春の肌荒れは「複合災害」? データで読み解く、全世代共通・春のスキンケア「3つの守り」

「暖かくなってきたのに、なぜか肌の調子が悪い」
「いつもの化粧水が、急にしみるようになった」

毎年3月から5月にかけて、サロンでもこのようなご相談が急増します。実はこれ、気のせいではありません。

最新の皮膚科学研究において、日本の春は、気象・汚染物質・精神的ストレスが重なり合う「複合的皮膚環境」にあると定義されています 。いわば、肌にとっての「複合災害」が起きているのです。

今回は、2025年の最新データと科学的根拠に基づき、年齢を問わず知っておくべき「春のスキンケアの正解」を紐解きます。


1. 3月の紫外線は「冬の2倍」の衝撃

まだ肌寒い日もある3月。「日焼け止めはまだ早い」と思っていませんか?
2025年の解析データによると、UVインデックス(紫外線の強さ)は3月から急激な上昇カーブを描き始めます 。

気象庁 日最大UVインデックス(解析値)より

警戒すべきは「UV-A波」

春先に特に怖いのは、肌の奥(真皮)まで届く「UV-A波」です。これは雲や窓ガラスを通り抜け、シワやたるみの原因となる「光老化」を引き起こします 。

さらに問題なのは、冬の乾燥でバリア機能が低下した肌に、この紫外線が降り注ぐこと。「乾燥ダメージ」×「紫外線」の負の相乗効果により、普段より炎症やシミのリスクが格段に高まってしまうのです 。

【対策】
外出の有無に関わらず、朝のスキンケアの最後には必ずUVケアを。「多機能UV(トーンアップやバリア機能付き)」で、肌に一枚の「盾」を作ってください 。


2. 黄砂は「見えないスクラブ」

春の風に乗ってやってくるのは花粉だけではありません。大陸から飛来する「黄砂」や「PM2.5」も、肌荒れの大きな原因です。これらは「ポリリューション(汚染)ダメージ」と呼ばれ、肌のバリア機能を物理的・化学的に攻撃します 。

絶対に「こすってはいけない」理由

特に黄砂の粒子は鋭利な形状をしています。肌に付着した状態で手でこすったり、ゴシゴシ洗顔をしたりすると、まるで「微細なヤスリ(スクラブ)」で肌を削るような物理的ダメージを与えてしまいます 。
春の肌がかゆい時、無意識にかいてしまうのが一番危険なのはこのためです。

【対策】
肌を直接外気に触れさせない「擬似皮膚」を作ることが重要です 。日焼け止めや化粧下地を塗ることで、汚染物質が直接肌に触れるのを防ぎましょう。


【Column:プロの視点】

「処方薬なら安心」は間違い? 春のゆらぎ肌に「ヘパリン類似物質」が合わない理由

乾燥対策として、皮膚科で処方される「ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)」をスキンケア代わりに使っていませんか?
実は2024年10月から、美容目的での処方には「選定療養費」として追加の自己負担が発生するようになりました 。これは国が「美容目的の使用は不適切」と判断した結果ですが、サロン経営者としての経験からも、安易な使用には「待った」をかけたい理由があります。

1. 「血行促進」が逆に「かゆみ」を呼ぶ?
ヘパリン類似物質の大きな特徴は、血行を良くして代謝を促す「血行促進作用」です 。これはしもやけやアザの治療には有効ですが、春先の「ゆらぎ肌」には強すぎることがあります。
バリア機能が低下して炎症に近い状態の肌に、さらに血行を促すスイッチを入れると、皮膚温度が上がり、かえって「赤み」や「かゆみ」を増幅させてしまうリスクがあるのです 。

2. 「治療(工事)」と「保護(補修)」の違い
私のサロンでも、「処方薬を使っているのに乾燥が治らない」というお客様が、セラミド配合の化粧品に変えた途端に肌が安定するケースを数多く見てきました。これは「役割」の違いによるものです。

  • ヘパリン類似物質(医薬品): マイナスの状態をゼロに戻すための「治療薬」。有効成分を奥まで届けるために浸透性が高く設計されており、健康な肌に漫然と使い続けることは、肌本来の恒常性を乱す刺激になり得ます 。
  • セラミド(化粧品): 肌表面の隙間を埋めて、外部刺激をブロックする「保護膜」。無理に活性化させるのではなく、足りないセメントを補って壁を強くする「守りのケア」です 。

【結論】
「粉を吹くほどの病的な乾燥」や医師の診断がある場合は、迷わず医薬品を使用してください。
しかし、「なんとなく乾燥する」「より美肌になりたい」という目的であれば、無理に代謝を上げる医薬品よりも、肌のバリア機能を静かに補強してくれる「ヒト型セラミド」などの高機能化粧品を選ぶこと。
これが、春の敏感な肌を最短で落ち着かせる「正解」です。


3. 心のストレスは肌に出る(脳肌相関)

3月・4月は、卒業や入学、異動など生活環境が激変する時期。
最新の調査では、新生活にストレスを感じている人の76%が肌トラブルを経験しているというデータがあります(ストレスを感じていない人は24%)。

脳と肌は繋がっています(脳肌相関)。ストレスによるホルモンバランスの乱れが、バリア機能の低下に直結するのです 。

【対策】
スキンケアの時間を「メンタルケア」に変えましょう。自分の肌を慈しむように触れる「セルフタッチ」は、オキシトシンを分泌させ、ストレスを緩和することが科学的に実証されています 。


結論:全世代共通・今すぐ変えるべき「3つの行動」

春の肌トラブルは、環境と心からのSOSサインです。まずは以下の3つの「基本の守り」を徹底してください。

  1. 摩擦係数の最小化(洗い方の見直し):
    花粉を落とそうと「こすりすぎ」ていませんか? たっぷりの泡で洗うこと。特にナイロンタオルの使用はNGです 。
  2. バリア機能の「物理的」補強:
    コラムでも触れた通り、安易に薬に頼るのではなく、「セラミド」などで角層の水分保持機能を高め、乾かない肌の土台を作りましょう 。
  3. 意識の変革(肌管理へのシフト):
    トラブルが起きてから治す「対症療法」ではなく、常に良い状態を保つ「スキンマネジメント(肌管理)」の視点を持ちましょう 。

(次回予告:年代別の「10代のニキビ」「大人のゆらぎ肌」「シニアの乾燥」対策については、次回の記事で詳しく解説します)

