ビーエス-コスメ セラミド美容液<美容液>

皮膚科学発想の保湿ケアとケアに有用なスキンケア化粧品について書いています。

皮膚科学発想の保湿スキンケア~理論編~

皮膚科学発想の保湿スキンケア~実践編~

今日も角質細胞間脂質配合のスキンケア化粧品をひとつ見てみたいと思います。

ビーエス-コスメ セラミド美容液

ビーエス-コスメ セラミド美容液 100ml
2,600円(2021年11月amazonでの販売価格)

セラミド美容液の全成分

水、グリセリン、クレアチニン、ポリグルタミン酸、セラミド1、セラミド3、セラミド6-Ⅱ、フィトスフィンゴシン、ヒドロキシプロピルキトサン、BG、シソ葉エキス、ヒアルロン酸Na、コレステロール、ラウロイル乳酸Na、カルボマー、キサンタンガム、1,2-ヘキサンジオール、トレハロース、エタノール、メチルパラベン

セラミド美容液の成分について

表示TOPは基材の水、それにマイルドで安価な保湿剤であるグリセリンがつづき、ここまでは本当によくあるというか、化粧水のセオリーみたいなものですね。

次にクレアチン、ポリグルタミン酸がつづいています。

クレアチンはアミノ酸の一種で、天然保湿因子のひとつ。ポリグルタミン酸はその天然保湿因子の産生を促進する効果があるという保湿剤です。

その後は、角質細胞間脂質のエースであるセラミドたちが名を連ね、そのセラミドの産生を促進する効果を持つフィトスフィンゴシンまで見られます。

成分を見るかぎりでは、皮膚科学に基づいた最高の美容液です。

でも、恐らく…… この製品の実際のところは、大半が水とグリセリンで増粘剤のキサンタンガムとカルボマーによってとろっとした形状の化粧水かと思います。

なぜそのように考えられるかというと、アミノ酸類というのはもともとそんなに濃度高く入るものじゃないようです。製品の質感を損なうことが多いらしく…。

さらに、セラミドやフィトスフィンゴシンのあとに基材の次に多く入ることが多いマイルドな保湿剤、BGが見られますが、この表示順だとセラミド類>BGか、もしくは、セラミド類と同じ濃度でBGが含まれているということになりますが、スキンケア化粧品の常識として、BGとセラミド類を同濃度で含むことはあり得ず、ましてやBGの方が濃度が低いなどということは非現実的です。

つまり、グリセリン以後の成分はごくごく、少量入っているという可能性が高いのです。

なのでたぶん、恐らく……容器が簡素でその分の経費がかかっていないことを差し引いても、ほとんどが水とグリセリンだと思います。そして、名称は美容液ですが、こういう構成のスキンケア化粧品は一般的には化粧水のカテゴリーになるのではないかと思います。

まとめ

ビーエス-コスメ セラミド美容液 は水とグリセリンが主になっている一般的には化粧水に分類されるスキンケアアイテム。とろっとしているのは、保湿力に関係するものでなく、カルボマーとキサンタンガムという2種類の増粘剤によるもの。

洗顔後に肌を整える目的で化粧水として使いたい製品という印象。

印象……の訳は、こちらの製品は、試用しておらず成分を見ただけで好き勝手にほざいているだけだからです。

セラミド類がほんのほんのちょっとしか入っていないとしても、100mlで2600円という価格設定は絶妙でお値打ち感ありますけれどね。

保湿効果を期待する方には向かないけれど、デイリー使いの化粧水としては使いどころがあるように思います。

流川製薬 ヒメネムリ<夜専用美容液>

先日、皮膚科学的保湿ケアについて理論と実践編についてまとめました。

皮膚科学発想の保湿スキンケア~理論編~

皮膚科学発想の保湿スキンケア~実践編~

今日は実際に角質細胞間脂質の配合されている市販の美容液を見ていきたいと思います。

流川製薬 ヒメノネムリ

美容液 ヒメネムリ【 毛穴 】ヒト型セラミド 原液配合 【夜用エイジングケア】男女兼用 パラベン不使用 C31 20ml 2,980円(2021年1月amazonでの価格)

ヒメノネムリの全成分


水, グリセリン, シクロメチコン, PEG -10ジメチコン, ペンチレングリコール, ジメチコン, (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー, BG, ウンカリアトメントサエキス, セラミド1, セラミド2, セラミド3, セラミド5, セラミド6Ⅱ, ホホバ種子油, ヒアルロン酸Na, (ジメチコン/(PEG-10/1 5))クロスポリマー, ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル), ジメチルシリル化シリカ, テトラヘキシルデ カン酸アスコルビル, パルミチン酸レチノー ル, ポリグルタミン酸, パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na, スーパーオキシドジスムターゼ, ジラウロイルグルタミン酸リシン Na, (アクリレーツ/アクリル酸アルキル (C10- 30))クロスポリマー, 硫酸Mg, マルトデキストリン, フェノキシエタノール, 水添レシチン, ダイズステロール, 香料

ヒメノネムリの成分について


若々しく輝きを放つ潤い

就寝前に利用し、翌朝すぐに肌触りが変化します

肌が弱い方にもおすすめの夜用エイジングケア

などの、魅惑のワードが並んでいるうえに三千円以下ということで、消費者の心理をくすぐるツボがしっかり押さえられています。

Amazon新着ランキング第一位もうなずける…!

その真価やいかに。

成分表示は、水, グリセリン, シクロメチコン, PEG -10ジメチコン, ペンチレングリコール, ジメチコン, (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、BG……と続いています。

定番のグリセリンを除くと、美容訴求成分として最初に出てくるのは、一応「ペンチレングリコール」で、それ以前は基材とシリコーン油です。

一応、と書いたのはペンチレングリコールというのは保湿剤であると同時に抗菌剤でもあるので。

防腐剤フリーの化粧品をつくる際や、防腐剤の含有量や種類を抑えたいときにも配合されるそうです。保湿効果のほどは非常に穏やかなタイプ。安価な化粧品や古典的な化粧品にもBGと同じように必ずといって良いほど使われます。

シリコーンオイルには肌表面を覆い、やわらかい質感をつくりだす、化粧品の成分を均一に混ぜる、分散させる、水をはじくなどさまざまな働きがありますが、肌そのものに良い変化を起こすような働きはもっていません。

シャンプーのあとに使うコンディショナーをイメージしてもらうと分かりやすいですが、塗るとしっとり柔らかな感じになりますが、角質層の水分量を増やしたりとかそういうことはなく、あくまでもそういう感触を作り出すものです。ただ、ネット状に皮膚を覆うので、皮膚を保護するようなはたらきはあります。

皮膚のうるおいを守る仕組みのなかでは、「皮脂膜」に近いかも。

そして、BG以後の成分表記にはそうそうたる面々が名を連ねております。

ウンカリアトメントサエキス

セラミド1

セラミド2

セラミド3

セラミド5

セラミド6Ⅱ

(中略)

ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)

(中略)

テトラヘキシルデカン酸アスコルビル

パルミチン酸レチノー ル

(中略)

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na

セラミドは全種類、そして合成セラミドである ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) そのうえ、非常の安定度の高いすぐれたVC誘導体である テトラヘキシルデカン酸アスコルビル に、抗老化成分として医薬部外品有効成分として認められているパルミチン酸レチノー ル(ビタミンA誘導体)に、同じく抗老化成分である ウンカリアトメントサエキス (通称AC-11)まで見られます。

マジかー!! 肌に必要な保湿成分と、取り入れたいもの(ビタミンC、A)が全部入っているーーーー!!!

