【最新】大人の女性におすすめの千円以下のシャンプー(2021年8月時点 )

災害レベルの暑さにやられ、もはや暑いと言うこともできなくなるほどノビておりました。

だって、札幌なのに、家にエアコンがないのに、連日33℃とかだったんですよ……

もはやデスクに座ることもできなかったので、その間に、お手頃価格のシャンプーについて市場調査をしていました。今日はその報告をしたいと思います。

そもそも、いいシャンプーってどういうシャンプー?

顔用のスキンケア化粧品とくらべると、人によって求めるものが大幅に違うのが「シャンプー」ではないでしょうか。

髪をつやつやにしたい、うねりや広がりを抑えたいなど髪のしあがりを重視する人もいれば、香りの好みなど娯楽的な観点を重視する人もいると思います。一方、フケや湿疹、かゆみなどに困っている方ならば、頭皮のコンディションを整えることを目的に選ばれるかもしれません。

肌に毛が生えていて、なおかつその毛にも美的さを求める……という他にない場所に使う化粧品がシャンプーです。すごく特殊な事情をもった化粧品なんですよね。

なので、なにに応えるか、という点で、製品にもものすごく幅があるのが特徴です。

良いシャンプーを探したい! と思ったら、ご自分のいちばん求めるものはなんなのか、ちょっと一呼吸おいて考えてみてから情報収集するとよいのではないかと思います。

自分は、エステティシャン=肌の手入れをする人 なので、頭皮を良い状態に保つという点を重視しつつ、でも、髪への影響やコストパフォーマンスも加味して総合力の高い製品を「良いシャンプー」としてご紹介したいと思います。

髪(毛幹部)の手ざわりや指通りの良さを重視する「良いシャンプー」をお探しの方は、私はお役に立てないので、毛幹部の専門である美容師さんが書いている情報サイトの方へGOーーー!! です。

いち髪 濃密W保湿ケア シャンプー

いち髪 濃密W保湿ケア シャンプー ポンプ 480ml
641円

※2021年8月現在amazonでの価格

全成分
水、ラウロイルサルコシンTEA、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、ココイルグルタミン酸TEA、ジステアリン酸グリコール、ココイルメチルタウリンNa、コメヌカ油、アンズ核油、チャ花エキス、カワラナデシコ種子エキス、ムクロジエキス、コメ胚芽油、ヒオウギエキス、ツバキ種子エキス、コメヌカエキス、塩化Na、クエン酸、ポリクオタニウム-10、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-49、エタノール、BG、プロパンジオール、EDTA-2Na、安息香酸Na、香料、カラメル

昔から、安くていいシャンプーといえば真っ先に上がってくるのが「いち髪」ですが、2021年現在でもやっぱりすごいシャンプーです。

洗浄剤がほとんどアミノ酸系、人の肌のなかでも皮脂量が多い場所である頭皮をさっぱり洗い上げるのに最適な、ノンシリコン処方です。

アミノ酸系洗浄剤は適度な脱脂力があり、肌刺激が少なく、なおかつ生分解性にもすぐれているので環境にもやさしいのですよね。ただ、原価が高い成分が多いので、ひと昔前は、安価なシャンプーにはちょろっと入っている程度だったんですけれど、このお値段で洗浄剤の主を張るというとんでもない時代になりました。

洗浄剤の質が高くて製品価格が安い分、保湿剤はおだやかな作用のものが多いのですが、十分しっとり洗いあがります。

アミノ酸系の洗浄剤が主になると、泡立ちが悪く、泡もぺったりとしたハリのないものになりやすいため使用感が損損なわれているものも多いなか、気持ちよくシャンプーできます。こういう点でもすごいんですよね。

女性の場合、肌の皮脂量は水分量に比べると低下しはじめるのが遅れるので、もしかすると四十歳前後の「大人の女性」でも、やや洗浄力が足りない……というケースもあるかもしれませんが、多くの大人の女性にとってはちょうど良いくらいの洗浄力だと思います。

やっぱり、困ったら「いち髪」は健在です。

ちなみに、いち髪はものすごく商品展開が広がっていて、同レーベルだとご紹介している「濃密W保湿ケア」の他に、「ふんわりさらさらケア」と「なめらかスムースケア」があり、別のレーベルには、いち髪ナチュラルケア(2種)いち髪THE PREMIUM(2種)があります。

同レーベルのふんわりさらさらと、なめらかスムースケアは成分があまり大きく変わらないので、恐らく大きな差はないのではないかと思います。(未試用です)

いち髪THE PREMIUM については、成分がけっこう違っていて、あのいち髪ブランドのプレミアムラインということで期待もあり、試用してみたのですが、やや毛幹部のしっとり感が増したように感じたものの、そこまでの大きな差は体感ではありませんでした。プレミアムを選ぶなら、成分を見るに構想がよく似ていて、なおかつ素晴らしいパフォーマンスのココンシュペールブランドがお勧めかな、と。

ココンシュペール、同じクラシエさんの製品なんですが、すごくよいのです。

大分皮脂量の落ちている大人の女性にぴったりです。

また、いち髪ナチュラルケアについては、残念ながらサンプルが手に入らず試用できなかったのですが、成分を見るに、ベーシックラインよりさっぱり洗いあがるのでは? と思いました。洗浄剤はややシンプルではあるけれど似ているのですが、保湿剤がかなり控えめなんですよね。香りはベーシックラインよりも上品なかんじかもしれません。性能というより、香りや使用感、イメージでシャンプーを選びたい方向けのラインなのかもしれない、と感じました。クラシエさん、科学的な製品が多い印象なので、ちょっと異色なラインかもしれません。

ディアボーテ オイルインシャンプー リッチ&リペア

ディアボーテ オイルインシャンプー(リッチ&リペア)500mL
793円

※2021年8月現在amazonでの価格

全成分
水、ココイルメチルタウリンNa、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、コカミドメチルMEA、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルサルコシンTEA、コカミドMEA、ジステアリン酸グリコール、ココイルグルタミン酸2Na、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ヒマワリ種子油、サッカロミセス/ヒマワリ芽発酵エキス、ヒマワリ種子エキス、ヒマワリ花エキス、ポリクオタニウム-7、塩化Na、エタノール、ミリスチン酸、ココイルトレオニンNa、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ココイルグルタミン酸Na、クエン酸、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-49、BG、グリセリン、EDTA-2Na、安息香酸Na、香料、カラメル

いち髪と似ている……特に洗浄剤が似ているのですが、これはやはりクラシエさんの製品だから。

回しものではないし、縁者にもおりませんが、いや、そもそも私ごときが「いいぞ!」と声高々に叫んだところで、さしたる影響力もないのでお察しのこととは思います。単純にクラシエさんの製品は科学的にすごく良いものが多いんです。特に「洗うもの系」がホントにいい! しかも良心的すぎる価格設定……。このすばらしさ、もっと世に知らしめたいと思うのは本音です。

すみません、前置きが長すぎました。

やっぱり、質の良い洗浄剤がバランスよく入っていて、頭皮という皮脂や整髪料などの油性汚れが多い場所を適切に洗ってくれる良い製品だと思います。

いち髪と違うのは、その名のとおり美容訴求成分の大半がヒマワリなんちゃら~の点です。

こういうと、身も蓋もないんですけれど、ヒマワリに特別なすぐれた何かがある、というのはないと思います。ヒマワリ種子油は基材にもなるような油分ですし、そもそも植物エキス系は総じて作用が穏やかで、しかも、含有量は少なめ。ましてや、シャンプーのような洗い流すような性質の化粧品に入っていても、ほとんど肌や髪には残らないといわれています。