「診断」はハイテク、「ケア」は今まで通り? 2026年のスキンケアに見る“ねじれ”の正体

スキンケアにもAIの存在感が目立ってきています。AIというテクノロジーをどのようにスキンケアに活かしていくべきなのでしょうか? 歴20年のサロンオーナーの視点で考えます。

1. その肌悩み、「勘違い」だったかもしれません

鏡を見て「私は乾燥肌だから」「脂性肌だから」と思い込んで化粧品を選んでいませんか? 実は2026年の今、AI技術の進化によって、「本人が思っている肌質」と「遺伝子レベルの肌質」は一致しないことが多いという衝撃的な事実が明らかになりつつあります

私たちは今、スマホ一つで、あるいはたった一枚のあぶら取り紙で、自分の肌の「真実」を知ることができる時代にいます。 でも、あまりに詳細な「真実」を知ってしまった後、私たちはどうすればいいのでしょうか? 今日は、進化する「診断」と、私たちが選ぶべき「ケア」の関係についてお話しします。

2. 2つのAI診断:「鏡」と「聴診器」

現在、私たちが利用できるAI診断は、大きく分けて2つのタイプに進化しています。

① 視覚的AI(スマホ画像診断):毎日の「鏡」 スマホで顔を撮影し、シミ・シワ・キメの状態を数値化するタイプです(ソフィーナiP『肌id』などが有名ですね)。 手軽に「今のコンディション」をチェックできる素晴らしいツールですが、照明の加減で結果が変わったり、「実年齢より+5歳」と判定されてショックを受けたりすることも……。 でも、落ち込む必要はありません。これはあくまで「表面」の状態。日々の変化を見るためのツールとして、気軽に使えばOKです。+4

② 生物学的AI(RNA解析):深層の「聴診器」 こちらは最新のトレンド。皮脂に含まれるRNA(リボ核酸)を解析する技術です(花王『THE ANSWER』など)。 DNAが「一生変わらない宿命」だとしたら、RNAは「今の体調や環境で日々変わるリアルタイムな声」。 「乾燥していると思っていたけれど、実は肌内部で『微弱な炎症』が起きていた」「バリア機能を作る遺伝子がサボっていた」といった、肌トラブルの「真犯人(根本原因)」を突き止めてくれる、いわば深層の聴診器です。

3. 「診断」は最新なのに、「ケア」は今まで通り?

ここで、美容業界に一つの「ねじれ」現象が起きています。

例えば、AI診断で「あなたの肌は、遺伝子レベルでバリア機能の形成力が弱っています」という、非常に高度で深刻な指摘を受けたとします。 「そんなに詳しいことが分かったなら、さぞかし凄い解決策があるのだろう」と期待しますよね。しかし、提案される化粧品を見ると、従来の「保湿成分(セラミドやグリセリンなど)」がメインであることがあります。

実際に、最新の診断サービスを利用した方からは、「診断は凄かったけれど、提案された製品の保湿感は今までと変わらなかった」「期待しすぎた」という声も聞かれます

これは決して、大手メーカーの製品が悪いわけではありません。むしろ、多くの人にとって安全で、肌を安定させる「守りのケア」としては非常に優秀です。ただ、マス向け製品は「誰にでも使える」ことが最優先されるため、AIが暴いた「深い悩み」に対して、どうしても解決策が「優等生的なケア(現状維持)」にとどまってしまうことがあるのです。

4. 「診断」のレベルに合わせて、「解決策」もアップデートする

AIによって、私たちは自分の肌の「地図(現状)」を詳細に手に入れられるようになりました。 もし、その地図が「このままでは道が崩れます(構造的な老化リスク)」と示しているなら、修復するための材料も、それに見合ったグレードのものを選ぶ必要があります。

  • 日々の「守り」: 大手メーカーの製品で、肌を優しく守り、安定させる。これはとても大切です。
  • 攻めの「解決」: しかし、AIが指摘した「根本的な衰え」や「細胞レベルの修復」が必要な場合は、前回お話ししたPDRN(サーモンDNA)やエクソソームといった、「第3世代の成分」の出番です。

「診断が『細胞レベル』になったなら、ケアも『細胞レベル』に引き上げる」。 この視点を持つことで、AI診断の結果をより効果的に活かせるようになります。

5. 結論:AIとサロンの「協働」で、肌はもっと良くなる

AIは嘘をつかず、客観的なデータを提示してくれます。時にシビアな数字が出ることもありますが、それは肌からの「SOS」を正確に翻訳してくれている証拠です。

AIが「地図(データ)」を描き、私たちサロン(人間)がその地図を読み解いて、あなたに最適な「進み方(プラン)」と「乗り物(高機能なケア)」を提案する。

これからの美しさは、テクノロジー任せにするのでもなく、経験則だけに頼るのでもなく、「AIの正確さ」と「人の温かい知恵」が手を取り合うことで作られていきます。 診断結果に一喜一憂せず、「自分の肌の真実」を知った上で、本当に必要なケアを一緒に選んでいきましょう。

話題の「サーモン注射」を塗る? 肌再生の切り札「PDRN」が、なぜこれほど注目されているのか

前回の記事では、スキンケアのトレンドが「守り(アンチエイジング)」から、細胞レベルで時間を巻き戻す「再生(リバースエイジング)」へと進化していることをお話ししました。

これまでのエイジングケアが、疲れた細胞に「もっと働いて!」と鞭を打つようなものだとしたら、2026年の最新ケアはもっと根本的です。
細胞に無理をさせるのではなく、細胞の核となる「材料」を直接届けたり、邪魔な老化細胞を取り除いたりして、肌の構造そのものを作り直す。いわば「肌の建て替え工事」が可能になったのです。

そして今、この「第3世代:構造再生ケア」の主役として世界中で爆発的にヒットしている成分があります。それが「PDRN(ポリデオキシヌクレオチド)」です。

1. PDRNの正体と「サーモン」の秘密

美容感度の高い方なら、「サーモン注射」「リジュラン」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません 。韓国の美容クリニックで大ブームとなり、日本でも「肌が劇的に若返る」と話題の施術ですが、実はこの主成分こそがPDRNです。

PDRNは、サケやマスの精巣から抽出されたDNA(遺伝子)の断片です。
「なぜ魚のDNA?」と思われるかもしれませんが、実はサケのDNA構造は、人間のDNAと約95〜98%も一致しているといわれています。