そう簡単な話にならないのが、化粧品のおもしろいところです。

たぶん、しっとり柔らかな手ざわりはシリコーンオイルによるもの

恐らく、こちらの製品の大半はBGまでの表記の成分、特にシクロメチコン, PEG -10ジメチコンなどのシリコーンオイルの含有量が高いものと思われます。

なぜなら、各種セラミドはおろか、AC-11にレチノール、油溶性VC誘導体なんかをそれぞれ効能が実感できる程度の濃度を入れた製品など、こんなお値段では絶対に不可能だからです。

10年以上前から累計で5千点くらいの化粧品を見ていますが、ヒト型セラミドを高濃度に含む美容液は未だ製品化されたものを見つけていません。また、レチノールを高濃度配合の化粧品は単価が1万円前後のものが主流です。

先日、amazonで買えるビタミンC誘導体配合化粧水で取り上げた、トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEX 120mlはL-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウムという非常に新しく、珍しいVC誘導体を6%という高濃度で含む化粧水でしたが、そのお値段は4,250円。ヒト型セラミドはどうしたってVC誘導体よりはずっと高価な成分なので、そのあたりからも推察できます。

つまり、これらの魅力的な成分たちは入っちゃいるけど、申し訳ていどというのが実際のところだと思います。

うたい文句にある、「 就寝前に利用 し、翌朝すぐに肌触りが変化します 」という文言からもそう想像できます。シリコンオイルほど、塗ってすぐ手ざわりが良く感じられる成分ってないんです。

だからといって、こちらの製品が悪いとか詐欺だとかという話にならないのも、化粧品のおもしろいところです。

シリコーン油がたくさん入っていると、塗ったあと肌はもちもち、つやつやした感じになります。

それは決して角質層の水分量が改善されて乾燥肌から脱するとか、そういう本質的な話ではないんですけれど、確かに感触はよくなります。そして、化粧品の定義は「人の身体を美化し、魅力を増し人体に対する作用が緩和なもの」なので、それで全然OKです。

まとめ

流川製薬 ヒメネムリはすごい成分が入っているけれど、たぶん実際に入っている量はほんのちょろっとで、多くはシリコーンオイル。

根本的に乾燥肌を手当したいとか、しみやしわをケアしていきたいという目的には向いてないけれど、塗ってもちもち、しっとりした感触が楽しめる、気持ちの良い美容液。お休み前のスキンケアを楽しみたい人に向いた製品だと思われます。

なお、こちらの製品は成分を見た印象だけで好き勝手言っているので、実際のところは全然違う可能性もあります。

なにを信じ、どう判断するかはご自身の美容観に添ってどうぞ。

amazonで買えるビタミンC誘導体配合化粧水 3種

ビタミンC誘導体は数ある美容成分のなかでも大変有効な働きを持つ成分です。成分原価も安いため、製品価格も手ごろなものになりやすく、年齢性別問わずぜひとも毎日のスキンケアで取り入れたい成分です。

特に、先日皮膚科学発想の対にきび スキンケアでも書きましたが、にきびとうまく付き合っていくためには必須の成分です。

必要な成分が分かっていても、難しいのが製品選び。

今日は実際にビタミンC誘導体を含む化粧水3種を、低価格帯・中価格帯・高価格帯からそれぞれ1種類ずつピックアップして、配合されている成分やそのはたらきについて見ていきたいと思います。

シャルーヌ化粧品 薬用美白化粧水 ホワイトスキンローション

シャルーヌ化粧品 薬用美白化粧水 ホワイトスキンローション 120ml
8,800円

※2021年10月amazonでの価格

薬用表記があるとおり、医薬部外品のため成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。

【有効成分】L-アスコルビン酸2-グルコシド 【その他の成分】ローヤルゼリーエキス、酵母エキス(3)、ニンジンエキス、ユキノシタエキス、ボタンエキス、カッコンエキス、カンゾウフラボノイド、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、L-セリン、濃グリセリン、エタノール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、キサンタンガム、クエン酸、水酸化カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、精製水

ビタミンC誘導体の種類は L-アスコルビン酸2-グルコシド 。

酵素によって表皮や真皮でアスコルビン酸に分解されるという、VC誘導体のなかでは古典的なタイプ。

保湿剤は植物性の穏やかなものが中心。キサンタンガム(増粘剤)があるので液剤はとろっとしており、エタノールの含有量がけっこう高めなのでその揮発性によってスッと肌になじむ感じがあると思います。

成分を見るかぎりでは、ひと昔前の構成という感じです。

キサンタンガムやエタノールの件からいっても、スキンケア効果を重視した製品というよりは、スキンケアを楽しむための娯楽的要素が高いのではないかと思います。

価格は、相当数の製品を長年見て、実際に手に取ってきたエステティシャンの感性でいくと「ものすごく高い!」です。

このくらいの価格だと、もっと最新鋭のとんでもない成分が入った製品を使えるので、効果のあるスキンケアを実践するためというよりは、ブランドの思想やスキンケアの時間を楽しむための製品だと思います。

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEX

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEX 120ml
4,250円

※2021年10月現在amazonでの価格

薬用表記があるとおり、医薬部外品のため成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。

<有効成分> L-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム(ビタミンC誘導体)、グリチルリチン酸モノアンモニウム(肌荒れ防止剤)

<その他の成分> 精製水、DL-アラニン(保湿)、異性化糖(保湿)、オウゴンエキス(整肌)、カモミラエキス(1)(整肌)、カンゾウフラボノイド(整肌)、グリシン亜鉛(整肌)、シロキクラゲ多糖体(保湿)、セイヨウナシ枝エキス(整肌)、ダイズエキス(整肌)、タイソウエキス(整肌)、党参抽出物加水分解液(整肌)、トリメチルグリシン(保湿)、ヒアルロン酸ナトリウム(2)(保湿)、ヒナギク花エキス(整肌)、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液(保湿)、ムラサキシキブ果実エキス(整肌)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(保湿)、ユキノシタエキス(整肌)、ローズマリーエキス(整肌)、ローズ水(芳香蒸留水)、濃グリセリン(保湿)、グリセリン(保湿)、ジグリセリン(保湿)、1,2-ヘキサンジオール(保湿)、1,2-ペンタンジオール(保湿)、1,3-ブチレングリコール(保湿)、クエン酸(pH調整)、クエン酸ナトリウム(pH調整)、乳酸ナトリウム液(保湿)、フェノキシエタノール(防腐)

公式サイトより https://www.tvert.jp/fs/tvert/219?ct_P6fd25c0eF87f6bF=11.1.365.40c3Oe1O676M958f.365.69l7u36ra0l9rhu7e1189e1h.39V6hCitea128i61OethO77V.null

VC誘導体の種類は医薬部外品表示成分名でL-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、表示名はリン酸アスコルビルナトリウム。通称APS。

非常に新しいタイプの誘導体で、他のメーカーさんが使っているのを私は見たことがないです。体内で酵素で分解されてビタミンCとして代謝されるタイプだそうで、かなり安定度が高いんだそう。APPSとかVC-IPと比べてどうなんでしょう…誰か教えて……

こちらの製品、2019年時に研究段階では老人性色素斑――いわゆる、頬骨周辺にできる円形の”しみ”を薄くする効果が確認されたようです。濃度が6%で医薬部外品申請に通っているのようなので、一般的なVC誘導体が有効成分になっている医薬部外品のものの濃度は倍です。

VC誘導体の種類が先鋭的で濃度も高いせいか、保湿剤の類はやや控えめ。あまり強力に水を抱え込む性質のものが入っていないので、かなりサッパリした感じになるのではないかと。

ただ、この化粧水を使ったあとに美容液などで補給すればOKだし、科学的で高いスキンケア効果を狙ったすばらしい製品。

ただ、コスパの点でいくとちょっと高い、かな。

120mlボトルというのは、化粧水だと最小クラス。

ふつうに使っても1か月で間違いなくなくなりますし、お顔の大きさによっては一ヵ月持たない人もいます。首やデコルテにまで使うとちょっとびっくりするくらいの減りです。

他の成分も見るに、カテゴリーは完全に美白化粧品ですので、にきびケアのための化粧品として採用するにはちょっとコストがかかりすぎるだろうし、しみを薄くしたいのならやはりハイドロキノンに勝るものはないのではないかと。しみを薄くするのをあえてVC誘導体で狙う必然性もないような。

製品そのものはすごく良いと思うんですけれど、実際の活用では限定的になるような気がします。

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプ

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプ 170ml
870円

※2021年10月現在amazonでの価格

例によって医薬部外品のため成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。

全成分

【有効成分】 3-O-エチルアスコルビン酸(高浸透ビタミンC誘導体)、グリチルリチン酸ジカリウム 【その他の成分】アスコルビン酸(ビタミンC)、グレープフルーツエキス、レモンエキス、アルピニアカツマダイ種子エキス(アルピニアホワイト)、BG、濃グリセリン、DPG、POE・POPデシルテトラデシルエーテル、パラベン、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、キサンタンガム、エデト酸塩、香料

VC誘導体の種類は 3-O-エチルアスコルビン酸。通称ビタミンCエチル。安定性だけでなく即効性にも優れているという水溶性のビタミンC誘導体。古典的なタイプです。日焼けのあとに取り入れたい成分。

ちなみに、その他の成分にアスコルビン酸――純粋ビタミンCが入っています。たぶん、壊れています。ビタミンCはそのくらい不安定らしいので。

清々しいくらいに保湿剤が入っていません。

BG・グリセリン・DPGぐらい。いずれも吸湿性によって保湿するマイルドかつ古典的な保湿剤です。しかも、フルーツエキス後方の表示ってどういうことなんだ……

グレープフルーツエキスやレモンエキスってのは、肌を滑らかにしたり、引き締めるような作用がマイルドにあるのですが、そんなに量を入れられるもんじゃないので、その効果を製品で感じることは恐らくないと思います。ただなんか、入っているといい感じはしますよね。

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプ

”しっとり”

しっとり……だ、と?