コンディションニング剤や保湿剤といわれるような類の美容訴求成分は、 ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-49、BG、グリセリン のあたりなんですが、なんせph調節剤であるクエン酸のあと表示なので、あんまり入っているとは思えない……。なのに、この、スッキリ洗い上げるのに毛幹部も肌も油分を奪われすぎないくらいのちょうどいい仕上がり、なんなんでしょうね(誉め言葉)

レーベルのなかでは、先にご紹介させていただいた「いち髪 濃密W保湿ケア」と同じようにもっとも「しっとり」の印象持たせる「ディアボーテ リッチ&リペア」ですが、成分の印象でいち髪よりもさっぱり洗いあがりそうな印象(脱脂力が強そう)だったのですが、試用した体感もそんな感じです。こちらの方が洗浄力がほんのちょっとだけ強いように感じました。でも、そこまで変わらない……かな。

まとめ

大人の女性におすすめの千円以下で成分的に良質で、適度な洗浄力(脱脂力)のシャンプーは、いち髪濃密W保湿ケアシャンプーと、ディアボーテ リッチ&リペア でした。

若干ディアボーテの方が洗浄力が高いようには感じましたが、はっきりした明確な違いや差がある、というところまではいかないので、千円以下の成分的に質の良いシャンプーをお探しなら、お好きな方を選んでもいいと思います。香りはディアボーテの方が好きな人が多そうな気がします。

ちなみに、今回は千円以下の条件を付けたのでこちらの2点を取り上げましたが、これが最上、最高、万人におすすめ、というわけではもちろんありません。予算がもっと高いなら当然話が変わってきますし、そもそも、ノンシリコンシャンプーの界隈は1200円以下くらいまでは似たり寄ったりのちょっと特徴の乏しい製品が多いのですが、1500円くらいから急に個性的になってきます。

このくらいの価格帯でおすすめなのは、さっきもちょろっと書いちゃったんですけど、皮脂量が少なめの方ならココンシュペール(またクラシエー!)、男性や皮脂がしっかりある方、整髪料をいつも使う人ならボズレーのプロフェッショナル。

もっとお高い、三千円前後のシャンプーだと個性が突き抜けはじめるので、びっくりするくらい洗浄力の強いシャンプーとか、逆に生後3~4か月頃の究極の乾燥肌の0歳児でも足りないのでは、というような低洗浄力のシャンプーがいたりします。こうなってくると、雰囲気やイメージ、クチコミで選ぶのはけっこう難しいかもしれません。

香りの好ききらいとか、パッケージのかわいさとか、好きな有名人が使っているからとか、シャンプーを選ぶ基準は人それぞれでまったくいいと思うんですけれど、皮脂が多く汚れやすい場所である以上、衛生管理として自分に合った洗浄力であることは何よりも大切だし、落としちゃならない要素だと思います。

シャンプージプシーの方は、まずは千円前後の良くも悪くも個性が光りにくいシャンプーのなかから、レーベル内でいちばん「しっとり」を謳っている製品を試し、そこを基準にして自分の頭皮の皮脂量と合った洗浄力のものを探し始めると良い出会いに恵まれやすいのではないかと思います。

夏場でシャワーやお風呂の頻度もあがっていると思いますし、お風呂やシャワーは毎日の生活のいち要素ですが、気分転換やリフレッシュの側面が強い、大事なシーンではないかと思います。そういうところで使うものが納得がいっていれば、なお豊かな時間になるはず・・・

誰もがみんな、それぞれお気に入りのシャンプーに出会えますように。

***

シャンプー選びより難しい、お顔のスキンケア。

お困りの方はぜひご相談ください。

<シャンプー>ボズレー ブラックプラス シャンプー

ボズレー ブラックプラス シャンプー 360ml
ボズレー ブラックプラス シャンプー 360ml

ボズレー ブラックプラス シャンプー
2,268円

※2018年6月amazonでの価格


ざっくり結論:
「ブラック」は液剤の色。
白髪を予防すると謳うことは現状できない。
どんな成分だろうが、真皮まで浸透なぞせんよ……


お客様からお問合せのあった製品です。


ボズレーのスタンダードタイプがあんまりよかったので、


現在当店のお客様の多くの方が ボズレー プロフェッショナル シャンプー 使っています。


「ブラックプラス」と「プロフェッショナル」の違いと、
どちらが良いのか考えてみたいと思います。


成分見ていきます。


全成分:
水、ココイルメチルタウリンNa、コカミドプロピルベタイン、コカミドDEA、ラウラミドプロピルベタイン、ラウロイルメチルアラニンNa、ヘマチン、パルミトイルテトラペプチド-20、ヤナギラン花/葉/茎エキス、モウソウチク成長点細胞溶解質、トリフルオロアセチルトリペプチド-2、ラウラミンオキシド、ラウリルスルホ酢酸Na、ラウロイルサルコシンNa、オリゴペプチド- 41、アセチルテトラペプチド- 3、リンゴ果実培養細胞エキス、アルガニアスピノサカルス培養エキス、ライラック葉培養細胞エキス、サッカリナロンギクルリスエキス、アカツメクサ花エキス、セバシン酸、1, 10-デカンジオール、10-ヒドロキシデカン酸、プエラリアミリフィカ根エキス、エクオール、パンテノール、ポリクオタニウム-10、ソウパルメット果実エキス、プランクトンエキス、レシチン、メントール、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-7、グリセリン、BG、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル、プロピオン酸Na、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース、エチドロン酸、イソマルト、マルトデキストリン、キサンタンガム、デキストラン、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール、エタノール、香料


界面活性剤は後方表示のラウリルスルホ酢酸Na,ラウロイルサルコシンNa,あたりが美容訴求成分の後方に変わっていますが、


構成自体は「プロフェッショナル」タイプとだいたい同じ。


相変わらず非常に質が高いです。このお値段で素晴らしい!


ほぼ完全なアミノ系です。


起泡剤もありますから、アミノ酸系ながらふくふくとした泡が立ち、ぬめぬめした独特の洗いあがりは抑えられているのではないでしょうか。


美容訴求成分を見ていきます。


植物エキスの名も相当見られるのですが、例によって界面活性剤と一緒に配合されている場合は洗い流されてしまって、ほとんど肌に残らないと考えられるので割愛。


それ以外のところですと――


ヘマチン
モウソウチク成長点細胞溶解質
パルミトイルテトラペプチド-20
トリフルオロアセチルトリペプチド-2
オリゴペプチド- 41
アセチルテトラペプチド- 3


……。


(‘Д’)


あ、これ、ヤバイやつだ。


えっと、先鋭的な成分が多すぎるのと、


皮膚科学というよりは、発想がかなり毛髪科学寄りですわ。


対皮膚用化粧品とだいぶ発想が違う。


だもんで、ちょっと、畑違い感が否めないし、資料も足りないので、推測と応用と、断片的な知識つないだ感じの結論になっちゃいます。


まあ、ド・ストライクな感じの考察はマニアック美容師さんのブログをご覧になっていただくとして、自分はエステティシャンなので、エステティシャンらしい視点で考えてみましょうか。