この「そっくりな構造」のおかげで、PDRNは人間の体に入れても異物として弾かれることがほとんどなく、アレルギー反応のリスクも極めて低いという、驚くべき安全性の高さを持っています。医療現場では何十年も前から、火傷や傷跡を治すための組織修復剤として使われてきた実績のある成分なのです。

2. なぜ効くのか? 「高級ミールキット」の魔法

では、PDRNを肌に入れると何が起きるのでしょうか? 専門的な言葉を使わずに、「料理」と「家」に例えて説明しましょう。

① 細胞への「高級ミールキット」の差し入れ
私たちの肌細胞が新しい細胞を作ろうとするとき、通常はゼロから材料(DNA)を合成しなければならず、これにはものすごいエネルギーと時間がかかります。年齢を重ねた肌にとって、これは大変な重労働です 。

ここにPDRNが入ってくると、状況は一変します。
PDRNは、DNAを作るための「材料そのもの」です。つまり、下処理済みの野菜と調味料がセットになった「高級ミールキット」が細胞に届くようなものです。
細胞は面倒な材料集めや下準備をスキップして、すぐに「再生」という調理に取り掛かることができます。これを専門用語で「サルベージ回路」と呼びますが、要は「エネルギーを使わずに、楽をして若返ることができる」という夢のような仕組みなのです。

② 表面の補修ではなく「柱の補強」
これまでのスキンケアが、壁紙を張り替えたりワックスを塗ったりする「表面のリフォーム」だとすれば、PDRNは家の柱を太くし、断熱材を詰め直す「構造補強」です。
肌の奥にある線維芽細胞に働きかけてコラーゲンなどの柱を増やし、スカスカになった真皮層の密度をギュッと高めます。その結果、表面的な潤いだけでなく、内側から押し返すような物理的なハリが生まれるのです。

3. 「塗るだけ」で本当に効果はあるの?

ここで一つの疑問が浮かびます。「クリニックの注射だから効くのであって、化粧品として塗るだけでは意味がないのでは?」

実は最新の研究で、嬉しいデータが出ています。
ある比較実験によると、適切な濃度のPDRNを塗り続けた場合、注射療法の約8割に近いシワ改善効果が得られたという報告があります。もちろん、深いクレーターのような凸凹を治すには注射が優れていますが、毎日のエイジングケアとしては「塗る」だけでも十分すぎるパワーを発揮します。

特に最近の製品は、目に見えないほど小さな針(マイクロニードル)や、成分をカプセルに閉じ込める技術(リポソーム)を使って、奥まで届くように工夫されています 。選ぶときは、こうした「浸透技術」が使われているかどうかがポイントになります。

4. こんなお悩みの方におすすめ

PDRNは、特に以下のようなお悩みを持つ方の「救世主」となる可能性があります。

  • 肌が薄くなってきたと感じる方: 年齢とともに肌が痩せて、しぼんだ印象になっている方に、密度を取り戻すケアとして最適です。
  • ニキビ跡や赤みが消えない方: PDRNには強力な「抗炎症作用」と「組織修復作用」があるため、長引く肌荒れの鎮静にも向いています。
  • 美容医療の効果を長持ちさせたい方: クリニックでの施術後のホームケアとして取り入れることで、ダウンタイムを短くし、美しさを維持できます。

5. 副作用とアレルギーについて

安全性は非常に高い成分ですが、由来が「サケ」であるため、魚アレルギーをお持ちの方は念のため注意が必要です。

「魚アレルギーだけどPDRNを使ってみたい」という方には、最近登場した「植物性PDRN(Phyto-PDRN)」がおすすめです。高麗人参やバラ、米などから抽出された成分で、魚アレルギーのリスクがないだけでなく、植物特有の抗酸化パワーも兼ね備えているため、ヴィーガン志向の方にも選ばれています。

6. まとめ

PDRNは、一晩で顔の形を変えるような魔法ではありません。しかし、使い続けることで、年齢とともにスカスカになってしまった肌の「基礎」を確実に作り直してくれる、極めて科学的根拠(エビデンス)のしっかりした成分です。

2026年、本気で「肌時間を巻き戻したい」と願うなら、いつものスキンケアにこの「ミールキット(PDRN)」を一品、追加してみてはいかがでしょうか。それは未来の肌への、最も確実な投資になるはずです。

2026年の新常識。「アンチエイジング」はもう古い? 肌時間を巻き戻す「リバースエイジング」完全解説

1. スキンケアの「OS」アップデートしてますか?

2026年、美容業界では今、かつてないほどの大きなパラダイムシフトが起きています

これまで私たちは、少しでも老化を遅らせようと必死に「抵抗」してきました。それが「アンチエイジング」の正体です。しかし、考えてみてください。昔と同じ「保湿して蓋をする」だけのケアで、加速する老化のスピードに勝てているでしょうか?

もし「最近、何を使っても肌が変わらない」と感じているなら、それはあなたの肌のせいではなく、スキンケアの「OS(基本ソフト)」が古いままかもしれません。

今、私たちが迎えている新しい常識。それは「老いに抗う」のではなく、生物学的な時間を「巻き戻す」こと。すなわち「リバースエイジング(若返り)」の時代です。これは単なる流行の言葉遊びではありません。科学技術の進化によって、「細胞レベルでの構造改革」が可能になった新しい現実なのです。

2. 徹底比較:3つの世代で見るスキンケアの進化論

ご自身の現在のケアがどこにあるのか、この「スキンケア世代論」で確認してみましょう。

  • 第1世代:守りのアンチエイジング(〜2010年代)
    • キーワード: 「抵抗」「遅延」「保湿」
    • 役割: 減らないように守るケア。
    • コップの水が蒸発しないように蓋をするイメージです。乾燥や紫外線から肌を守り、今ある細胞を維持することに主眼が置かれていました。ヒアルロン酸や一般的なセラミドケアがここに当たります。現状維持には有効ですが、すでに失われたハリを取り戻す力はありません。
  • 第2世代:刺激を与える初期リバースエイジング(〜2024年頃)
    • キーワード: 「活性化」「シグナル伝達」
    • 役割: 叩いて起こすケア。
    • 眠っている細胞の鍵穴(受容体)にカチャッと鍵を差し込み、「コラーゲンを作って!」と指令(シグナル)を送るイメージです。各種ペプチドや、初期のヒト幹細胞コスメがこれに該当します。細胞に「働け!」と鞭を入れる画期的なアプローチでしたが、そもそも細胞自体が疲弊していると、効果が出にくいという課題もありました。
  • 第3世代:構造から作り直す「真のリバースエイジング」(2026年〜)
    • キーワード: 「再生」「修復」「DNAレベルの介入」
    • 役割: 壊れた設計図を直し、部品を交換するケア。
    • ここが最新のトレンドです。疲れた細胞に無理やり指令を出すのではなく、細胞の核となる「材料」を直接届けたり、老化して動かなくなった「ゾンビ細胞」を除去したりします。肌の奥(真皮)の密度を高め、物理的に組織を再構築するアプローチです。