しっとりの要素、どこ……?

キサンタンガム(増粘剤)か?

誘導体の種類が 3-O-エチルアスコルビン酸 、有効成分にグリチルリチン酸ジカリウム(抗炎症)があることからも、こちらは日焼け後の肌に使用することを想定した商品かな? と思います。

amazonで買えるビタミンC誘導体配合化粧水 まとめ

シャルーヌ化粧品 薬用美白化粧水 ホワイトスキンローションはスキンケアを楽しむタイプの製品

トゥベール 薬用ホワイトニングローションαEXは科学的で先鋭的な美白化粧品。

メラノCC 薬用しみ対策美白化粧水 しっとりタイプは日焼け後の肌にバシャバシャ使って楽しい化粧水。しっとりはたぶん液剤の質感!

こんな感じに個人的にはまとめたく思います。

いやー、改めて化粧品の懐の深さというか内包する小宇宙を感じました。

同じVC誘導体配合の化粧水というくくりでもこれほどの違いがあります。

価格的にも、成分的にも、コンセプトも。

これだから化粧品は面白いです。

【成分考察とレポ】suisai(スイサイ) ビューティクリア パウダー<角質ケア洗顔料>

先日、秋のはじめにやっておきたいスキンケアという記事の内容のなかで、厚くなった角質をOFFする洗顔料について触れたのですが、実際に市販品を試用してみたのでマニアックエステティシャンの視線でレポと成分考察をしてみたいと思います。

suisaiビューティクリアパウダーの全成分と価格

suisai(スイサイ)ビューティクリアパウダー0.4g×32個
1,880円

※2021年9月amazonでの価格

全成分

タルク、ココイルイセチオン酸Na、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウリン酸K、ミリストイルグルタミン酸Na、カラギーナン、シルク、メチコン、イソステアリルアルコール、BHT、DPG、エチルグルコシド、乳酸、水酸化K、プロテアーゼ、ヒアルロン酸Na、リパーゼ、メチルパラベン

suisai(スイサイ)ビューティクリアパウダーの成分を考察

洗顔料タイプの角質ケア剤なので、皮脂やメイク汚れなどの油性汚れを落とすための洗浄剤(=界面活性剤)と角質を科学的に剥離するピーリング剤……この場合は酵素と酸が1種含まれています。

酵素はタンパク質分解酵素であるプロテアーゼ、脂肪分解酵素であるリパーゼが含まれています。このうち、余分な角質を分解する作用があるのはプロテアーゼ。リパーゼは皮脂を分解します。

酸は乳酸のみ。ピーリング作用のある酸の主役はフルーツ酸とグリコール酸。乳酸はおだやかな角質分解作用を持っています。

さて、それら角質分解作用のある成分はいったい製品中にどのくらい含まれているでしょうか。表示順を見てみます。

酸化防止剤であるBHTより後ろ、アルカリ剤・乳化剤である水酸化Kの前に乳酸、後方にプロテアーゼ。

「あれ、ちょっとしか入ってない……?」

そう思われますよね。しかし、角質ケア効果のある洗顔料の成分表示はだいたいこんなかんじです。

ご紹介用の化粧品として、グリコール酸15%、AHA+乳酸で5%の洗顔料を取り扱っているのですが(コレを書いている人は職歴10年超のフリーのエステティシャンで、リアル・ネットでの化粧品販売をしています)どちらの成分表示もこちらの市販品と同じく、ph調節剤などの製品安定剤の前後に成分名の表示があります。

実はこれが角質ケア効果のある洗顔料選びを難しくさせます。

化粧水や美容液と違って、成分を見るだけでは実際の性能や使用感が想像しにくいのです。

なので、良品を探し出すにはひとつひとつ手に取って実際に泡立て、使ってみるという地道かつ懐の痛む作業が必要になるのです。

ちょっと脱線しましたが―― こちらのsuisai ビューティクリアパウダーの成分を見た印象は……「マイルドそう」です。

界面活性剤も、酸の種類もすごーくマイルドなかんじ。プロテアーゼもあんま入っていなさそう。

ただの洗顔料ではなく、角質ケア効果のある洗顔料なので、それなりのパフォーマンスは欲しいところですが……実際に使ってみました。

使ってみたら やさしさに満ちていた……

界面活性剤の種類が示すとおりの、やわらかでやや粗めの泡。角質分解効果は、よく噛みしめないと実感できないくらいのやさしさでした。

製品に表記はなかったのですが、10数年のあいだに三桁の数の角質ケア洗顔料を試用、業務で日常的に戯れているエステティシャンの肌感覚としては、1%もないんじゃないだろうか、という感触でした。

ちなみに、理想の濃度としては、酸や酵素の種類にもよるんですけれど最低3%くらい、しっかりした保湿効果のある美容液やクリームがお手元に用意してあるのなら5%は欲しいところです。1%ぐらいだと効果を感じずらいですし、逆に10%以上とかだと扱いが難しいので特別な事情がないかぎりおすすめしません。特にグリコール酸がピーリング剤の主となっているものは、効果が強いので一般の方がホームケアで扱うには難しいかもしれません。

それと、suisaiビューティクリアパウダーの場合、泡にコシがないのでパックしづらく、放置時間中にかなり垂れてきてしまうのもちょっとネックかもしれません。

洗顔料で角質ケアをするときには、しっかり泡立てて泡で顔全体をパックするように広げてからしばし放置する必要があります。ある程度の時間、酸や酵素が肌のうえにのっていないと角質を分解することができないのです。

まとめ

suisai(スイサイ)ビューティクリアパウダーは、角質ケア効果、洗浄力ともにおだやかなので、日常の洗顔に使うのがおすすめ。

よく見たら、1パック32個入り=朝か夜だけの使用なら1か月分なので、そういう使用を想定しているのかもしれません。個包タイプだったので、市販品のなかでは強めなのかなと勝手に思ってしまったんですけれども。タルクは吸湿しやすいので、単に湿気って固まってしまうのを防ぐためかも。

洗顔料としては問題ないのですが、角質ケア効果はガチ勢の製品たちに比べるとめちゃくちゃマイルドなので、あまり期待しない方が良いかもしれません。

このぐらいのコストをかけるのなら、フルーツ酸やグリコール酸などのピーリング成分をしっかり含む化粧品が使えてしまうので、真剣に角質ケアを考えている場合は別の製品を考えた方がよいと思います。

***

洗顔料でのマイルドなピーリングは、ぜひ日々のスキンケアにおすすめしたい手法です。

肌のためにいいことはいろいろあって、詳しくお知りになりたい方はこのへんとか、このへんを読んでいただくとありがたいんですけれども。

まあ、3行でまとめると

気持ちいい

効果がすぐに感じられる

その割に安い

ってことです。

お休みの日にうちでひとりでいられない方は、この急激な生活の変化が耐え難いのではないかと思います。

ピーリングソープと保湿効果の高いこってりクリームを用意して、お家でセルフエステなんて楽しんでみるのはいかがでしょうか。肌の調子があがると不思議と気分もあがります。

スキンケアは人からよく見られたいとか、人よりきれいでいたいとか、そういう目的でもいいんですけれど、休日や夜のスキンケアは自分を労わり、慈しむために、朝のスキンケアはスイッチを入れる気分転換のために活用することを引きこもりエステティシャンとしてはご提案したく存じます。

毎日のノルマやわずらわしい作業になってしまってはつまらないし負担ですが、ポイントを押さえるとなかなかに手軽なのに深い癒しのツールになると思います。


毎週金曜更新を目標に2ヵ月くらいやってきたのですが、目標破りが常習化しており、これはつまり、無理ということなのだと思います。

なんとなく、土曜ならいけそうな気がしてきたので来週から――いや、だめだ。来週は2回目のワクチン接種があるのでたぶん、きっと無理なので……いや、まてよ、予約投稿できたらイケるか?