色物考察として、斜め読みしてもらえれば幸いです。


さて――。


この製品を使うかどうか検討されている方が、いちばん気になるのは


白髪が予防できるのか、はたまた少なくなるのか、

というところだと思います。


そこのところのわたくしの答えはこうです。


可能性はゼロとはいえないが、期待しない方がいい

近頃「ブラック」という名を持つシャンプーが増えていますが、これは「ボズレーブラックシャンプー」だけによらず、いずれにも共通して言えることだと思います。


なぜかというと、第一に白髪を予防するという表示で医薬部外品にできる成分が現状存在していないのです。


シャンプー、コンディショナーの医薬部外品が表示できる効果・効能は以下のとおりです。


・ふけ、かゆみを防ぐ
・毛髪、頭皮の汗臭を防ぐ
・毛髪、頭皮を清浄にする
・毛髪、頭皮をすこやかに保つ
・毛髪をしなやかにする
・毛髪の水分、脂肪を補い保つ
・裂毛、切毛、枝毛を防ぐ


そう。


白髪の「し」の字もないのです。


では、どうして白髪を予防できることを匂わせる製品が出てきているかというと……


ヘマチン

この成分のせいです。


毛髪産業(勝手な造語)に携わる方々のなかでは、


・白髪が予防できる
・ダメージヘアが補修できる
・薄毛予防につながる


などと、期待を寄せられていたり、場合によっては上記の効果があると、まるで真実かのように言われている成分です。


ヘマチンとは動物の血液から作られる成分で、化粧品としての成分の定義は「抗ケーキング剤」となっています。


※ケーキングの意味を書いていると本筋から外れるので、興味がある人は調べてね!


大分古いのですが、厚生労働省が平成20年12月に都道府県に宛てた『いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて』という書面にある、シャンプーとリンスの有効成分は以下のとおりです。


・アラントイン
・安息香酸
・イオウ
・グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸ジカリウム)
・サリチル酸
・サリチル酸ナトリウム
・トコフェロール酢酸エステル(酢酸DL-α-トコフェロール)
・トリクロサン
・ピリチオン亜鉛
・ベンザルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム)
・イソプロピルメチルフェノール
・グリチルリチン酸三ナトリウム
・臭化アルキルイソキノリニウム液(75%)
・レゾルシン


ヘマチンは見られません。


また、さらに古いのですが、日本化粧品工業連合会による『医薬部外品の成分表示名称リスト(平成18年3月10日)』の、238番に「ウシヘマチン液」が見られます。


つまり、ヘマチン自体は平成18年3月の時点ですでに医薬部外品の何かに含まれていた成分のようです。


ただ、成分表示名称リストなので、有効成分かその他の成分かは分かりません。
しかし、いずれにせよ「白髪」に関する効能表示は現段階ではやはり認められていないものと思われます。


それは、ブラックの名を冠するシャンプーやコンディショナー、トリートメントが一様に 白髪を予防できることを匂わせる程度 に留まっていることが逆説的に証明しているのではないでしょうか。


化粧品は効果・効能は謳えないが副作用はないもの。


医薬部外品(薬用化粧品)は決められた成分を決められた濃度含むと、決められた効果・効能を謳えるもの(ただし作用は温和)です。


「白髪を予防・改善できる」と明記すれば、景品表示法と薬事法に恐らくダブルで違反することになります。


個人的には、そもそも


どんな成分だろうが、真皮にある毛母細胞まで美容訴求成分は浸透しないでしょ……

とも思います。


化粧品のCMや広告に、


超・浸透
奥まで浸透

などというキャッチコピーが大きく踊っているのと同時に、右隅に米粒みたいな小さな文字で「※浸透は角質層まで」って書いてあるの見たことありませんか?
そうなんです。


美容訴求成分はどんなものであれ、塗るだけでは角質層(平均0.03ミリ)までしか届かないのですよ。


真皮まで届けるにはそもそもとして、ポレーションや導入機などの美容機器を使わないとなりませんし、それでも全部がいけるわけでもない。


ましてや、コラーゲンしかり、ヒアルロン酸しかり元来が動物由来の成分って分子が大きいので、かなり改良されてようやく浸透力が上がるものですし、そのうえシャンプーやコンディショナーのように水に流すものに入っていて、真皮の、しかもそのなかにある毛母細胞までなんて入るとは思えないわけですよ。


そんなもんで浸透するなら、店にある美容機器ぜんぶ放り投げるわ―― そう、思いますね。


そろそろ表題の製品 ボズレー ブラックプラス シャンプー に戻ります。


……というわけで、白髪を予防するうんぬんは「話半分」程度にとどめておき、


願わくは 予防できたらいいな!


くらいの気持ちでなら、使ってもいいと思います。


白髪の改善・予防は別として、界面活性剤の質はいいですし、ほとんど吸収されないとは思うけど先鋭的な抗老化剤も入っていて、シャンプーの質としては大変良い感じです。


わたくしも注目しているボズレーのシリーズなので、今回はサンプルを購入して実際に使ってみましたが、プロフェッショナルよりも洗浄力がやや穏やかなかんじがしました。


プロフェッショナルでは皮脂がとれすぎるように感じる人は、こちらのブラックプラスもよいかもしれません。


一応定価は変わらないようですが、ネットでは若干 プロフェッショナル の方がお安く出回っているようです。


なんにせよ、ボズレーはいいぞ。


2019年9月時点でもイチオシの高品質シャンプーです。


ボズレー プロフェッショナル シャンプー 360ml
ボズレー プロフェッショナル シャンプー 360ml
個人的にはプロフェッショナルの方が出来がいいと思います。


オマケ:

ブラックプラスシリーズには、エッセンスがあります。


このエッセンス、件の成分ヘマチンが入ってすらいないの…… なんで……

細胞賦活するような成分は入っているんですけれどね。それも強力なタイプとは言い難い。


amazonのレビューを見ても、考えさせられますね。


消費者が勝手に期待している(思い込んでいる)だけであるという言い訳が通用する範囲の打ち出し方ですけれどね。


白髪染めから卒業したグレイヘアの女性が注目を集めたりしていますが、未だ白髪は忌むべきものであり、あわよくば根本的になんとかしたい、とお考えの方も少なくないでしょう。そういう方にとっては切実な問題なんですよね。


かつて化粧品が幾度も通ってきた道ですけれど、何とかしたいという切実な思いを逆手にとるやり方はやっぱり、ちょっと……不誠実な売り方だなぁと思ってしまいます。


シャンプーはもの自体は良いので、残念です。


***


今のところ、白髪はどうも遺伝的な要因が大部分を占めると考えられているようです。


睡眠不足やストレス、栄養状態の悪化などの不摂生によって、頭皮の血行が悪くなり、毛母細胞に栄養が運ばれにくくなって一時的に白髪が増えることもありますが、そういう種の白髪はいつの間にかもとに戻ったりします。