3. なぜ「若返り」が可能になったのか? 科学の種明かし

「化粧品で若返るなんて信じられない」と思われるかもしれません。しかし、それを可能にした科学的な理由(種明かし)が2つあります。

① 細胞の「燃料」と「材料」を直接届ける技術 私たちの細胞が分裂して新しい肌を作るとき、通常はゼロから材料を合成する必要があり、これには多大なエネルギーと時間がかかります。 しかし最新の研究では、DNAの材料となる成分(ヌクレオチドなど)を外部から補給することで、この合成プロセスをショートカットできることが分かってきました。これを専門用語で「サルベージ回路(再利用回路)」と呼びます。 つまり、エネルギー不足で工事が止まっていた現場に、最高級の建材がトラックで運び込まれるようなものです。これにより、疲れ切った大人の肌でもスムーズに修復工事が進むようになったのです

② 医療グレード技術のホームケア化 もともと、重度の火傷や糖尿病による皮膚潰瘍を治すための「再生医療」として研究されていた技術が、安全に化粧品に応用できるようになりました。医療現場で「皮膚を再生させる」ために使われていたメカニズムが、毎日のスキンケアに降りてきた。これが2026年の美容における最大の革命です。

4. 2026年の主役成分「PDRN」とは?

では、その第3世代を牽引する成分は何でしょうか? それが「PDRN(ポリデオキシヌクレオチド)」です。

PDRNは、サケのDNAから抽出された成分で、なんと人間のDNAと構造が非常によく似ています。これを肌に入れることは、単に潤いを与えるのとは訳が違います。肌の土台である真皮層の線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンの生成を強力に促し、肌の密度を内側から「パンっ!」と高めてくれるのです

なぜ「サケ」なのか? 塗るだけで本当に奥まで届くのか? その驚きのメカニズムと、韓国ではもはや常識となっている「サーモン注射」のホームケア版としての実力については、次回の記事でじっくり深掘りします。

5. 結論:消費から「投資」へ

リバースエイジング対応のアイテムは、確かにこれまでの化粧品より高価かもしれません。しかし、効果の出ないものを使い続けて「現状維持」にコストを払い続けるのと、科学的根拠のある技術で「未来の肌」を変えるのと、どちらが賢い選択でしょうか?

2026年、美容は「魔法」から「科学技術」へと進化しました。 あなたの肌は、まだあきらめる必要はありません。「守り」のケアを卒業し、一緒に「再生」の扉を開けましょう。

冬の頭皮トラブル解決Q&A:そのフケ、実は「乾燥」だけが原因じゃないかも?

冬になると、頭皮のカサつきやフケ、痒みに悩む方が急増します。良かれと思ってやっているケアが、実は逆効果になっていることも……。正しい知識で、健やかな頭皮を取り戻しましょう。

冬のフケやかゆみが気になるときにチェックしたい5つの質問

Q1. 冬にフケが出るのは、やっぱり頭皮が「乾燥」しているからですか?

A. はい、乾燥による「バリア機能の低下」が大きな原因の一つです。 冬の低湿度な空気は、肌のバリアである角層から水分を奪います 。水分が不足すると、本来は自然に剥がれ落ちるはずの古い角質が、未熟なまま塊となってこびりついてしまいます(不全角化) 。これが、目に見える「白いフケ」の正体です 。単に乾燥しているだけでなく、頭皮の生まれ変わりのリズムが乱れているサインなのです 。

Q2. 頭皮が痒くてカサつくときは、あまり洗わない方がいいのでしょうか?

A. 「洗わない」のは禁物です。「適切に洗って、すぐに補う」のが正解です。 「乾燥=洗わない」と考えがちですが、洗浄不足で頭皮に残った皮脂は、常在菌によって刺激物質(遊離脂肪酸)へと変化します 。冬の乾燥した頭皮には微細な「ひび割れ(亀裂)」が起きやすいため、この刺激物質が隙間から侵入し、炎症や痒みをさらに悪化させてしまうのです 。

ポイント: 汚れ(刺激の元)を優しく落とし、洗髪後はすぐに保湿ローションなどでバリアを補う「セットのケア」を心がけましょう 。

Q3. 「アミノ酸系の優しいシャンプー」を使っていれば安心ですか?

A. 頭皮には優しいですが、皮脂量との「バランス」が重要です。 洗浄力が穏やかすぎるシャンプーは、皮脂量が多い方にとっては汚れを落としきれない場合があります。古い皮脂が頭皮に残ると、それをエサとする真菌(マラセチア属)がトラブルを引き起こす原因となります 。 また、冬は日照時間が短く、紫外線の持つ「天然の殺菌・抗炎症効果」が得られにくいため、意識的に頭皮を清潔に保つ必要があります 。自分の皮脂量に合った洗浄力のものを選びましょう。

Q4. フケが「ベタついている」気がします。冬でも脂漏性皮膚炎になりますか?

A. はい、冬の環境でも起こり得ます。 脂漏性皮膚炎は、皮脂と常在菌、そしてバリア機能の乱れが複雑に絡み合って起こります 。

所説ありますが、以下のように考えられています。

冬のパターン: 乾燥によるバリア破壊がきっかけで炎症が起こる「物理的バリア不全型」

夏のパターン: 汗や高温で菌が爆発的に増える「微生物・免疫応答主導型」 

冬でも「ベタつくフケ」が出る場合は、皮脂の酸化が進んでいる可能性があるため、放置せずに早めのケアが必要です 。すでに強い赤みや痒みが出ている場合はホームケアで対処しようとせず、皮膚科医に相談を。

Q5. 自宅でできる、最も効果的な冬の頭皮ケアは何ですか?