えっと、まあ、その……そんなかんじです(どんなかんじだ)

科学に敬意と一定の信頼があるのでワクチンを接種することに屈託はありません。また、医学にはこれまでも大変お世話になっており、中年なのでこれからさらにお世話になると思います。だから、ある種の臨床試験のような側面があったとしても、微力ながら次世代のために役に立ちたいと思っています。

【成分考察とレポ】マミーボディミルク<ボディミルク>

あんなに暑さに苦しんだ夏が嘘のよう……すっかり秋な札幌です。

湿度は40%台がデフォルトといったところで、顔もからだもパリパリしてきました。そんな折、オムツをドラッグストアで買ったらママさん受け良さそうなボディミルクのサンプルがついていたので、成分考察&レポしてみたいと思います。

マミーボディミルクの全成分と価格

マミー ボディミルクS 無香料 200g
1,320円

※2021年9月amazonでの価格

全成分

水、PG、グリセリン、マカデミア種子油、 トレハロース、 ホホバ種子油、アロエベラ葉汁、ヒアル ロン酸Na、グルコシルセラミド、セタノール、ステア リン酸ポリグリセリル-10、シメチコン、ステアリン酸 グリセリル、カンテン、キサンタンガム、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ポリグリセリル-10、トコフェロール、 セルロースガム、マルトデキストリン、αーグルカン

マミーボディミルクs 無香料の成分について

保湿剤としてグリセリン、トレハロース、ヒアルロン酸Na、グルコシルセラミドが含まれており、エモリエント剤、皮膜形成剤としてジメチコン、製品安定剤(増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、賦形目的)などとして、カンテン、キサンタンガム、ステアリン酸ソルビタン、トコフェロール、 マルトデキストリン など。

マカデミア種子油、ホホバ種子油は基材(化粧品の土台、美容訴求成分を混ぜるもと)とするか、保湿剤とするか微妙なところです。油分は肌の保湿の2,3%ほどしか担っていないのですが、ベビー(3か月以降)の場合、その油分(皮脂)が圧倒的に足りないので大人と比べると化粧品で補充したい要素の優先順位があがってきます。特にからだは顔や頭皮に比べると皮脂量が少ないので、顔用、頭皮用化粧品に比べると重要な要素になってくると思います。

植物油のなかではマカデミア種子油、ホホバ種子油は酸化しにくい良質な基材ではありますけれど、その他の保湿剤も含め全体的には成分的には、すごく保湿力が高いとか、そういうことはないですし、なにかすごく特徴のある組成というかんじでもないかな、と。わりとよくある、スタンダードな部類のボディ用ミルクでそういう点では安定感があります。

形状はうすい白色のミルク。基材のTOPが水だけあって、テクスチャは軽め、のびが良いです。質感調整剤がいろいろ入っているので、気持ちよくお手入れできると思います。油性原料が多くないので、べたつきも少ないです。

食品成分100%…? 食品成分なら肌に安心?

製品のアピールポイントとして「食品成分100%」とあります。サンプルにも堂々と印字されていました。

こちらの製品の組成は成分表示のとおり。ちょっと一般的には食品成分に分類しないものがいろいろ含まれているように思いますが……。ありふれた保湿成分であるグリセリンは動植物の油脂から脂肪酸などを製造する際の副産物ですから、まあ、食品由来といえないこともないけれど……ヒアルロン酸Naも、もともとはにわとりのトサカなどから取り出していたそうですから、まあ、うん……食品……食品、といえなくもないけど、今は合成ヒアルロン酸が主なのでちょっと苦しいように思いますし。

一般的にごくふつうにイメージできる食品成分とは離れているとは思います。

そもそも、肌にぬる化粧品において食品成分なら安心、安全ということはありません。食道、胃、小腸、大腸などの消化器官を通って分解代謝されるものと、肌にぬって代謝されるものではルートもプロセスも違います。むしろ、食品成分の油脂などは鉱物油に比べ酸化しやすく、酸化した油は肌に非常に刺激になります。

過去、化粧品で事故のあったエラグ酸やコウジ酸も、ヒアルロン酸を含めてしまうような大きなくくりでは食品成分といえないこともないけれど、深刻なトラブルを起こした成分でもあります。(今のは配合上限などが決まっているので大丈夫です!)

しょうゆだって、一口なめるくらいでは問題ないけれど、荒れた唇にふれれば十分、口唇炎の原因にもなりますしね。

一般の方が口にいれても大丈夫なもの=安心・安全というイメージを持ちやすいのは十分に理解できますが、それを逆手にとったような売り込みや触れ込みは、ちょっと不誠実な姿勢ではないかなぁ……と、個人的にはあまり良い感情を持てません。

ましてや、ベビちゃんに使う化粧品選びは、ママさんたちは安全かどうかとっても神経を使うと思うのです。私も遅まきながら母になりましたので、その心情は十分すぎるほどに想像できます。

同じ問題で「無添加」表記もそうですね。何が添加されていないから安心、ということもないのですが、無添加がまるで水戸黄門様の印籠みたいになっていることがあり、モヤモヤしてしまいます。

まとめ

マミーボディミルクsは一般的なボディミルク。特別に肌にやさしいとか、特別に保湿力に優れているとかそういうことは成分的にはないと思います。逆にリスクが高い成分も含まれていません。

伸びがよく、べたつきの少ないクリームなので気持ちよくお手入れできるのではないでしょうか。

自分の子どもに使うかどうかという観点で考えたとき、使ってもいいけど、こちらの製品じゃなければいけない理由はないかな、と思います。

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ふだんオムツはネットでまとめ買い派です。

どんどん大きくなっていく子どもだったので、サイズアップの時期が読めず、Lサイズに到達、安定するまでは様子を見ながら小まめに買っていました。1才をすぎて体重増加もゆるやかになり、しばらくLでいけるな……と思っていた矢先、朝起きたときに漏れていることが――。

さすがにビッグサイズには遠く体重が足りないし、お腹ぽっこりくんとはいえ、腹囲も大きすぎるだろうと思いつつも、ものは試しということでビッグサイズを買ってみたらこちらのクリームのサンプルがついていたのでした。

たまに店頭で買ってみるのも楽しいですね。

オムツ問題は結論としては、夜の就寝中はビッグにして正解でした。漏れがなくなったし、サイズが大きすぎて漏れるということもありませんでした。

脚まわりがっちり、お腹ぽっこり、めしゃめしゃ飲む・食べるので食後はより一層おなかぼってり、そのうえ肌荒れしやすくオムツ選びは試行錯誤してきましたが、同サイズでも他のメーカーさんよりも大きめのメリーズを主に、スポットでムーニーに落ち着きました。

体格や肌の特性なんかはすごく個人差があるので、受け皿として複数のメーカーさんが、いろんなオムツを作ってくれているのはありがたいです。そしてこれは化粧品にも言えることだなぁと。

肌質はもちろん、スキンケアに求めるもの、目的もそれぞれ違うので、多様なニーズに応えられるようたくさんの製品が世にあることは幸せなことだと思いました。全部が全部科学的で、肌に良い作用をもっていなくたっていいんです。

別に肌にイイコトはそんなにないけど、パッケージがかわいいとか、香りがいいとか、テクスチャーがいいかんじとか、そういうのもいい。

くずれ・テカリを防ぐ夏のスキンケアとベース

いやあ……アッチーですね!!!