加齢(老化ではなく加齢と表現するところがミソ)による変化は、基本的には元に戻りません。


今後そういうアプローチが発見されるかもしれませんが、今の時点で決定的なそういうものはないです。


個人的には、老いを否定したり、受け容れがたいという心理の方に興味があります。


私は白髪染めをしていますが、これは美容に関わる仕事をしている手前、その方がお客様に安心感や信頼を持ってもらえるのではないだろうか、という社会的な理由です。


こういう仕事をしていなければ、たぶん白髪染めはしないですし、この世に自分ひとりしか存在しないなら、絶対染めていないです。


白髪をなんとかしたい、という思いはあってもなくても、それは人それぞれですし、それぞれで良いのだと思います。


ただ、その理由の方が大事なような気がします。


社会的な理由か絶対的な理由か、それによって本質が違うように思うんですよね。

<シャンプー>Reveur0(レヴール ゼロ) モイスト シリコーンフリー シャンプー

Reveur0(レヴール ゼロ) モイスト シリコーンフリー シャンプー (460mL)
Reveur0(レヴール ゼロ) モイスト シリコーンフリー シャンプー (460mL)
972円
※2018年10月amazonでの価格
入っているものはそんなにおかしくない。なのに、なぜ評判が芳しくないのか…
全成分:
水、ココイルグルタミン酸TEA、イソペンチルジオール、コカミドプロピルベタイン、コカミドメチルMEA、(カプリリル/カプリル)グルコシド、ココイルメチルタウリンNa、テトラオレイン酸ソルベス-40、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリン酸PG、ヤシ油脂酸PEG-7グリセリル、ポリクオタニウム-10、塩化Na、コカミドDEA、ポリクオタニウム-50、ジオレイン酸PEG-120、メチルグルコース、クエン酸、EDTA-2Na、BG、サッカロミセス/コメ発酵液、カラメル、クエン酸Na、エタノール、ハチミツ、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ビフィズス菌培養溶解質、クインシードエキス、フラガリアチロエンシス果汁、乳酸桿菌/ダイコン根発酵液、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、DPG、レシチン、フラーレン、ローヤルゼリー、PVP、イヌラクリスモイデエキス、セルロースガム、ポリビニルアルコール、硫酸AI、キサンタンガム、香料、フェノキシエタノール、メチルパラベン
ノンシリコンシャンプーの革命児(大げさ?)とも言ってよかった、「レヴール モイスト&グロス シャンプー」のリニューアル製品です。
自分のブログを確認しましたところ、「レヴール モイスト&グロス シャンプー」の記事は2012年1月UP、市販のノンシリコンシャンプーレポの記念すべき第一弾でした。当時はノンシリコンシャンプー自体が出始めで、2千円前後の製品が圧倒的多数であった中、500ml 千円弱という価格はまさに革命的だったのです。入っているものも、本当に良くて(当時は)、多くのお客様にお勧めした製品でした。
さて、6年の時を経て、リニューアル後の製品はどうでしょうか。
界面活性剤(洗浄剤)のTOP表示はココイルグルタミン酸TEA。アミノ酸系洗浄剤です。その他にコカミドプロピルベタイン、コカミドメチルMEA、ココイルメチルタウリンNa、など御馴染みの洗浄剤、助剤が入っています。ヤシ油系主体ですね。昔のブログは全成分を記載していなかったので、比べようがないんですけれど、洗浄剤そのものは低刺激性のものが多く、わりと良質な印象です。
目を引くのは、3番手表示の「イソペンチルジオール」でしょうか。多価アルコールの一種、溶剤であり、保湿作用があり、抗菌力もありますす。この位置にあるのはシャンプーではあんまり見ないような……
皮膜形成剤のポリクオタニウム-10、保湿剤のポリクオタニウム-50が入り、
美容訴求成分としてBG、サッカロミセス/コメ発酵液、カラメル、クエン酸Na、ハチミツ、ビフィズス菌培養溶解質、クインシードエキス、フラガリアチロエンシス果汁、乳酸桿菌/ダイコン根発酵液、DPG、レシチン、フラーレン、ローヤルゼリーなどが見られます。
注目したいのは、その表示位置でしょうかね。
それら多くの美容訴求成分が、ph調節剤、キレート剤(クエン酸、EDTA-2Na)の後ろの表示なんですよね。ph調節剤とかキレート剤というのは、製品をつくるうえに必要な添加物的なもので、多くは防腐剤手前くらいの表示。もともとそんなに量が入っているものじゃないんですよね。
となると、イソペンチルジオール以外の美容訴求成分はたぶん、ほんのちょっとしか入っていないんじゃないだろうか……。
イソペンチルジオールが多価アルコールの一種ということなので、PGやヘキサンジオール様の保湿作用だとすると、少し心もとないような気がしないでもありません。「モイスト」という名を冠していますが、かなりすっきり洗いあげるのではないかと予想。
コンディショナー(トリートメント)は基本的に毛幹部に作用するものなので、管轄外なのですが、その兼ね合いによってはけっこうさっぱりした仕上がりになってしまうのかも。以前のレヴール(紫)が、この価格にしてはわりとしっとりした洗いあがりだったように記憶しているので、少し印象が違うのかもしれませんね。
頭皮を清浄にする、清潔にたもつ、という意味では全く問題のない、むしろ優れたシャンプーだと思うんですけれど、毛幹部へのしっとり感や手触りのよさ、艶などを期待すると、肩透かしにあったような感じになるのかもしれません。そのせいか、実際にお使いの方の感想もネット評判も芳しくないように思います。
実物を手に取ってみたいと思っているんですけれど、あいにくこちらの製品はサンプルを出していないようでした。
機会があれば、実物を購入したいと思いますが、アラフォーの劣化が始まっている髪質にはちと厳しいように見えるのですよね。購入してすぐ捨ててしまうのは、良心が痛むし……。MOTTAINAI。
あくまでも全て成分を見ただけの印象なんですけれど、洗浄剤自体はけっして質が悪いわけではないけれど、保湿成分などの美容訴求成分が、ちょっと心もとない印象ですね。ノンシリコンのパイオニア的存在だっただけに、少し残念な感じは否めません。普通のノンシリコンシャンプーだったら、別にそんなこともないんですけれどね。逆に言えば、それだけノンシリコンシャンプーの市場が成熟したとも言えるのかも。
なんにせよ、時代の移り変わりを感じさせる製品です。
<本日の所要時間50分>
改めて、たった6年のあいだにこんなにもシャンプー市場が変わったことに驚きました。
や――たった6年って書いたけど、小学校1年生が6年生になるだけの年月なのか……。
児童期から青年期への移り変わりと考えたら、決して短い年月ではないですね。

<シャンプー>ボズレー プロフェッショナル シャンプー

ボズレー プロフェッショナル シャンプー 360ml
ボズレー プロフェッショナル シャンプー 360ml
2,268円
※2018年6月amazonでの価格
全成分:
水,ココイルメチルタウリンNa,コカミドプロピルベタイン,コカミドDEA,ラウラミドプロピルベタイン,ラウロイルメチルアラニンNa,ラウラミンオキシド,ラウリルスルホ酢酸Na,ラウロイルサルコシンNa,オリゴペプチド-41,アセチルテトラペプチド-3,リンゴ果実培養細胞エキス,アルガニアスピノサカルス培養エキス,ライラック葉培養細胞エキス,アルゲエキス,アカツメクサ花エキス,1,10デカンジオール,10-ヒドロキシデカン酸,セバシン酸,プエラリアミリフィカ根エキス,エクオール,パンテノール,ソウパルメット果実エキス,プランクトンエキス,レシチン,メントール,グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド,ポリクオタニウム-10,ポリクオタニウム-7,グリセリン,BG,テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル,プロピオン酸Na,ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル,トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル,ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース,エチドロン酸,イソマルト,マルトデキストリン,キサンタンガム,デキストラン,クエン酸Na,フェノキシエタノール,香料
今(2018年6月)現在、一押しの低刺激性シャンプー!
荒れやすい人、年齢を重ねた頭皮にもってこい