A. 適切な洗髪に「セラミド」などでの保湿と、室内の「加湿」です。

保湿ケア: セラミドを含む頭皮用ローションなどは、水分を保持し、正常な皮膚の生まれ変わりを助ける「病態修復」の効果が期待できます 。

加湿: 暖房による室内の乾燥は、思っている以上に頭皮の水分を奪います 。加湿器などで環境を整えることも、立派な頭皮ケアのひとつです。


自分の頭皮が「乾燥しすぎている」のか「汚れが残っている」のか、判断に迷うことも多いはず。気になる症状があれば、専門知識のあるヘッドスパサロンや美容室に相談してみてくださいね。

※記事内の画像はAI生成によるものです

【札幌のプロが実証】暖房地獄に対抗する「プチプラ・セラミド」2選

11月も半ばを過ぎ、札幌はいよいよ冬本番ですね。 外に出れば冷凍庫のような寒さ、一歩室内に入れば暖房による砂漠のような乾燥……。私たちのお肌にとって、一年で最も過酷な「試練の季節」がやってきました。

最近、サロンに来店されるお客様からも、悲鳴のようなご相談が増えています。

「高いクリームを塗っているのに、夕方には肌がピリピリする」 「加湿器をつけているのに、朝起きると顔が突っ張っている」

もしかして、あなたも「乾燥対策 = こってりした高いクリームを塗ること」だと思い込んでいませんか?

実は今年の私、プロとしてあるまじき(?)実験をしていました。 それは、「ドラッグストアやネットで買える『プチプラ美容液』で、札幌の冬を越せるのか?」という検証です。

「プロなんだから、やっぱり何万円もするサロン専売品を使っているんでしょう?」

よくそう聞かれますし、普段はもちろん、最新技術が詰まったプロ用商材を愛用しています。ですが、今回あえて私が目をつけたのは、「成分スペックだけは、プロ用にも負けていない」と噂の、ある2つのアイテム。

結論から言います。 乾燥対策に、必ずしも「高額な投資」は必要ありませんでした。 必要なのは、正しい「成分選び」だけ。

今回は、成分オタクの私が実際に自分の肌で試し、「使用感は値段なりだけど、保湿効果はなかなかだわ……」と唸った、冬の乾燥肌を救う「成分特化型・プチプラアイテム」を2つ、正直にレビューします。

科学的なスキンケアで、この冬の「カピカピ肌」を卒業しましょう!

なぜ冬は「油分」ではなく「セラミド」一択なのか?

「乾燥してるから、もっとクリームを塗らなきゃ!」

冬になると、皆さんそう言って保湿クリームを重ね塗りしようとします。もちろん、クリームで「蓋」をすることは大切ですし、どんな成分が入ったクリームかにもよります。でも、プロの視点から言わせてください。

壁に「穴」が開いたままペンキを塗っても、風は通り抜けますよね?

今のあなたの肌は、まさにその状態かもしれません。

肌の「セメント」が不足していませんか?

皮膚の構造を、よくレンガの壁に例えます。

  • レンガ = 角層細胞(肌の細胞)
  • セメント = 細胞間脂質(その主成分が「セラミド」)

健康な肌は、レンガ(細胞)の間をセメント(セラミド)がびっしりと埋め尽くしていて、水分を逃しません。これが「バリア機能」が働いている状態です。

しかし、札幌の厳しい寒暖差や、エアコンの乾燥した風に晒され続けると、このセメント(セラミド)がどんどん減っていきます。

するとどうなるか。 レンガの隙間がスカスカになり、肌は「ザル」のような状態になります。

「ザル肌」に高級クリームを塗っても意味がない

ここが最大の落とし穴です。 セラミドが不足して「ザル」になった肌に、どんなに高い化粧水を入れても、上から高級なオイルで蓋をしても、水分は隙間からどんどん蒸発していきます(これがインナードライの正体です)。

だからこそ、冬のスキンケアで最優先すべきは、油でベタベタにすることではなく、「減ってしまったセメント(セラミド)を物理的に埋め戻すこと」

これが、私が冬こそ「セラミド一択」だと断言する理由です。

そして、この「埋める」作業において、驚くほど優秀な仕事をしてくれるのが、今回ご紹介する2つのプチプラアイテムなんです。


サロンオーナーが厳選!実力派「プチプラ・セラミド」2選

お待たせしました。 数あるプチプラ製品の中から、成分オタクの私が「中身にお金がかかっている!」と判断し、実際に購入して試した2つのアイテムをご紹介します。

先に正直にお伝えしておきますね。 これから紹介する2つは、デパートの1階で売っているような「うっとりする香り」や「高級感のあるボトル」ではありません。

でも、「肌にセラミドを届ける」という仕事に関しては、職人のようにいい仕事をしてくれます。


1. 成分好きを唸らせる「直球勝負」の原液

CONODO (コノド) ヒトセラセラム (30ml)

  • 推しポイント: 「ヒト型セラミド原液20%配合」という、二度見してしまうようなスペック。しかも、人間の肌に存在するセラミドに近い「5種類(EOP, NP, AP, NG, AG)」をバランスよく配合しています。さらにCICAやプロテオグリカンまで入っていて、成分表を見るだけでお腹いっぱいになる豪華さです。
  • 【プロの正直レビュー】 手に出すと、とろ~り。「うるおいそう!」と思いきや、これはキサンタンガムやカルボマーなどの増粘剤がしっかり入っているため。 サロン専売品のような「塗った瞬間に肌が守られる被膜感」や「ホンモノのコク」を求めると、正直、少し物足りなさを感じるかもしれません。 ですが、スーッと肌に消えていく浸透感は本物。「余計な演出はいらないから、とにかく成分をくれ!」という、ストイックな乾燥肌さんの期待には全力で応えてくれます。

2. 科学的スキンケアの「教科書」のような乳液

TOUT VERT (トゥヴェール) セラミドミルク (40g)

【プロの正直レビュー】 使い心地は、本当に「ザ・乳液」。飾り気のない、実直なテクスチャーです。 高級クリームのような「肌がふっくら蘇るようなドラマチックな感動」まではいきませんが、暖房の風から肌を守る「盾」としての機能は非常に優秀です。 朝塗ってもベタつかないので、メイク前の「乾燥崩れ防止」としても活躍します。毎日淡々と使うことで、気づけば肌が揺らがなくなっている……そんな「縁の下の力持ち」的な存在です。

推しポイント: こちらは「ヒト型セラミド4.5%配合」と濃度を明記している実力派。特にバリア機能の要となる「セラミド2」が高濃度で配合されています。アミノ酸も入っていて、まさに「肌の基礎工事」のために設計されたような一本。


❸ 効果を120%引き出す!プロ直伝の「効かせ」テクニック

今回ご紹介した2つのアイテムは、サロン専売品に比べるとテクスチャーが少し「あっさり」しています。 そこで、プロの裏技を一つ。

それは、「あえて、規定量の2倍を使うこと」です。

高級なクリームだと、どうしても「もったいない…」とチビチビ使ってしまいがちですが、これこそが乾燥の原因。 その点、この2つはプチプラです。「惜しみなく使える」ことこそが最大のスペック!