最近冒頭にこれしか書いていない気がしますが、もう、ほんと暑いとしか言いようがないです。ただでさえ冬は雪に埋もれるというのに、夏もこんなに暑かったら北海道に住んでいるメリットとはいったいなんなのだろうか、とさえ思います。

ハンカチにマイボトルはもちろんのこと、日傘に扇子、汗ふきシート、衣類用冷却スプレー……などなど、これだけ暑いと通勤や通学に際し持参&用意しておきたいアイテムも変わってきますね。(昭和の人間なのでハンディ扇風機とかは思いつかないです)

そして、それだけいろいろ用意、対策しても通勤・通学時の汗や皮脂によるメイク崩れが悩ましいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今日は夏の化粧下地について考えたいと思います。

夏の化粧崩れの原因は皮脂と汗

夏のメイク崩れの原因は、ご存じのとおり汗と皮脂です。

暑くなることで体温があがるとそれを調整しようとして汗をかきますし、皮脂は温められてさらさらとしてどんどん分泌されます。水と油のダブル攻撃でメイクは脅かされるというわけです。どんどん出てくる汗や皮脂をハンカチ等でおさえ、汗が落ち着いた時に化粧直しを都度できれば良いのですが、なかなか現実は難しいもの。崩れにくい素地をつくるにはどうしたらいいのでしょうか。

油分少なめのスキンケアで、朝のメイクは粉っぽく仕上げる

10代から30代半ばくらいまでの女性は、まだまだ皮脂量が多い年代。自前の皮脂(油分)が十分なうえにスキンケア化粧品やベースメイクで油分を与えすぎると当然メイクが崩れやすくなります。

お肌の乾燥が気になる人も、油分でフタをしても乾燥は改善されないので、セラミドⅡやセレブロシドなどの角質細胞間脂質や類似物質、ヒアルロン酸やコラーゲン、リピジュアなどの水を抱え込む性質のある成分を組み合わせて取り入れ、肌の水分量を守る考え方のスキンケアに変えます。

参考

肌の一番うえの部分、角質層の水分のうち、約80%ほどが角質細胞間脂質に、残り20%弱がNMF(天然保湿因子)によって守られており、皮脂によって守られているのはたった2,3%ほどです。

当ブログ内過去記事

そのうえに塗るファンデーションは、パウダーがベスト。

余計な油分が含まれておらず、酸化亜鉛や酸化鉄、シリカなどの顔料が皮脂を吸着してメイク崩れを防ぎます。乳化剤や防腐剤もリキッドに比べるとすごく少ないので肌負担も小さいですし、パウダーファンデーションはたとえSPF表記がなくてもそのものに必ず紫外線防止効果があります。

パウダーだとうまく乗らないという人は、土台(肌そのもの)のコンディションが良くないので、先にご紹介した肌の水分量を守る考え方のスキンケアを最低2週間程度行ってから変えると、今までよりずっときれいに乗ると思います。

化粧崩れを防ぐ下地を活用する

撥水剤を含む化粧下地は、撥水剤が皮脂と汗をはじくため化粧崩れが起きにくくなります。また、顔料を多めに含む下地は顔料が皮脂を吸着するため、皮脂くずれをおきにくくします。

試しに製品を見てみましょう。

プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止化粧下地 超オイリー肌用25ml 3,080円(2021年7月現在amazonでの価格)

全成分

水、シクロペンタシロキサン、トリシロキサン、ジメチコン、パーフルオロヘキシルエトキシジメチコン、エタノール、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸、カミツレ花エキス、アスナロ枝エキス、ポリシリコーン-9、PEG-12ジメチコン、硫酸Mg、BG、(メタクリル酸ラウリル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、(スチレン/メタクリル酸ステアリル)クロスポリマー、合成フルオロフロゴパイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、メチコン

シクロペンタシロキサン、トリシロキサン、ジメチコン、パーフルオロヘキシルエトキシジメチコン ……と、ずらずらずらと撥水剤であるシリコーンオイルが名を連ねています。まさに撥水剤によって皮脂、汗でメイクがよれるのを防ぐ発想です。ほとんどの成分がシリコーンオイルです。

「塗った直後からサラサラ」なる文言の表記がありますが、おそらくエタノールのことかな? と。

エタノールの含有量が多いと、その揮発性によってスッとした感じがします。スッとした感じはあくまでも感触で肌に良いも悪いもないです。乾燥肌の人だと乾燥が進みますが、こちらは皮脂が多い人を想定しているので、問題ないのではないかと。紫外線防止効果がないので、別に日焼け止めを塗る必要があると思いますが、この下にどんな日焼け止めを塗ったらいいかというと、ちょっと難しいです。

なぜなら……

これなら、ノンケミカルタイプのウォータープルーフの日焼け止めだけを下地として活用した方が一石二鳥だからです。

ノンケミカル・ウォータープルーフの日焼け止めは化粧崩れ防止にも役立つ

ウォータープルーフの日焼け止めに使われる撥水剤は、皮脂くずれを防ぐ目的に使われるものと同じ性質の成分です。さらに、紫外線防止剤として酸化亜鉛や酸化鉄などの顔料を含む(特に高SPF値のものは多量に)ので、皮脂を吸着もします。

そのため、実はノンケミカルタイプで撥水剤を多く含む日焼け止めは、ケミカルタイプの日焼け止めに比べて肌負担が少ないだけでなく、化粧崩れ防止にも大変有効です。そのうえ紫外線防止効果も持っているので、夏場の化粧下地にはこれ以上の適任はありません。

まとめ

真夏の化粧下地には、紫外線防止効果と化粧崩れ防止効果をあわせもつ、ノンケミカル・ウォータープルーフタイプの日焼け止めを使い、普段のスキンケアでは角質細胞間脂質、ヒアルロン酸、リピジュアなどのしくみの違う保湿成分を取り入れ、油分に頼らないスキンケアで土台を整えます。そのうえで、朝のメイクではパウダーファンデーションを使って仕上げることで、日中の化粧崩れを抑えることができます。

ただし、洗顔や手抜きのクレンジングではこういう密着度の高い日焼け止めは落ち切らないので、油水混合ジェルタイプか、クリームタイプのクレンジング剤をたっぷりつかって、顔全体で40秒ほどくるくると馴染ませてしっかり下地を浮かせ、水で流します。

その後、洗顔もお忘れなく…!

***

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【成分考察】ケシミンクリームf <クリーム>

この季節、日焼け止めとともに注目度が上がるのが美白化粧品です。そして、美白化粧品といえば、ケシミンシリーズ!そのネーミングからインパクト大、印象に残りやすいのか、毎年のようにお問合せいただく商品です。今時期はよくCMもよく流れているようですしね。見ていきたいと思います。

ケシミンクリームfの成分と価格

ケシミンクリームf シミ対策成分 浸透ビタミンC配合 30g×2個 【医薬部外品】
1個あたり1,250円
(2個販売 2,501円)
※2021年7月amazonでの価格

全成分

<有効成分>L-アスコルビン酸 2-グルコシド、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール酢酸エステル<その他の成分>サラシミツロウ、ステアリン酸、流動パラフィン、硬化油、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、親油型モノステアリン酸グリセリル、べヘニルアルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、吸着精製ラノリン、メチルポリシロキサン、パラオキシ安息香酸プロピル、濃グリセリン、1,3-ブチレングリコール、パラオキシ安息香酸メチル、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、キサンタンガム、クエン酸、水酸化カリウム、油溶性甘草エキス(2)、ホオノキ抽出液、プルーン酵素分解物、フェノキシエタノール、グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル、サクラ葉抽出液、精製水 (公式サイトより引用)

ケシミンクリームfの成分について

医薬部外品なので、有効成分とその他の成分で分かれています。有効成分とは、ある成分をある規定濃度含めると、ある特定の効果を表記できるものです。

参考:化粧品より医薬部外品の方が良いのか?

有効成分はL-アスコルビン酸 2-グルコシド、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール酢酸エステル。

L-アスコルビン酸 2-グルコシドがビタミンC誘導体、美白成分です。水溶性のVC誘導体で表皮か真皮で酵素によってじょじょに分解されます。2021年現在では少し古いタイプのVC誘導体です。

グリチルレチン酸ステアリルは抗炎症作用、トコフェロール酢酸エステルは血行促進による新陳代謝の促進です。

その他の成分にはクリームの基材(もと、土台の意)である油性原料が目立ち、美容訴求成分はあまり入っていないのですが、それらしいのは濃グリセリンや1,3-ブチレングリコール。古典的かつ安価な保湿剤で、それこそ100均の化粧品なんかにも入っています。

後半の方に油溶性甘草エキス(2)、ホオノキ抽出液、プルーン酵素分解物など植物エキスが少し見られますが、防腐剤であるフェノキシエタノールの手前で、クエン酸や水酸化カリウム(いずれもph調節剤)などの添加物のあと、もしくは並列なので微量。美容効果で存在感を示すものではないと思います。


結局ケシミンはしみを消すのか?