非常に界面活性剤の質が高いです。その割に2千円台前半とお値ごろ感があります。
表示トップはココイルメチルタウリンNa。アミノ酸系の陰イオン界面活性剤でもちろん低刺激です。
コカミドプロピルベタイン,コカミドDEA,ラウラミドプロピルベタインあたりは千円前後のシャンプーにはよく入っていますが(洗浄助剤、起泡剤)感触が良いうえに非常に安全性も高いというラウロイルメチルアラニンNa、ほどよい脱脂力と殺菌力のあるラウロイルサルコシンNaも入っています。いずれもアミノ酸系界面活性剤です。
この時点で、きめ細かく柔らかい泡で、やさしく頭皮と毛髪の皮脂汚れやほこりなどを落としてくれるのではないかと予想。
美容訴求成分も良いです。
リンゴ果実培養細胞エキス,アルガニアスピノサカルス培養エキス,ライラック葉培養細胞エキス,アカツメクサ花エキス…などの植物エキスも相当数ありますが、その前にはオリゴペプチド-41(アミノ酸系保湿剤。比較的新しい成分)やアセチルテトラペプチド-3の高い機能性で注目されている成分名の表示があります。
アセチルテトラペプチド-3は皮膚の免疫機能に作用し、ターンオーバー(生まれ変わり)を整えると言われています。新しい抗老化剤、通称FGF様の成分です。
公式サイトを見ると、「頭皮のコラーゲン生成を促進し、美髪を育む環境へ整えます」とありますが、これはこのあたりの成分の効能を謳ったものかと。
植物エキス群は、ほぼほぼ保湿ですね。古来から髪に良いと言われているアルゲエキス(海藻エキス)が入っているのもいい。
洗浄剤は低刺激でマイルドな感じですが、エクオール、パンテノールなども入っているので、過剰な皮脂で荒れやすい頭皮も想定しているように思います。
水で流すものに含まれる美容訴求成分は、ほとんど吸収されないとは言われているんですけれど、このシャンプーは保湿剤の他に抗老化剤が入っているのが先鋭的です。シャンプーというより、化粧品の考え方に近いです。公式サイトなどでは他のシャンプー同様に消費者に好まれやすいワードの「植物性」などを謳っていますが、よく考えられた、かなり科学的な製品だと思います。(植物が悪いわけじゃないけど…)
こちらは実際に製品を購入し、使ってみました。
本当に、成分を見たままそのままの印象でした。
汚れは落としつつも、洗浄力は強すぎません。アミノ酸系界面活性剤が主体のシャンプーにありがちな、泡立ちが弱い、泡切れが悪いということもないので、どんなヘアスタイルの人でも扱いやすそうです。
あまりにも皮脂が多いうえ、整髪料を使っている人ではもしかすると洗浄力が足りないかもしれませんが、そうでない人には年齢・性別問わず非常にお勧めです。
あとはネックになりそうなのは、価格でしょうか。
今日日、360ml(標準使用で2か月分くらい)で2,268円のシャンプーを高いと思う人が多いのか安いと思う人が多いのか、ちょっと分かりませんが…数百円のシャンプーが存在している以上、安いと思う人はそう多くないかもしれません。
化粧品類は性能、効果(厳密には化粧品は効果を謳ってはいけない)と価格が必ずしも比例しません。
なぜならそこに、人件費や広告費などの経費が含まれているからです。
ただ、こちらのシャンプーは価格相応どころか、中に入っているものを見ると、お得感さえある良心的な価格設定だと思います。
ほんとうの意味でコストパフォーマンスに優れた逸品といってよいと思います。

詰め替え用があるのも嬉しい

<本日の所要時間90分>
公式さんにもamazonさんにも全成分表示がなく、手もとの製品を見て成分をひとつひとつ打ったせいで、えらい時間がかかりました。
慢性的な目の疲れに加え、老眼も怪しくなってきた年齢なのできつい…きついよ。

【シャンプー】モイスト・ダイアン ボタニカル シャンプー モイスト

モイスト・ダイアン ボタニカル シャンプー モイスト 480ml
モイスト・ダイアン ボタニカル シャンプー モイスト 480ml
997円
※2018年6月amazonでの価格
全成分:
水、スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na、ラウラミドDEA、コカミドプロピルベタイン、コカミドDEA、ココイルメチルタウリンNa、ココイルグルタミン酸TEA、ポリクオタニウム-10、DPG、アルガン油ポリグリセリル-6エステルズ、シア脂アミドプロピルベタイン、ココイルアラニンTEA、ローズマリー葉エキス、アルテア根エキス、カミツレ花エキス、セージ葉エキス、ラベンダー花エキス、タチジャコウソウ花/葉エキス、トウキンセンカ花エキス、ダマスクバラ花エキス、ニガヨモギエキス、サントリソウエキス、BG、プルーン種子エキス、シロバナルーピン種子油、テオブロマグランジフロルム種子脂、マンゴー種子油、バオバブ種子油、アルガニアスピノサ核油、カラパグアイアネンシス種子油、スクレロカリアビレア種子油、サガラメエキス、ゼイン、ハチミツ、加水分解エンドウタンパク、サトザクラ花エキス、ヨーロッパシラカバ樹皮エキス、スイゼンジノリ多糖体、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク、塩化Na、ラウリン酸BG、ポリソルベート20、グリセリン、クエン酸、水酸化Na、リンゴ酸、トコフェロール、アスコルビン酸、EDTA-2Na、安息香酸Na、フェノキシエタノール、香料、カラメル
モイスト……だ、と?
人気のノンシリコンシャンプーですね。
当店のお客様でもお使いの方がちらほらいらっしゃいます。
界面活性剤はスルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naというアルコール系(陰イオン系界面活性剤、皮膚刺激は少ない)がトップで、ココイルメチルタウリンNa、ココイルグルタミン酸TEAなどのアミノ酸系も入っています。この価格帯のノンシリコンシャンプーではよく見るというか、最早定番と言っても過言でない感じではないのかと。
美容訴求成分はたくさん入っています。
ボタニカルを冠するにふさわしく、ローズマリー葉エキス、アルテア根エキス、カミツレ花エキス、セージ葉エキス、ラベンダー花エキス、タチジャコウソウ花/葉エキス、トウキンセンカ花エキス、ダマスクバラ花エキス、ニガヨモギエキス、サントリソウエキスなどの植物エキス群がずらずらと。
ちなみにボタニカルとは、goo辞書によると「植物の。植物性の。植物学の。」という意味だそうです。
ダイアンというブランドはいち早く「オイルシャンプー」を打ち出していたかと思いますが、シロバナルーピン種子油、テオブロマグランジフロルム種子脂、マンゴー種子油、バオバブ種子油、アルガニアスピノサ核油、カラパグアイアネンシス種子油、スクレロカリアビレア種子油などの油性成分もずらずらと名を連ねています。
ただ、水にさらされても流れにくいような保湿成分は全く入っていません。
そもそも、クレンジングや洗顔、シャンプーなどに含まれる美容訴求成分は肌や髪にほとんど残らないと考えられています。残るのはヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムのようなカチオン化された成分です。見たことのあるシャンプーで入っているのはコレ。古いシャンプーなのですでにリニューアルされているかもしれません。
油分は水では流れないではないか、というご指摘もあるかと思うのですが、「洗う」性質のあるアイテムは当然界面活性剤が主となっています。皮脂やメイクなどの油性汚れを落とすためです。そのため、油性の美容訴求成分もほとんど一緒に落ちると考えられます。また、オイルはその中にビタミンEなどの注目すべき美容効果を持つ成分を含んでいますが、オイルそのものの美容効果は高くなく、特にもともと皮脂量の多い頭皮のような環境においては取り入れるべき優先順位も低いかと思います。
しかし、このシャンプーにおいては、性能うんぬん言うのは、やはりナンセンスなような気がします。
植物エキスとオイル……消費者が好みそうなワードが詰まっていて、それを体現するかのような鮮やかなグリーンのボトルで、きっと香りもなんかナチュラル系(勝手な想像)でいい感じなんじゃないでしょうか。
化粧品やシャンプーを選ぶとき、誰もが性能で選ぶわけではありません。使用感やブランドイメージで選んだって良いのです。
これは、そういうニーズを満たす製品なのではないかと思います。
真剣に頭皮環境や髪に対して、何らかの効果を求める方に向いたものではないかと思います。
***
以上で2017年分のアフィリエイト還元企画を終わります。
シャンプーとシートパックという全く違うアイテムですが、折しもその性質はよく似たものであったような気がします。性能うんぬんとかではなくて、使うこと自体を楽しむようなアイテムかと。
以前、1,000円以下の洗顔料を500点ほど見て記事を上げましたが、どのアイテムでも1,000円前後というのはあまり大差ない印象です。消費者側も真剣に性能などを考えて選ばない価格帯だとも思いますが……。
そんなこともあって、ここのところすっかりシャンプーを見るのに飽きてしまい、掲載のシャンプーがすっかり時代遅れになってしまいました。
偶然とっても良いシャンプーを見つけたので、次回はそれを紹介したいと思います。
<本日の所要時間40分>