  1. まずは規定量を顔全体に馴染ませる。
  2. 乾燥しやすい頬や口周りにもう一度重ね塗りする(追いセラミド)。
  3. 最後に、手のひらの温かさでじっくりハンドプレス(アイロンがけ)して押し込む。

「成分濃度 × 量 = 効果」です。 質(成分)は良いのですから、あとは量で勝負。この「2度づけ」をするだけで、翌朝の肌のふっくら感は劇的に変わりますよ。


まとめ:この冬、あなたの肌を「カピカピ」にさせないために

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回ご紹介した『CONODO』と『トゥヴェール』。 正直なところ、私がサロンで提供しているスペシャルケアのような「魔法のような変化」や「極上の癒やし」はありません。

ですが、「肌の隙間を埋め、バリア機能を守る」という物理的なミッションにおいては、これほど誠実で頼もしいアイテムはなかなかありません。

  • 今使っている化粧品で、乾燥が止まらない方。
  • とりあえず何か塗っているけれど、肌が改善しない方。

まずはこの冬、騙されたと思って「セラミド」を補給してみてください。 肌の「セメント」さえしっかりしていれば、札幌の厳しい冬も、暖房の風も、もう怖くありません。

もし、「もっと根本的に肌質を変えたい」という時は、いつでもサロンへご相談くださいね。 プロの技術と最新のマシン、それにプロ仕様の知識を駆使して、あなたの肌の駆け込み寺としてお待ちしています。

寒さはこれからが本番。 まずは「お守り」のようなスキンケアで、ご自身の肌を優しくいたわってあげてくださいね。

※この記事はAIの支援を受けて作成しています

【製品考察】N10+Z1フェイスセラム(The Ordinary)


世界的トレンドになりつつある、科学的根拠に基づいた有効成分を高濃度配合したスキンケア製品。
処方やパッケージがシンプルで無駄がなく、手に取りやすい価格も魅力的。

そんな「成分の民主化」を象徴するような製品を成分からどんなスキンケア目的や肌質に向いているか考察してみたいと思います。

※画像はイメージ美容液のイメージ画像であり、実際の製品ではありません

ナイアシンアミドと亜鉛:N10+Z1フェイスセラムについての考察

ナイアシンアミドは、古くから保湿成分として多くのスキンケアアイテムに採用されてきた、信頼性の高い成分のひとつです。

近年ではその研究が進み、保湿という基本的な役割に加え、毛穴、肌のバリア機能、トーン、さらにはシワの改善といった、実に多角的なアプローチが期待できる成分として注目を集めています。

エステティシャンとしてこれまで多くのお客様の肌に触れ、様々な化粧品成分を扱ってきた経験から言うと、ナイアシンアミドは非常に作用が穏やかである、という印象を持っています。それゆえに肌への負担のリスクも比較的低く、どのような肌質の方にも取り入れやすい点が大きな長所だと感じています。施術やホームケアのご提案においても、肌状態のベースを整えたり、他の美容成分の効果を補助したりと、幅広く活用できる優れた成分です。

一方、このセラムに含まれるもう一つの成分「亜鉛(PCA亜鉛など)」は、日本ではスキンケアの美容訴求成分としてよりも、メイクアップ化粧品の原料として用いられることが多い成分かと思います。主な役割としては、過剰な皮脂を吸着し、肌表面のテカリやべたつきをコントロールする点が挙げられます。

「N10+Z1フェイスセラム」は、この「ナイアシンアミド(10%と高配合)」と「亜鉛」を組み合わせている点が最大の特徴です。

この処方から考察すると、特に皮脂分泌が活発になりがちな10代から20代の方や、オイリー肌にお悩みの方にとって、肌の水分と油分のバランスを整える上で、非常に心強い選択肢となるのではないでしょうか。

年齢を重ねたお肌の悩みは、毛穴の目立ち、シワ、トーンの乱れなどが複雑に絡み合っていることが多く、状態に合わせた成分をより細かく見極めていく必要があると思います。

その点において、このセラムは万能薬というよりも、「皮脂コントロールと肌の基礎バランス」という点に明確な焦点を当てた製品であると考えられます。

肌の土台を整えたい方、特に皮脂によるお悩みが深い方にお試しいただく価値のある美容液かと思います。

【ベスコス受賞】 The Ordinary(オーディナリー) ナイアシンアミド*1 10%+亜鉛1%*2 (N10+Z1フェイスセラム) 30mL 美容液 スキンケア 毛穴 ブライトニング くすみ 乾燥 ゴワつき 敏感肌 乾燥肌 透明感 トライアル お試し ミニサイズ ミニボトル 【正規品】

全成分:

水・ナイアシンアミド・ペンチレングリコール・PCA亜鉛・ジメチルイソソルバイド・エトキシジグリコール・イソセテス-20・キサンタンガム・タマリンドガム・フェノキシエタノール・クロルフェネシン

※この記事は画像生成、記事整形にAIの支援を受けています

世界のスキンケアを二分する潮流:成分の民主化(米) vs. 技術の極限追求(日)

今日は少々毛色の違う記事をお届け。
Amazonアメリカ版の「Skin Care」カテゴリのベストセラーからアメリカのスキンケアの流行と日本メーカーの違いについてGeminiと考えてみました。


1. 世界市場の「成分ファースト」時代

近年のスキンケア市場は、成分への関心が高まり、消費者が「成分名」で製品を選ぶ「成分ファースト」時代へと突入しました。この潮流は世界共通ですが、市場をリードする米国の「新しい勢力」と日本の「伝統的な盟主」とでは、アプローチが大きく異なります。


2. 米国発・革新的な「成分の民主化」戦略

米国市場で爆発的な人気を博す「The Ordinary」や「CeraVe」に代表されるトレンドは、「成分の民主化」と表現できます。

このアプローチの核は、価格と透明性にあります。

  • 透明性(成分の単一化): 「ナイアシンアミド 10% + 亜鉛 1%」のように、有効成分をシンプルに高濃度で配合し、製品名も成分名と濃度をそのまま示すことで、何を肌に与えているのかを明確にします。
  • 低価格戦略(コストカット): 従来の化粧品に投じられていた豪華なパッケージや過剰な広告宣伝費を徹底的に削減。これにより、高品質な有効成分を、日本のドラッグストアコスメよりもさらに手頃な価格帯で提供することを可能にしました。
  • 科学的な信頼: 「CeraVe」のように、皮膚科医の推奨と、「セラミド」「ヒアルロン酸」といった科学的なエビデンスに基づくバリア機能の修復に焦点を当てることで、価格が安くても信頼できるという価値を提供しています。