消しません。

まず、これを声を大にしてお伝えしたいです。

美白成分であるVC誘導体は、美白作用の他、過酸化脂質抑制、コラーゲンの産生促進など大変すばらしい美容効果を持つ成分でエステサロンはおろか、美容皮膚科でも重用……というか、当たり前のように使われる成分です。ですが、あくまでも医薬部外品の効能表記として認められているのは、「しみ・そばかすを予防する」です。

パッケージやCMを見るに、メーカーさんもそのあたりとても気をつけて扱っていらっしゃるのがよく分かるのですが、だったら、ケシミン=消しみ なんて、紛らわしいネーミングつけるなよぉ~と純真なわたくしは思ってしまいます。まあ、そのネーミングだもんで、こんなに注目されているし、長いこと美白化粧品として君臨しつづけているのでしょうけれどね。

しみを消したいときはどうしたらいいの?

皮膚科や美容皮膚科でレーザー治療しましょう。

現状、消すのはそれしかないです。

もっとマイルドにケアしたいとか、消えるまでいかなくても、ちょっと薄くなれば……ぐらいに考えている方はハイドロキノン配合の美白化粧品を使うか、ビタミンCを週2,3回程度イオン導入するかポレーションしましょう。

しみがあるのは肌の基底層という部分で、化粧品をふつうに塗るだけでは成分が浸透しないエリアです。

VCはそれ自体はメラニンの除去作用を持っているので、電気(機械)の力を借りることで、表皮以下に成分が届きます。また、ハイドロキノンは大変強いメラニン還元作用を持っている美白成分で、塗るだけでも浅いところにあるしみは薄くなります。大事なことなので2度いいます。ハイドロキノンだけは、本当に化粧品を塗るだけでシミが薄くなることがあります。ただし、副作用として肌を炎症させるので扱いが難しく、そのせいか市販化粧品ではあまり採用されている製品を見ません。

結論

VC誘導体の1種であるL-アスコルビン酸 2-グルコシドを規定濃度(確か3%)含むケシミンクリームは、メーカーさんもおっしゃっているとおり、しみ・そばかすの予防のために使うクリームです。

保湿成分はちょっと働きがよわく、それでいて油性原料が多いので皮脂分泌が多い若い人は使いにくいかもしれません。中高年の方に向いたクリームだと思います。

***

出来たしみ・そばかすを消すのは大変だけど、予防はできます。

日焼け止め選びに迷っている方はこちらをどうぞ。

WEB上で読みたい方はこちら


毎週金曜更新を目標に始動したのですが、早くも先週脱落しました。仕事が……仕事が、終わらない、、

でも、めげずに金曜更新目標でいきます。

ドゥラメール(DE LA MER) ザ モイスチャライジング ソフト クリーム<クリーム>

高級クリームといえば、こちらを取り上げないわけにはいきません。

ひと昔前、お手頃価格の某超定番クリームが、こちらと成分が似ており、そのことから某定番クリームは実はスゴイ美容効果なのでは?! と話題になりました。

一時期よりも熱は冷めたような感じはしますが、ニベア神話が未だネットを中心に信仰されているのは感じます。2021年の今、実際のところどうなのか、いろんな側面から考えてみたいと思います。

ちなみに、大昔に本家ブログの方でニベア(おっと……!)の側から取り上げたことがありました。

当時の記事はこちら
「ニベア青缶=高級クリームに酷似」の真相(2015年1月)

きちんと成分表記等はしていなかったようなので、改めて詳細に見ていきます。

ドゥラメール(DE LA MER) ザ モイスチャライジング ソフト クリーム

ドゥラメール(DE LA MER) ザ モイスチャライジング ソフト クリーム 60ml
価格:¥31,400
※2021年6月現在 amazonでの価格

全成分(公式サイトより引用)

水・シクロペンタシロキサン・アルゲエキス・ワセリン・ジステアリン酸グリセリル・フェニルトリメチコン・BG・水添野菜油・コレステロール・シア脂・ステアレス-10・ポリシリコーン-11・ステアリン酸グリセリル(SE)・ジメチコン・コハク酸ジオクチル・ステアロイルオキシステアリン酸イソセチル・グリセリン・セタノール・スクロース・ポリアクリルアミド・グルコース・(C13,14)イソパラフィン・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル・酢酸トコフェロール・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル・カフェイン・PCA-Na・尿素・ジパルミトイルヒドロキシプロリン・ジステアリルジモニウムクロリド・ヒアルロン酸Na・ラミナリアディギタータエキス・ラウレス-7・ライム果汁・BHT・エタノール・レシチン・EDTA-2Na・ポリクオタニウム-51・トレハロース・クリスマムマリチマムエキス・加水分解アルギン・ミクロコッカス溶解液・アッケシソウエキス・アセチルヘキサペプチド-8・プランクトンエキス・海塩・クロレラエキス・グルコースオキシダーゼ・ラクトペルオキシダーゼ・ペンチレングリコール・クレアチン・アデノシンリン酸・アセチルカルニチンHCl・シアノコバラミン・ヒドロキシプロピルシクロデキストリン・ダイズ種子エキス・ムコ多糖・フェノキシエタノール・ソルビン酸K・香料

https://www.delamer.jp/product/5834/22929/moisturizers/the-moisturizing-soft-cream/face-cream-for-dry-skin#/sku/44193

次に例の超定番クリームの成分を見ていきましょう。

ニベアクリーム 大缶 169g
価格:¥436
※2021年6月現在 amazonでの価格

全成分(製品裏面より)
水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸、安息香酸Na、香料

あれ?

あんまり似てないな。というか、全然違いますね。

2015年時に自分が書いた関連するものには成分表記がないのですが、「確かにかなり似ている」「ニベアの青缶に入っていて高級クリームに入っていないのはほんの何種類かの成分」とまで書いているので、当時は相当似ていたのかもしれません。化粧品のマイナーチェンジってけっこう短期間で繰り返されるので、5年以上経っていれば2回くらい変わっていてもおかしくないかも……。

ドゥラメールの表示3番目にアルゲエキスがあるのが印象的ですね。

アルゲエキスとは海藻エキスのことで、含まれるミネラルが保湿作用があると言われています。

タラソ発想が得意なフランスのスパ化粧品によく見られる成分です。有名どころだと、THALGO(タルゴ)とか。

関連記事:さらに別館完全に個人的なお楽しみだけに存在しているブログの過去記事です
THALGO(タルゴ)の入浴剤について

ドゥラメールが含む他の美容訴求成分もタラソやフィト発想の自然派成分が目立つのですが、かなり後半に強い作用の保湿剤であるポリクオタニウム-51や新しい抗老化剤アセチルヘキサペプチド-8などが見られます。このあたりの成分が市販品でもよく見られるようになったのはけっこう最近なので、やはりこれはリニューアルかかってますね。

全体的にはこれまでのブランドイメージそのままのナチュラルな思想に基づいていますが、一部このような科学的で高機能な成分を含んでいるようです。これは、ニベアのような数百円の製品には不可能なこと。

もはや、ニベアとこちらのクリームは別物ですが、だからといってドゥラメール ザ モイスチャライジング ソフト クリームがスキンケア効果の高いクリームということでもないと思います。

こちらはやはり、スキンケアやその時間を楽しむタイプの製品で、本当に肌を良くしたいとか、しみとかしわをどうこうしたいというニーズに対応するタイプの製品ではありませんし、それでいいのですよね。

皆が皆、化粧品に何らかの効果を切実に願っているわけではないし、そもそも化粧品の定義は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」(薬事法より)です。

ただ大事なのは、消費者が自分のニーズ(目的)を自分でちゃんとわかっていて、それを叶える製品を選ぶための情報がきちんとメーカーなりが誠実に出しているかどうかだと思います。これが、化粧品選びの難しいところなのですよね。

ちょっと脱線しつつあるので、話戻しますけれど。

同じ高級クリームカテゴリー(値段は3倍近く違うけど!)でも、前回取り上げたカネボウ ザ クリームとはずいぶん発想が違い、性能(効果)も違うクリームです。そして、ひと昔前に話題となったニベアとはすでに全く違うクリームでもあります。

なのに、なぜ未だニベア神話がそこここに息づいているのでしょうか?