【サロン用コスメの成分を考察】資生堂 アデノバイタルシャンプー

資生堂 アデノバイタル シャンプー 500ml(GPシャンプー) -
資生堂 アデノバイタル シャンプー 500ml(GPシャンプー) –
資生堂 アデノバイタル シャンプー 500ml
1,976円

※2017年6月amazonでの価格
※参考価格4,320円
頭皮がべたつきがちな男性向けシャンプー
成分見て行きます。

ラウレス硫酸Na
コカミドプロピルベタイン
PEG-2ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸Na
ソルビトール
ラウリン酸PEG-2
ココイルメチルタウリンNa
塩化Na
ポリクオタニウム-10
メントール
ベタイン
ポリクオタニウム-7
ポリクオタニウム-11
グリチルリチン酸2K
酢酸トコフェロール
メタケイ酸アルミン酸Mg
アルギニン
ポップエキス
サンショウエキス
チオタウリン
オノエスエキス
シソエキス
クエン酸
クエン酸Na
アデノシン
エタノール
メチルタウリン酸Na
EDTA-2Na
BG
安息香酸Na
フェノキシエタノール
香料
ラウレス硫酸Na、コカミドプロピルベタイン、PEG-2ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸Na、ココイルメチルタウリンNaということなので、「高級アルコール系」+「アミノ酸系」、さらに洗浄助剤によるはたらきで泡立ちよく、さっぱり洗いあがるのではないかと予想。
メントール(爽快感、血行促進)を含むので、爽快な洗い心地ではないでしょうか。
髪に作用するものは塩化Na、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-11などが主なので控えめ。「軋む」というほどではないかと思いますが、女性の髪には少々厳しそう。ちなみにノンシリコンシャンプーです。
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV で取り上げた養毛成分「アデノシン」も含まれていますが、水で流すものに含まれる場合、美容成分はほぼ吸収しないと考えて良いそうなので、気にしなくて良いかも。
皮脂が多くなりがちな20代-50代の男性に向く、すっきり爽快な洗い上がりのシャンプーではないかと思います。

ちなみに、ラウレス硫酸Naは『化粧品成分用語事典2012』によると、
「毒性が指摘されるラウリル硫酸Naと比較されるが、どちらも旧表示指定成分にもなっている強い洗浄力をもつ洗浄剤であるが、ラウリル硫酸Naよりは皮膚に対する作用が温和で刺激が少なく、シャンプーとして使用した場合、比較的しなやかな感触を髪に残す」
とあります。
近頃はラウレス硫酸Naを毛嫌いする風潮もやや落ち着いたように感じますが、少し前、巷でまことしやかに囁かれていたような「発がん性」や「毒性」は明確な根拠があるようには思えません。
配合上限も設けられているわけではないし…。
ただ、シャンプーに使われやすい界面活性剤のなかでは脱脂力、洗浄力は強い方なので、もちろん合う合わないはあるでしょう。
皮脂分泌の低下が顕著になる40代半ば以降の女性は、コンディションに合わせて見極めた方が良いかと思いますが、男性はまず心配ないのではないでしょうか。
***
以上、恒例のアフィリ還元企画
うちのリンクを通して購入していただいたもので、好奇心旺盛なエステティシャンの専門領域にあるものはなんとなく成分を考察するよ!
2016年上半期版をお送りいたしました。
ちなみに…
2016年下半期はブログの更新をサボっていたのもあり、アフィリがほとんど稼動していなくて、ですね。
該当するものがありませんでした……
2017年上半期にご期待くださいませ。
ご協力ありがとうございました!

【サロン用コスメの成分を考察】資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV

資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV 180ml【医薬部外品】 -
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV 180ml【医薬部外品】 –
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV 180ml 【医薬部外品】
2,462円

※2017年6月amazonでの価格
※参考価格6,480円
amazon「育毛・養毛・増毛」カテゴリ ベストセラー1位の実力やいかに
使っている人も、お勧めしている人もかなり多そうな商品なのでなんとなくプレッシャーを感じますが、いつもどおり成分見て行きます。
有効成分:
アデノシン
ニンジンエキス
クジン抽出液
β-グリチルレチン酸
パントテニールエチルエーテル
酢酸DL-α-トコフェロール
その他の成分:
アシタバエキス
レイシエキス
オノニスエキス
シソエキス(1)
ホップエキス
サンショウエキス
デシルテトラデシルジメチルアミンオキシド液
イソステアリルアルコール
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
エタノール
精製水、
ジプロピレングリコール
ソルビット液
1,3-ブチレングリコール
I-メントール、
無水エタノール
ラウリル硫酸ナトリウム、
DL-リンゴ酸
ビニルピロリドン・N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液
前回紹介した リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン同様、医薬部外品、薬用化粧品ですね。
医薬部外品と化粧品の定義上の違い、実際に性能に違いがあるかどうかは下記ページにまとめてあります。

有効成分の「ニンジンエキス」「クジン抽出液」「酢酸DL-α-トコフェロール」はいずれも血行促進作用を持つ成分、「β-グリチルレチン酸」は最早おなじみの抗炎症作用。「パントテニールエチルエーテル」はビタミンB5誘導体ですね。(発毛に関わる酵素を活性化するとか…)
注目はやはり「アデノシン」ではないでしょうか。
奥深く毛乳頭まで浸透し、発毛促進因子FGF-7の産生を高めて発毛を促すという成分です。
これだけ見ると、「すっげー効きそう!!」な成分なんですけれど、日本皮膚科学会と毛髪科学研究会が協同で行った脱毛症治療の有効性をあらわす5段階評価のガイドラインでは、C1評価。
「考慮してもよいが、十分な根拠がない」です。
ちなみにA(強く勧められる)を獲得しているのは、医薬品AGA(※男性に限る)とミノキシジル。
効果はあるが、副作用の懸念もあるのが医薬品。特定の効果は表記できるが、副作用の心配がないのが医薬部外品。効果表記はできないが実態はさまざまなのが化粧品。
ですので、医薬品を同列にあげて比較するのはナンセンスでしょうね。
手元で商品を見ているわけではないので、表記されている効果が確認できないのですが、
恐らく、医薬部外品の頭髪用化粧品ですので、「毛髪・頭皮をすこやかに保つ」か「毛髪をしなやかにする」のどちらかかと。
「毛が生える」「育毛」「増毛」「養毛」とは表記できないのです。
そういう効果は認められていないのですよね。
しかしながら、医薬部外品としては非常に良く出来上がっているのではないかと思います。
「毛を生やしてやる!!」という強い意気込みを感じます。
血行促進成分が多いので、産後の女性の薄毛や年齢を重ねた女性の頭皮ケアにも適していると思いますが、エタノール(揮発性により爽快感を作るが、乾燥させる)が含まれていることと、保湿成分が非常に弱いので乾燥型頭皮の方には向かないかもしれません。刺激が強いと思います。
男性は女性に比べると圧倒的に皮脂量が多いので、どなたも使えるはずです。
男性の場合、薄毛が気になりはじめてから、というよりは二十代後半頃から予防的ケアとして使い始めるほうが向いています。