これらの戦略は、高機能なスキンケアを一部の富裕層から全ての消費者へと解放した点で、まさに革命的と言えます。


3. 日本が誇る「技術の極限追求」戦略

一方、日本の主要な化粧品メーカー(資生堂、花王、コーセー、ロート製薬など)が世界で戦う強みは、「技術の極限追求」にあります。これは、シンプルさよりも「高度な処方技術」と「独自の価値」に重きを置いた戦略です。

  • 基礎研究への投資: 日本メーカーは、肌の奥深くのメカニズム解明や、シミ・シワの発生源に関する基礎研究に莫大なリソースを投じます。その結果、レチノールやビタミンC誘導体といった成分を、刺激なく効果を最大限に発揮できるよう安定化させる独自の技術(例えば、特定の成分を肌の必要な箇所へ送り届けるための高度なドラッグデリバリー技術)を生み出しています。
  • 多角的な複合処方: 成分を単体で使うのではなく、複数の有効成分を緻密に組み合わせ、相乗効果を引き出す処方技術に優れています。保湿、美白、アンチエイジングなど、多角的な悩みに一度にアプローチすることを可能にします。
  • 「J-Beauty」の信頼性: 長年にわたる厳格な品質管理と、和漢植物や発酵技術などの日本独自の要素を取り入れることで、「高品質で肌に優しい」という信頼性の高いブランドイメージ「J-Beauty」を確立し、欧米やアジア圏の富裕層からの支持を得ています。

日本の強みは、表面的な成分濃度ではなく、「その成分を肌でどう作用させるか」という見えない技術力にあると言えます。


4. まとめ:賢い消費者が選ぶ、今後のスキンケア

「成分の民主化」は、スキンケアの入り口を広げ、賢い選択肢を与えてくれました。「技術の極限追求」は、誰も真似できない独自の進化と深い効果を提供します。

スキンケア感度の高い消費者にとって、今後は「手軽に基礎を整える米国式」と「深い悩みに応える日本式」を使い分けるハイブリッドなアプローチが主流となるでしょう。

科学発想でありながら価格を抑えたスキンケア化粧品はこの2,3年日本でもトレンドになっていると思います。とはいえ、そういった処方を行っているメーカーは日本ではまだまだ少なく、韓国メーカーや米国メーカーが中心かもしれません。

20年近くスキンケア化粧品を実際に扱っている私の体感としては──実際のスキンケア効果は成分表示や配合濃度だけでは測れない部分が多く、現実には濃度非公表であっても、日本メーカーが行っているようなより繊細な処方が有効なケースも少なくありません。

ますますスキンケアアイテムの選び方が面白く、難しくなりそうですね。

アイテム選びより大切なことートータルで考えるスキンケアの新常識

秋の気配が濃くなってきましたね。
ふと湿度計を見ると50%を切っているのを見かけることもしばしば…
夏から秋へと移ろうこの時期こそ、「肌の冬備え」をしておきたいところです。

そのスキンケア、本当に「正解」ですか?

鏡を見て、「最近、肌の調子がいまいちだな…」と感じることはありませんか? 新しい化粧水を使ってみたけれど効果が感じられない、口コミで人気の美容液を買ったのにいまいちピンとこない。もしかすると、それはアイテムひとつひとつの問題ではなく、スキンケア全体の「考え方」に原因があるのかもしれません。

スキンケアは、まるで料理のレシピのようなもの。ひとつひとつの食材(アイテム)がどれだけ高級でも、調理法や順番(ステップ)がバラバラでは、美味しい料理(理想の肌)はできません。大切なのは、すべてのステップをトータルで考えて、それぞれがどんな役割を果たすのか理解すること。そうすれば、あなたの肌はきっと変わります。

今回は、知っているようで意外と知らないスキンケアの基本的な考え方をご紹介します。

スキンケアは「トータル」で考える。基本の4ステップ

スキンケアの基本は、以下の4つのステップで成り立っています。それぞれのステップにどんな意味があるのか、一緒に見ていきましょう。

ステップ1:洗顔・クレンジング|肌を「優しく」リセットする

メイクや皮脂、古い角質といった肌の汚れを落とすのが、洗顔・クレンジングの役割です。このステップは、次に使う化粧品の効果を最大限に引き出すための「土台作り」と言えます。

しかし、ここで注意が必要なのは、「汚れを落とすこと」に重点を置きすぎないこと。洗浄力が強いアイテムは、確かに汚れは落ちますが、同時に肌にとって必要なうるおい成分まで洗い流してしまうリスクがあります。結果として、乾燥や肌荒れの原因になることも。

大切なのは「汚れがごっそり落ちる快感」よりも、肌に負担をかけずに「優しく洗い上げる」こと。あなたのメイクの濃さや肌質に合った、マイルドな洗浄力のものを選ぶことがポイントです。

ステップ2:化粧水|次のステップへの「準備」を整える

洗顔後の肌は、水分が失われがちで不安定な状態です。そこに化粧水を塗布することで、一時的に水分を与え、次のステップへ進むための準備を整えます。

「化粧水をたっぷりつければ、肌がうるおう」と思われがちですが、これは実は少し違います。化粧水の成分のほとんどは「水」であり、いくらたくさんつけても、水分は蒸発してしまいます。肌のうるおいは、一時的に感じられるだけなのです。とろみがある化粧水が保湿力が高いと思われがちですが、とろみは増粘剤によるものであり、必ずしも保湿成分が多いとは限りません。

化粧水は、「うるおいチャージ」というよりは、「肌を整える」ためのアイテム。次に使う美容液やクリームが肌になじみやすい状態にする、その役割を担っているのです。

ステップ3:美容液|スキンケアの「柱」となる

美容液は、スキンケアにおいて最も「効果」を期待できるアイテムです。うるおいを与える、しみを防ぐ、シワをケアするなど、特定の肌悩みに特化した美容成分が、高濃度に配合されていることが多いからです。