成分マニアのエステティシャンとしては、そこにピンとくるものがあります。

次回、そのあたりを書いてみたいと思います。

***

美容ブログ(このブログ)の定期更新を再開するにあたって、あれこれいじったり、過去取り上げた化粧品の確認などもしてみたんですが、またなんかひと時代変わった気がします。

ニベアといえば、低価格のノンケミカルの日焼け止めが割りと良かったのですが、現在の商品ラインナップを見ると、その商品は廃番寸前か……? という風情で、わびしさを感じました。

当たり前っちゃ当たり前なんですけれど、化粧品は一般の方にはほとんど使用感で選ばれるので、科学的視点ではほんとうに肌に良かったり、すばらしいコストパフォーマンスの製品もどんどん無くなっていったりしてしまうんですよね。

日焼け止めはそれが露骨なカテゴリーで、肌のためには絶対ノンケミカルがお勧めなんですけれど、利便性やテクスチャー(質感の意味)の面でケミカルタイプに劣ることが多いうえ、価格も劣勢なのでどんどん無くなっていってしまいます。

一方で、10年超のエステティシャンの臨床経験からすると、日焼け止めの肌負担によるトラブルはほんとうに多くて、ですね。

何ともない人はそれ(ケミカルタイプ)でいいんですけれど、毎年夏から秋に肌荒れとか肌不調で悩んだり憂鬱になってしまう人には、「日焼け止めはノンケミカルにして!!!!」と、声を大にしてお伝えしたいのです。

あとね、それ以外の美容液でもクリームでも、スキンケアを楽しんでいる方には何を使ってもらってもいいんですけれど、肌に悩みがあって化粧品ジプシーを通り越して難民になっている方には、「俺のところに来いよ!」と両手を広げてお伝えしたいです。

ほんと、そんな高いお金出さなくっても良くなることって、いっぱいあるんすよ。

誠実に良い商品つくっている素晴らしいメーカーさんって、中小企業でいっぱいあるんすよーーーー(魂の叫び)

定価12万のクリームの成分を見てみた

ふだん、スキンケアの仕上げにクリームを使っていますか?

長らく軽めのテクスチャーのスキンケア化粧品が好まれていますから、お使いでない方も多いかもしれません。

ただ、美容効果の観点からいうと、クリームは最重要アイテムです。

どうしてかというと、美容成分は油溶性といって油分に溶ける性質のものの方が多いのです。また、化粧水の9割以上がただの水(正確には基材である精製水)であるのに対し、クリームは美容液とともに美容訴求成分の濃度が高くなりやすい傾向もあります。

化粧水や乳液に比べて美容液やクリームの値段が高めのものが多いのは、そういう側面もあるからかも。

クリームは、スキンケアに効果を求めるのなら欠かせないアイテムなのです。

そんなスキンケアの重要アイテム、クリームですが、市販のお値段の高いクリームって結局肌にいいものなのでしょうか?

いったい、どんな成分が入っているのでしょう?

そんなことが気になって、早速だいすきなamazonさんで検索をかけてみました。

乳液・クリーム→3万円以上→値段の高い順でソート!!!!

うほっ!(興奮) きたきた。

KANEBO(カネボウ) カネボウ ザ クリーム(医薬部外品) クリーム 40ml
価格: ¥132,000

贅沢なテクスチャー。濃厚な使い心地。満たされるような香り。 手にした瞬間から、見る人を圧倒する自信に満ちた美しき存在へ。 その人の佇まいまで美しく。 それは祈るように纏い、一つ上の高みに美しく引き上げる。 上質なうるおいと艶を湛えた透明感と、ハリのある肌に整えるエイジングケア*クリーム。

https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/products/2032435

すごい紹介文だ……!!

早速、成分見ていきましょう。

全成分(公式サイトより引用)

塩化レボカルニチン*、ニコチン酸dl-α-トコフェロール*、グリチルリチン酸ジカリウム*、水、シュガースクワラン、マルチトール液、ジグリセリン、ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、セテアリルアルコール、ワセリン、濃グリセリン、DPG、オリブ油、親油型ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリン酸PEG、ステアロイルグルタミン酸Na、ホホバ油、マカデミアナッツ油、イソステアリン酸、ジメチコン、フェノキシエタノール、ミツロウ、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、N-メチル-L-セリン、キサンタンガム、チョウジ抽出液、水酸化K、クロルフェネシン、BG、エタノール、オランダカラシエキス、セイヨウナシ果汁発酵液、ゼニアオイエキス、ヒメフウロエキス、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、エデト酸塩、水添大豆リン脂質、ゲットウ葉エキス、エチルグルコシド、香料 *は「有効成分」無表示は「その他の成分」

https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/products/2032435

フェノキシエタノールが防腐剤で配合上限1%なので、美容訴求成分として意味がありそうなのはその前後の表示まででしょうかね。

有効成分である塩化レボカルニチンは肌荒れの予防と改善効果、ニコチン酸dl-α-トコフェロールはビタミンE誘導体で、血行促進して新陳代謝を促すはたらき、グリチルリチン酸ジカリウムはご存じ、抗炎症作用による肌あれ防止。

グリチルリチン酸ジカリウムとニコチン酸dl-α-トコフェロールはポピュラーな有効成分ですけれど、塩化レボカルニチンは見ないですね。

……調べたところ、カネボウさんが開発した成分とのこと。肌に塗ると、角質細胞間脂質が増加するようで、それにより肌荒れを予防・改善するとのこと。

角質細胞間脂質(代表格はセラミドⅡ)は非常に重要な保湿成分ですが、そもそも大変高価な成分です。それを増やす成分が入っているなんて、いいですね~! 高級クリームっぽいです。

水、シュガースクワラン、セテアリルアルコール、ワセリン、オリブ油、親油型ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ステアリン酸PEG、ホホバ油、マカデミアナッツ油、イソステアリン酸……このあたりはすべて基材(クリームの土台)ですね。たくさん入っていて、テクスチャーがかなり精密に調整されている感じ。感触や肌あたりがかなり良さそうです。

その他の成分で、美容訴求成分のトップバッターはマルチトール、糖アルコールで保湿剤ですね。穏やかな作用。

あとは、ジグリセリン、ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、濃グリセリン、DPG……この辺は保湿成分ですね。あまり重要な成分ではなく、穏やかな、というか割りと古典的なタイプですね。

……ん、んんん?

フェノキシエタノールより前の表示だとこれで全てですな。

一応以降も見てみると、お! という成分はヒメフウロエキスくらいでしょうか

紫外線によるしわやしみを予防・改善する作用があります。

う~ん。

たぶん、この製品の最大の特徴はやはり塩化レボカルニチンですね。

ざっとデータベースとかも見てみたのですが、他に使われている製品が見当たらないです。特許取っているのかしら?? でも塩化レボカルニチンはまんま成分名なんですよね~。もしかすると、カネボウさん以外使えないのかなぁ。

ううん、手持ちの資料と情報じゃ分からんです。あまりここを突き詰めると本題からずれていくのでここらにしておきます。

このクリームは分類でいくと、保湿クリームでしょうね。美白成分や抗老化成分は防腐剤以降の植物エキスだけで、主となっていはいません。

保湿成分としても、すぐに効果(ほんとは効果って言っちゃいけないけど、慣用句的表現の”効果”)が感じられるような成分が入っていないので、どれだけ塩化レボカルニチンがすごいかでしょうね。

いずれにせよ、ある程度の期間……少なくとも、ターンオーバーが1回か2回、年齢にもよりますが2~3ヵ月くらいは使わないと、その変化は感じられないのではないかと思います。角質細胞間脂質が増えるといっても、ターンオーバーとともに、ゆっくり、という感じでしょうから。

40mlという容量もちょっと珍しい。クリームの容量で一般的なのは30gなので、たぶん、のびのよい軽めのテクスチャーなのだと思います。

朝晩しっかり使って1ヵ月分くらいかな。

……となると、132,000×2か3……

ひょえ~! 試用するには勇気のいる金額ですね!!!