成分的にどうというより、遥かに気になるのは、こんなに安く出回っていることですかねー……
日本最大級の美容・エステサロン向け商品の卸問屋さんと取引があるのですが、そちらの卸値よりもamazonさんの価格がお安いの。
安いということは消費者にとっては喜ばしいこととは思うんですけれども、安いものには必ず背景があるんですよね。
安い理由はいろいろ考えられると思うんですが、消費者が損をする可能性がある理由を挙げるとすれば、「大量仕入れにより、古い商品が売られている」こと。
化粧品は通常未開封であれば3年は品質が保たれるようになっていますが、メーカーではない販売者が3年以上経過した商品を売っても咎を受ける仕組みはないんですよね。お客様も分からないと思うし。
職業柄、メーカーと直接取引もしますし、卸からも仕入れますが、メーカー直の方が商品は新しいことが多いです。長くずっと扱っている商品だと、製造番号で分かるんですよね…。
劣化した化粧品(もちろん医薬部外品でも)は、思わぬトラブルを引き起こす可能性がないわけではないし、何より、意図された効果効能が発揮できないこともあると思います。
そして、きちんとしたところから購入していないと、トラブルがあった場合の相談窓口が複雑になり、適切なサポートを受けられないこともあります。このような事情から、最近のメーカーさんはネット販売を禁止しているところも少なくありません。
件の大手卸問屋さんも、カウンセリングなしでのネット販売は基本的に禁止しているくらいです。
ネットで安く化粧品を買うには、ある程度自己責任がついて回ることも認識しておいた方がよいかもしれません。
まー、amazonさんに関して言えば心配ないでしょうね。
注文の量がハンパないと思うので、稼働率が高いはず。
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV 180ml【医薬部外品】 -
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV 180ml【医薬部外品】 –
おう、レフィルもあるのか。
これはお得ですね。
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV レフィル 480ml【医薬部外品】 -
資生堂 アデノバイタルスカルプエッセンスV レフィル 480ml【医薬部外品】 –
amazonさんでお買い物の際は、ぜひ私めのリンクを通ってどうぞ!
化粧品や美容機器などエステティシャンの専門領域にあるもので、ブログで取り上げていない商品であれば半期に一度こうしてなんとなく考察します。
いただいた報酬は化粧品の試用に役立てています。
いつもありがとうございます。

【市販コスメの成分を考察】リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン

リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン 120ml 【医薬部外品】 -
リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン 120ml 【医薬部外品】 –
リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン 120ml
2,376円

※2017年6月amazonでの価格
過剰な皮脂による荒れ、炎症が出やすい方の予防に向いた頭皮用化粧品
成分見て行きます。
有効成分:
グリチルリチン酸ジカリウム
イソプロピルメチルフェノール
センブリ抽出液
ニンジン抽出液
その他の成分:
ドクダミエキス
サクラ葉抽出液
チンピエキス
海藻エキス(5)
海藻エキス(1)
精製水
1,2-ペンタンジオール
1,3-ブチレングリコール
ポリオキ シエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)
エタノール
フェノキシエタノール
香料(※天然由来香料のみ使用)
 医薬部外品です。
 医薬部外品と化粧品の定義上の違い、実際に性能に違いがあるかどうかは下記ページにまとめてあります。

 有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」「イソプロピルメチルフェノール」はいずれも医薬品にも使われている成分で、皮膚炎に優れた効果と殺菌、抗菌作用ですね。要は荒れの改善に役立つものと思います。
 なお、ステロイド様作用のため、たびたびネットでは副作用を心配する声が見られる「グリチルリチン酸ジカリウム」ですが、『化粧品成分用語事典2012』によると、「副腎皮質ホルモンに比べて作用は緩和で、副作用はない」とのことです。
 「センブリ抽出液」と「ニンジン抽出液」は毛細血管の増強、血行促進作用を持つため、頭皮のターンオーバー(生まれ変わり)の促進と、育毛作用を狙っているのではないかと。
 ちょっと面白いのは、「ドクダミエキス」でしょうか。
 抗菌作用を期待して配合されることが多いようですが、同時に毛母細胞の増殖を抑える効果があるそうで、養毛、育毛を期待して使われる方も多いと思われる頭髪用化粧品には一見、そぐわない成分です。
 健やかな髪を育むための大切な要素である「血行促進」も狙っていますが、全体的には荒れ、特に過剰な皮脂による炎症と、皮脂を餌に増える菌の抑制を意図している商品に見えます。
 保湿成分が弱く、エタノールが配合されていることからも、乾燥による荒れを改善したい方には向かないかもしれません。
 とはいえ、頭皮は顔よりもずっと皮脂腺が多く、乾燥型頭皮の方は店舗でも滅多にお目にかかることはありません。
 これから暑くなる季節の頭皮ケアに向いた商品だと思います。
* * *
そういえば、「リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン」なのに、ミントのミの字もレモンのレの字も見なかった・・・。
きっと香料がそうなのでしょうね。
リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン 120ml 【医薬部外品】 -
リンレン 薬用 スカルプエッセンス ミント&レモン 120ml 【医薬部外品】 –
紫外線が強くなり、気温が高くなるこれからの時期はスキンケアのしがいがあるというものですね。
ベタベタ肌もスキンケア商品の選び方や使い方でうまく付き合っていけます。
楽しいスキンケア選びを!

 
 

【市販コスメ&シャンプーの成分を考察】ザクロ精炭酸シャンプー

ザクロ精炭酸シャンプー 800ml -
ザクロ精炭酸シャンプー 800ml –
ザクロ精炭酸シャンプー 800ml
2,288円

※2017年6月amazonでの価格
頭皮をすっきり洗い上げて清浄にする、シンプルなシャンプー
成分見て行きます。

ラウレス-3酢酸Na
ラウラミドプロピルベタイン
ココイルメチルタウリンNa
コカミドDEA
ボリクオタニウム-10
DPG
ポリクオタニウム-7
クエン酸
セテス-6

