェロール、 セルロースガム、マルトデキストリン、αーグルカン

マミーボディミルクs 無香料の成分について

保湿剤としてグリセリン、トレハロース、ヒアルロン酸Na、グルコシルセラミドが含まれており、エモリエント剤、皮膜形成剤としてジメチコン、製品安定剤(増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、賦形目的)などとして、カンテン、キサンタンガム、ステアリン酸ソルビタン、トコフェロール、 マルトデキストリン など。

マカデミア種子油、ホホバ種子油は基材(化粧品の土台、美容訴求成分を混ぜるもと)とするか、保湿剤とするか微妙なところです。油分は肌の保湿の2,3%ほどしか担っていないのですが、ベビー(3か月以降)の場合、その油分(皮脂)が圧倒的に足りないので大人と比べると化粧品で補充したい要素の優先順位があがってきます。特にからだは顔や頭皮に比べると皮脂量が少ないので、顔用、頭皮用化粧品に比べると重要な要素になってくると思います。

植物油のなかではマカデミア種子油、ホホバ種子油は酸化しにくい良質な基材ではありますけれど、その他の保湿剤も含め全体的には成分的には、すごく保湿力が高いとか、そういうことはないですし、なにかすごく特徴のある組成というかんじでもないかな、と。わりとよくある、スタンダードな部類のボディ用ミルクでそういう点では安定感があります。

形状はうすい白色のミルク。基材のTOPが水だけあって、テクスチャは軽め、のびが良いです。質感調整剤がいろいろ入っているので、気持ちよくお手入れできると思います。油性原料が多くないので、べたつきも少ないです。

食品成分100%…? 食品成分なら肌に安心?

製品のアピールポイントとして「食品成分100%」とあります。サンプルにも堂々と印字されていました。

こちらの製品の組成は成分表示のとおり。ちょっと一般的には食品成分に分類しないものがいろいろ含まれているように思いますが……。ありふれた保湿成分であるグリセリンは動植物の油脂から脂肪酸などを製造する際の副産物ですから、まあ、食品由来といえないこともないけれど……ヒアルロン酸Naも、もともとはにわとりのトサカなどから取り出していたそうですから、まあ、うん……食品……食品、といえなくもないけど、今は合成ヒアルロン酸が主なのでちょっと苦しいように思いますし。

一般的にごくふつうにイメージできる食品成分とは離れているとは思います。

そもそも、肌にぬる化粧品において食品成分なら安心、安全ということはありません。食道、胃、小腸、大腸などの消化器官を通って分解代謝されるものと、肌にぬって代謝されるものではルートもプロセスも違います。むしろ、食品成分の油脂などは鉱物油に比べ酸化しやすく、酸化した油は肌に非常に刺激になります。

過去、化粧品で事故のあったエラグ酸やコウジ酸も、ヒアルロン酸を含めてしまうような大きなくくりでは食品成分といえないこともないけれど、深刻なトラブルを起こした成分でもあります。(今のは配合上限などが決まっているので大丈夫です!)

しょうゆだって、一口なめるくらいでは問題ないけれど、荒れた唇にふれれば十分、口唇炎の原因にもなりますしね。

一般の方が口にいれても大丈夫なもの=安心・安全というイメージを持ちやすいのは十分に理解できますが、それを逆手にとったような売り込みや触れ込みは、ちょっと不誠実な姿勢ではないかなぁ……と、個人的にはあまり良い感情を持てません。

ましてや、ベビちゃんに使う化粧品選びは、ママさんたちは安全かどうかとっても神経を使うと思うのです。私も遅まきながら母になりましたので、その心情は十分すぎるほどに想像できます。

同じ問題で「無添加」表記もそうですね。何が添加されていないから安心、ということもないのですが、無添加がまるで水戸黄門様の印籠みたいになっていることがあり、モヤモヤしてしまいます。

まとめ

マミーボディミルクsは一般的なボディミルク。特別に肌にやさしいとか、特別に保湿力に優れているとかそういうことは成分的にはないと思います。逆にリスクが高い成分も含まれていません。

伸びがよく、べたつきの少ないクリームなので気持ちよくお手入れできるのではないでしょうか。

自分の子どもに使うかどうかという観点で考えたとき、使ってもいいけど、こちらの製品じゃなければいけない理由はないかな、と思います。

***

ふだんオムツはネットでまとめ買い派です。

どんどん大きくなっていく子どもだったので、サイズアップの時期が読めず、Lサイズに到達、安定するまでは様子を見ながら小まめに買っていました。1才をすぎて体重増加もゆるやかになり、しばらくLでいけるな……と思っていた矢先、朝起きたときに漏れていることが――。

さすがにビッグサイズには遠く体重が足りないし、お腹ぽっこりくんとはいえ、腹囲も大きすぎるだろうと思いつつも、ものは試しということでビッグサイズを買ってみたらこちらのクリームのサンプルがついていたのでした。

たまに店頭で買ってみるのも楽しいですね。

オムツ問題は結論としては、夜の就寝中はビッグにして正解でした。漏れがなくなったし、サイズが大きすぎて漏れるということもありませんでした。

脚まわりがっちり、お腹ぽっこり、めしゃめしゃ飲む・食べるので食後はより一層おなかぼってり、そのうえ肌荒れしやすくオムツ選びは試行錯誤してきましたが、同サイズでも他のメーカーさんよりも大きめのメリーズを主に、スポットでムーニーに落ち着きました。

体格や肌の特性なんかはすごく個人差があるので、受け皿として複数のメーカーさんが、いろんなオムツを作ってくれているのはありがたいです。そしてこれは化粧品にも言えることだなぁと。

肌質はもちろん、スキンケアに求めるもの、目的もそれぞれ違うので、多様なニーズに応えられるようたくさんの製品が世にあることは幸せなことだと思いました。全部が全部科学的で、肌に良い作用をもっていなくたっていいんです。

別に肌にイイコトはそんなにないけど、パッケージがかわいいとか、香りがいいとか、テクスチャーがいいかんじとか、そういうのもいい。