『贅沢なテクスチャー。濃厚な使い心地。(中略)上質なうるおいと艶を湛えた透明感と、ハリのある肌に整える』

もしかすると、全く誇張のない宣伝文句かもしれません。

良いか悪いかで言うと、難しいですけれど、成分マニアンなエステティシャンも興味津々、手に取ってみたい製品です。

やっぱり高価格帯は面白い製品がありますねぇ。

***

暑くなってくると特にベタツキが嫌で、普段はスキンケアラインにクリームが入っているのに省いてしまったり、お休みしてしまったり、使う量が減ってしまうこともあると思います。

しかし、クリームはスキンケアにある程度の効果を求めるならば、美容訴求成分の濃度が高くなりやすく、油溶性の成分を含むため、欠かせない最重要アイテムです。

冬=乾燥のイメージはあると思いますが、実は夏場も冷房の影響だったり、汗のために乾燥に注意しなければなりません。特にコロナ禍ではマスクを外すことができないため、覆われている部分はいつも以上に乾燥しやすい状態になっています。(水は蒸発するときに周囲の水分を奪います)

涼しくなってきた秋に肌不調を感じることが多いのは、夏場の”隠れ乾燥”も一因だと言われています。

体温が上がるため冬場よりも皮脂分泌が盛んなため、一見乾燥などしていないように見える(感じる)のですよね。

お肌を健やかに美しく保ちたいと願うのなら、スキンケアにクリームを使っていない人はクリームを取り入れて欲しいと思います。また、何を使うかの以前に、十分な量を季節問わず使うことがまずは大切です。


無料オンラインレクチャー付(ご希望の方のみ)お家でエステキット販売再開いたしました。

成分マニアのエステティシャンが満を持してお送りする お家でエステキット

普段のスキンケアに1か月半から2ヵ月程度はお使いいただける、クレンジング、洗顔(角質ケア効果含)、美容液をセットにし、さらにお家でエステレベルのケアを楽しんでいただけるマスク、クリームをセットにした自信の1品です。

コスト、性能、多くの肌質に対応できるかどうかなどを追求した結果、4メーカー7レーベルの化粧品を採用し、組み合わせました。

気兼ねなくエステに行くことが難しい状況が続いていますので、本格派ケアをお家でご体感いただければと思います。

<日焼け止め>ANESSA(アネッサ) モイスチャーUV マイルドミルク a


ちょっと季節的には遅いですけれど、まだまだ紫外線自体は強いので有名どころの日焼け止めを取り上げて、もう少しUV化粧品について掘り下げたいと思います。


ANESSA(アネッサ) モイスチャーUV マイルドミルク a 60ml 2728円(2020年8月amazonでの価格)

全成分:
水,セバシン酸ジイソプロピル,シクロペンタシロキサン,BG,グリセリン,トリエチルヘキサノイン,カプリリルメチコン,酸化亜鉛,DPG,酸化チタン,テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル,シリカ,PEG-100水添ヒマシ油,ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン,イソステアリン酸,エチルヘキシルトリアゾン,(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン,ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,グリチルリチン酸2K,アセチルヒアルロン酸Na,含水シリカ,ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3,(アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEG)コポリマー,水酸化Al,ジメチコン,ハイドロゲンジメチコン,サクシノグリカン,(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー,クエン酸,ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース,ステアリン酸,パルミチン酸デキストリン,クエン酸Na,トコフェロール,フェノキシエタノール

ざっくり結論: 「敏感肌、赤ちゃんや子どもにも使える」の定義をあらためて考えたくなる製品

日焼け止めの代名詞のような製品で、ひと昔前は「日焼け止めは何を使っていますか?」とおうかがいすると、必ず名前が出てきた製品です。

成分見ていきましょう……の前に。

日焼け止めは、基材+撥水剤+紫外線防止剤+美容訴求成分+製品安定剤などが含まれるため全成分表示にボリュームがあるため分かりにくいように見えますが、化粧水や美容液、クリームなんかに比べるとあまりバリエーションがないので逆に分かりやすかったりします。

日焼け止めで大きな違いが出るところは、紫外線防止剤……つまり、どういう風に紫外線をカットするか、という部分です。

使われている紫外線防止剤が散乱剤のみのタイプをノンケミカルタイプといい、そのように表記されています。これは世の中に星の数ほどある日焼け止めのごく一部の製品で、それ以外の製品では紫外線防止剤に吸収剤が使われています。

それでは、アネッサ モイスチャーUV マイルドミルク aの紫外線防止剤を見てみましょう。

紫外線散乱剤の酸化亜鉛、酸化チタン と 紫外線吸収剤のビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルが見られます。

散乱剤と吸収剤が両方入っているため、ノンケミカルタイプではないです。ちなみに、肌への負担、リスクは紫外線吸収剤が入っている方が高くなります。



<参考>
美しい肌を守る日焼け止めの選び方① ~成分に着目する~

『赤ちゃん*や子どもにも使える低刺激設計』(公式サイトより)ということで、紫外線散乱剤の方が含有量が多く、低刺激「設計」であることは間違いないと思いますが、紫外線吸収剤自体が化粧品原料のなかではなかなか刺激が強いものですし、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンのような粘膜に使用する化粧品には配合が禁止されている成分が入っているところを見ると、低刺激の定義とはいったいなんなのか改めて考えてみたくなります。

日焼け止めに限らず、化粧品には「ベビー用」「低刺激」などと表記のあるものがありますが、明確に……たとえば、法律で定められているような決まりはありません。あくまでも「当社比」というのが現状で、なかには成分を見るかぎりではまったく低刺激と思えないようなもの、私なら子どもさんに使うのにはおすすめしないな、と思うような成分のものもあります。

こちらの日焼け止めも、低刺激設計であることは間違いないですが、私なら赤ちゃんや子どもさんには使わないし、おすすめもしないと思います。60ml 2,728円(メーカー価は3,300円)ですと、もっと肌へのリスクが低いノンケミカルタイプも使えるぐらいのコストですしね。

ついでに気になるのは『石けんでするりと落ちる』(公式サイトより)でしょうか。撥水剤が入っているようなんですけれどね。いや、撥水剤が入っていないと日焼け止めは日焼け止めの役割を果たせません。汗で落ちてしまうわけですから……。

こんな風に書いていると、紫外線吸収剤が入っている日焼け止めすべてが悪のようですが、そんなことはありません。肌へのリスク、負担、刺激という点ではやはり散乱剤に分があるんですけれど、質感、仕上がりという観点では吸収剤の方が優れています。

日焼け止めを塗って白くなるのが嫌だから、透明タイプがいい。そんな方はいらっしゃいませんか?

透明の日焼け止めはすべて紫外線吸収剤タイプです。散乱剤は酸化亜鉛や酸化チタンのような顔料……つまり、粉なので白色から肌色のクリームタイプにしかならず、必ず多少の色がつきます。吸収剤はローションやスプレーにもできますから塗ったときの感触を軽くできるのも特徴です。(ただし、散乱剤よりもしっかり量を肌のうえに乗せないと日焼け防止効果が得られないことはあります)

長くなっているのでそろそろまとめましょうか。

やっぱり、アネッサはアネッサというブランドらしく、がっつりの紫外線吸収剤が入ったレジャー向け日焼け止めでいて欲しいです。昨今人気のある低刺激タイプの日焼け止めは、他のレーベルかブランドにお任せして、中途半端に寄せない方がいいと思うの。

日常使いの日焼け止めはスキンケアの観点からはやはりノンケミカルタイプがおすすめですが、たまのレジャーなら紫外線吸収剤タイプの日焼け止めもいいと思います。その方が経済的には賢い選択ですし、たまに使うのならさほど肌への負担も気にしなくてよいと思いますのでね。


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なんとなく★評価まとめをつけてみる
満点は5で

系統 古典的日焼け止め
成分 ★
性能 ★※
コストパフォーマンス ★※

※この製品は試用しておらず、性能とコストパパフォーマンスは成分を見た印象にすぎません