まさにスキンケアの「柱」と言える存在ですが、万人に効く「最強の1本」は存在しません。価格帯も幅広く、成分や効果も様々です。自分の肌悩みと向き合い、どんな効果を求めているのかを明確にして選ぶことが大切です。口コミや評判だけでなく、冷静に成分表を見てみるのも良い方法です。

ステップ4:クリーム|うるおいを「閉じ込めるフタ」

最後のステップであるクリームは、これまでのスキンケアで与えた美容成分やうるおいを肌に閉じ込める「蓋」の役割をします。美容液と同様に、高い美容効果を持つ成分が配合されていることも多く、水溶性・油溶性両方の成分を含むことができるため、高い効果が期待できます。

「ベタつかない」「なじみが良い」といった質感も大切ですが、それだけで選ぶのはもったいないです。やや重めのテクスチャーのクリームは、成分の配合量が多く、肌表面を保護するだけでなく、内側からうるおいを保つ効果が高い傾向にあります。乳液は表面をなめらかにする目的のものが多いため、スキンケア効果をより求めるならクリームがおすすめです。

まとめ:あなたの肌に合った「レシピ」を見つける

スキンケアは、単なるアイテムの集合体ではありません。洗顔から始まり、化粧水、美容液、クリームと続く一連の「流れ」であり、それぞれが重要な役割を担っています。

「良い」とされているアイテムをなんとなく使うのではなく、「このステップでは、この役割を担っているから、このアイテムを選ぼう」と、全体のバランスを考えられるようになると、あなたのスキンケアはきっと変わります。

自分だけの肌の悩みに合わせた、あなただけの「スキンケアレシピ」を見つけてみませんか?

秋のお肌の変化と年代別スキンケア完全ガイド

涼しい風が心地よい秋。でも、お肌にとっては実はとても複雑な季節なんです。夏から冬への移り変わりの中で、お肌はさまざまな変化に対応しなければなりません。今回は、秋特有のお肌の悩みと、年代に応じたケア方法を詳しくご紹介します。

秋のお肌が複雑になる理由

1. 環境の急激な変化がお肌を混乱させる

秋は気温と湿度が急激に変化する季節。この環境の変化が、お肌に大きな負担をかけています。

空気が乾燥すると、お肌の水分がどんどん蒸発して乾燥状態に。すると、お肌は「大変!水分を守らなくては」と慌てて皮脂を分泌し始めます。これが、よく耳にする「インナードライ」の状態です。

表面はテカテカしているのに、内側はカラカラ。この皮脂の過剰分泌が肌荒れや赤み、毛穴の目立ちにつながってしまうのです。

秋の対策ポイント: たっぷりと保湿して、お肌が乾燥の季節に上手に適応できるようサポートしましょう。

2. 夏のダメージが今になって現れる

春から夏にかけて浴び続けた紫外線、特にUV-Aは、お肌の深部にじわじわとダメージを蓄積させています。この紫外線がコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやハリ不足の原因となります。

さらに、メラニンの生成も促進されるため、秋になるとシミやそばかすが濃く目立って現れるように。この現象は「光老化」と呼ばれ、お肌の老化を加速させる最大の要因の一つなんです。

秋の対策ポイント: 夏に受けた紫外線ダメージは長引かせず、早めにしっかりとケアしておくことが大切です。

3. 体の内側からの影響も見逃せない

秋は寒暖差の大きい季節。朝晩の気温差や天候の変化により、自律神経が乱れやすくなります。疲労やだるさを感じやすいのも、この自律神経の不調が原因です。

そして、自律神経の乱れはお肌のコンディションにも直接影響を与えます。血流が悪くなったり、ホルモンバランスが崩れたりして、お肌の回復力が低下してしまうのです。

体の内側から整える方法:

  • 規則正しい睡眠リズムを心がける
  • 軽い運動で血流を促進する
  • バランスの良い食事を摂る
  • 適度なストレス発散を行う

年代別・秋のお肌悩みアプローチ法

10代〜20代:ニキビケアが最重要課題

10代は、ホルモンバランスの急激な変化による皮脂の過剰分泌が主な原因の「思春期ニキビ」が特徴的。20代になると、それに加えて生活習慣の乱れが影響する「大人ニキビ」が現れ始めます。

秋の乾燥によるバリア機能の低下で、これらのニキビが悪化する可能性が高まります。

おすすめケア: 効果的なマイルドピーリングを夜の洗顔に取り入れましょう。ニキビを出来にくくし、ニキビ跡を残さないためにも重要なケアです。

30代〜40代:本格的なエイジングケアの始まり

お肌の保水力の低下が目立ち始める年代です。そのため、秋の乾燥への適応が遅れがちで、「インナードライ」がより深刻になる傾向があります。

また、長年蓄積された紫外線ダメージが、シミやたるみなど目に見える形で現れ始めるのもこの年代の特徴です。

おすすめケア: 保湿だけでなく、シミの予防、シワ・たるみの予防とケアなど、本格的なエイジングケアを始める時期です。美白成分やコラーゲン産生を促す成分を積極的に取り入れましょう。

50代以降:より積極的なアンチエイジングケアを

長年の乾燥や紫外線ダメージに加え、加齢による真皮層のコラーゲンやエラスチンの減少が深く関わり、深刻なシワやたるみが進行します。

さらに、更年期によるホルモンバランスの変動も、お肌をより不安定にさせる要因となります。

おすすめケア: より攻めのアンチエイジングケアを毎日のスキンケアに取り入れていきましょう。ホームケアだけでなく、エステティックサロンや美容皮膚科での専門的なケアも積極的に検討する時期です。

男性特有のお肌悩みにも注目

男性のお肌には独特の特徴があります。皮脂分泌量が女性の2〜3倍と多い一方で、水分保持量は低いという傾向があるんです。

秋の乾燥により水分量がさらに低下すると、これを補おうとして皮脂が過剰に分泌され、表面的なテカリやニキビを引き起こしやすくなります。

おすすめケア: 女性の10代〜20代に準じたケアをベースに、過剰な皮脂を抑制する効果があるビタミンC誘導体の使用と、シミやたるみの予防につながる紫外線対策を重点的に行いましょう。

まとめ:秋を美肌で乗り切るために

秋は夏のダメージケアと冬への準備、両方が必要な複雑な季節です。でも、だからこそしっかりとケアすることで、一年を通して美しいお肌を保つことができます。

自分の年代と肌質に合ったケア方法を見つけて、内側からも外側からも、お肌を大切にいたわってあげてくださいね。美しい秋を、美肌で楽しく過ごしましょう!