ジラウロイルグルタミン酸リジンNa
シソエキス
フキエキス
ポリクオタニウム-51
ザクロ種子エキス
紅藻エキス
サボンソウエキス
クマザサエキス
テトラへキシルデカン酸アスコルピル
トリオクタノイン
ステアラミドエチルジエチルアミン
ホホバ油
トコフェロール
オレイン酸
アスパラギン酸
フェノキシエタノール
メチルパラベン
プロピルパラベン
エチルパラベン
ブチルパラベン
エトキシジグリコール
メントール
香料
BG
エタノール
洗浄関連成分は、ラウレス-3酢酸Na・ラウラミドプロピルベタイン・ココイルメチルタウリンNa・コカミドDEA
主成分の「ラウレス-3酢酸Na」は『化粧品成分用語事典』によると、「弱酸性で皮膚や神への刺激が弱く、洗浄力、泡立ちはよい。生分解性が高いので環境にも優しい」とのこと。
アミノ酸系界面活性剤である「ココイルメチルタウリンNa」が加わっていること、洗浄助剤にもヤシ油由来成が使われていることなどから、「肌や髪、環境へのやさしさ」がコンセプトになっている製品なのでは…と感じます。
また、頭皮や髪への美容成分にはシソエキス、フキエキス、ザクロ種子エキス、紅藻エキスなどの植物由来エキスが目立ちます。
手触りをよくする一般的な成分、ボリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-7などが含まれていますが、水に流されても存在感を主張するような強い保湿成分をあまり含んでいないので、洗い上がりはかなりサッパリしそう。
頭皮をすっきり洗いあげる、という意味では性別年齢問わず使いやすそうな製品ですが、毛幹部(すでに生えちゃっている髪の部分)に対するアプローチが控えめなので、ロングヘアの女性には不満が残りそうです。
ロングヘアで、特に髪質が落ちてきている年齢の女性はこってり系のトリートメントと合わせると良いと思います。
800ml 2,288円ということなのでコストパフォーマンスも良し。
家族みんなで使いやすいシャンプーかもしれません。
* * *
アフィ還元のために成分だけ見た印象なのですが、
けっこう、使いやすそうなシャンプー。
質が低くないのに現実的なお値段も魅力。
ザクロ精炭酸シャンプー 800ml -
ザクロ精炭酸シャンプー 800ml –
amazonさんで化粧品やシャンプーをお求めの際はぜひ、私めのリンクから!
ブログ未掲載の製品は半期に一度、なんとなくざらっとエステティシャンの視点で見つめ、印象をしたためたりします。

今、書いているのは2016年上半期分なので、大分遅れています…
スミマセン。

【市販シャンプーの成分を考察】パックスオリー シャンプー

アフィリにご協力感謝!
成分マニアなエステティシャン(10年戦士になったのでそろそろ中堅)が、知識と実務経験を活かしてリンクを通じてご購入いただいた化粧品やシャンプーをカンタンに考察してみるよ!
な、アフィリ還元企画「2016年上半期版」でございます。
2016年上半期の一番手はこちら。
パックスオリー シャンプー 550ml -
パックスオリー シャンプー 550ml –

※2016年9月amazonでの価格
髪(毛幹部)に良いかと言えば、ノー。頭皮には良い面もあるけれど、総合力ではノンシリコンに分がある…かな? 思想で選ぶべき製品

成分見て行きます。

カリ石ケン素地
グリセリン
ムクロジエキス
スクワラン
トコトリエノール
カミツレエキス
マンダリンオレンジ果皮油
オニサルビア油
ニュウコウジュ油
クエン酸
エタノール
石けんシャンプーなので、界面活性剤は「カリ石けん素地」
保湿剤、エモリエント剤はグリセリン、スクワラン、カミツレエキス。
マンダリンオレンジ果皮油、オニサルビア油は香料。
ムクロジエキスは洗浄作用、帯電防止作用、乳化・可溶化作用、抗炎症作用等がある(化粧品成分用語辞典2012より)ということなので、洗浄助剤なのかもしれません。
トコトリエノールはビタミンE同族体ということなので、トコフェロールと同じ抗酸化作用(製品の変質防止)かなと。
――が、しかし。
この製品において重要なことは、そういうことではないと思うんですよね。
パックスオリーシャンプーといえば、石けんシャンプーの代名詞です。
ここで、石けんシャンプーは良いのかどうか、ということを考えてみたいと思います。
まず、これはシャンプーに限らずですが、「石けん」って、優しいとかなんとなく良いイメージがあるようですが、それには誤解もあります。
石けんにありがちな誤解 その1
石けんは天然の界面活性剤だから、体に優しい

石けんは天然の界面活性剤ではなく、高級脂肪酸や油脂と強アルカリを反応させてつくる合成(人工)の界面活性剤です。
んでは、合成の界面活性剤が体に悪いのかというとそんなこともありません。
界面活性剤には大別すると、アニオン系(陰イオン)、カチオン系(陽イオン)、アンホ系(両面)、ノニオン系(非イオン)などがありますが、いずれも用途に合わせて適切に使われているようです。
なかには、皮膚への刺激が優しく、毒性も低い。なおかつ、石けん同様に生分解性(微生物などによって分解され、自然に還るよ!)にも優れている合成界面活性剤もあります。
化粧品やシャンプーなどにおいて現実的には、界面活性剤が安全かどうか考えるよりも、自分の皮脂量と洗う場所に合わせて、適切な洗浄力のものを選ぶ方が遥かに大事かと思います。
石けんにありがちな誤解 その2
石けんは洗浄力がマイルド

石けんはアルカリ性のものが多いので、洗浄力や刺激は強めです。
そういう点で石けんが優しいということは、全くありません。
ただ、石けんで頭皮や肌を洗ったあとも30分ほどで自然と肌は弱酸性に戻ります。
…ということで、話を戻して石けんシャンプーについてです。
石けんという性質をふまえると、人間のからだのなかでも、特に皮脂量の多い頭皮という部分を洗うには適しています。
ただ、問題は髪の毛。
すでに生えちゃっている髪の部分ですな。
女性は、この毛幹部に艶や手触りの良さなどの美しさを求める場合が多いと思うのですが、この毛幹部、摩擦に非常に弱い性質を持っています。
しかも、濡れた状態での摩擦は甚大なダメージを与えます。
石けんシャンプーは洗髪時のすべりをよくする保湿剤を多く含まないので、どうしても摩擦は強くなりがち。
アルカリ性という性質から、パーマやカラーを落としやすい性質もあります。
ノンシリコンシャンプーが登場する以前は、皮脂が多く、べたつきがちな頭皮をすっきり洗い上げるには、石けんシャンプーしか選択肢がありませんでしたが、現在はノンシリコンシャンプーの種類は増え、自分の頭皮の状態に合わせて適切な洗浄力の製品を選べるほどになっています。
しかもお値段も石けんシャンプーとそう変わらないものもあるので、コストパフォーマンスという面でも、残念ながら石けんシャンプーに分があるというわけでもありません。
札幌市在住者の感覚だと、入手しやすさ、という面でも大差ないかと。
んー……
こちらの製品をはじめとした石けんシャンプーですが、
そういうわけで、機能的な意味では女性はあまり使用するメリットはないんじゃないかと思います。
頭皮をすっきり洗うためのシャンプーなら、今はノンシリコンで良いと思うんですよね。
皮脂量の多い40代ぐらいまでの、パーマやカラーをしていない男性だと、過剰な皮脂をスッキリサッパリ洗い上げて、健やかな頭皮を維持するのに一役買ってくれるかもしれません。
洗浄力と刺激が強めなので、バリア機能が未熟で、汗などで環境も悪くなりやすい子どもさんにも、個人的にはあまりお勧めしないです。
ただ、いろんなところで書いているんですけれど、化粧品やシャンプーの存在意義って、機能面だけじゃないと思うんですよー。
石けんが大好きだ!
なんとなく ナチュラルなライフスタイルを理想としている!!

ということで、このシャンプーを日々の生活に取り入れるってのも悪くないと思うんですよね。
ただ、石けんシャンプーは髪や頭皮に良いはずだと思って、それだけのために使っていて…
しかも、それで頭皮や髪のコンディションが優れないように感じるのなら、そのときは考え直してみても良いのではないでしょうか。
* * *
amazonさんでコスメやシャンプーをお買物の際は、ぜひ私のリンクを通ってどうぞ♪

シャンプー、基礎化粧品、美容機器その他エステティシャンの専門領域にあるものであれば、ブログ未掲載商品について半期に一度、変態エステティシャンのまなざしで見つめ、なんとなく考察します。
ワタクシの基地は札幌市豊平区にあります。
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