皮膚科学発想の保湿スキンケア~実践編~

前回、「皮膚科学発想の保湿スキンケア~理論編~」という記事を書きました。

今回は必要な成分や使い方などを書いていきたいと思います。

おもに必要な成分は細胞間脂質・天然保湿因子

肌のうるおいは肌のいちばんうえの部分、平均0.03ミリの角質層に含まれる30%の水分のこと。

その水分の約8割は角質細胞間脂質によって、残り2割弱が天然保湿因子によって、そして2,3パーセント程が皮脂を中心とした皮脂膜によって守られています。しかしながら、年齢や体調、環境等によってそれらが不足したり、うまく働かなかったりするために水分量が低下します――ここまでが前回のおさらいです。

なので、理論的には細胞間脂質、天然保湿因子を補ってやればOKです。

以下に主な成分名を並べます。

細胞間脂質

細胞間脂質のうち、約50%を占めるのがセラミド、約20%が遊離脂肪酸、約15%がコレステロール、約10%がコレステロールエステル、残5%ほどが糖脂質となっている。化粧品に配合される成分名例は下記のとおり。

セラミド1
セラミド2
N-ステアロイルフィトスフィンゴシン(セラミド3)
N-オレオイルフィトスフィンゴシン(セラミド3)
セラミド6Ⅱ

天然保湿因子(NMF)

天然保湿因子の組成は約40%が遊離アミノ酸、約18%が無機塩類、ピロリドンカルボン酸、乳酸塩が各12%程度、7%が尿素、アンモニア・尿酸・グルコサミン等が1.5%ほどとなっている。美容訴求成分名は下記のとおり。

アスパラギン酸Mg
アラニン
リシンHCI
グリシルグリシン
尿素
乳酸Na

選ぶ難しさ~セラミドの濃度が薄すぎる件~

うるおいを保つために必要な成分名もその理由も分かりました。

しかし、最大の難関は条件に合致する製品をこの星の数ほどあるスキンケア化粧品のなかから選ぶことです。

お肌のうるおいのうち、80%ほどが角質細胞間脂質によって守られており、その細胞間脂質を構成する物質のうちの実に50%がセラミドです。ということは、乱暴に言えば「乾燥肌にはセラミド」なわけです。

セラミド配合のスキンケア化粧品は10年ほど前までは市販品にはほとんどなく、一部の業務用メーカーがつくっているだけでした。しかし、近年はドラッグストア等で販売されている化粧品にも「セラミド配合」と書かれているものを見かけます。ということは、ドラッグストアに行ってセラミド表示がある、またはPOPにセラミド配合と書かれている製品を使えば、乾燥肌から脱することができるのでしょうか。

残念ながら、そうは簡単にいかない事情があります。

実はこのセラミド、大変に高価な成分なんです。

そのせいか、ヒト型セラミド(保湿に深い関わりがあるのは特にセラミド2)が濃度高く含まれている製品を、私は未だかつて見たことがありません。市販品はおろか、業務用メーカーのものでもです。

クリームや美容液の市販品で数千円のもので、成分名にセラミドがあるものは、ヒジョーに濃度が薄く、ちょっとしか入っていない可能性が高いです。

え? セラミド5%配合とか書いてあるの見たことあるよ!

そういう方もいらっしゃるかもです。

たぶんね、それ、セラミドじゃないんすよ……

セラミド類似成分であり、その正体は恐らく”通称セラミド”です。

しかしながら、セラミド類似成分――通称セラミドは悪者ではありません。むしろお肌の救世主であり、懐にもやさしい天使です。

乾燥肌にはセラミド類似成分を濃度高く含んでいる美容液やクリームを使う

結論です。

セラミドはお肌のうるおいを保つ、増やすために必須の成分です。ただ、とても原価が高価な成分のため、実際のスキンケア化粧品に含まれているのはほんのちょっぴり。

だから、乾燥肌対策――いえ、20歳以降のすべての人は肌のうるおいと健康を保つために、セラミド類似成分をたっぷり、濃度高く含むスキンケア化粧品を使いましょう。

セラミド類似成分には、合成タイプ、植物由来タイプ、動物由来タイプがありますが、植物由来ははたらきが穏やか、合成は種類によります。ちょっとお値段が高くなりやすいですが、動物由来(セレブロシド)が効果を感じやすいです。

それでも、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの他の保湿剤と比べると、類似成分でも濃度が高いものはやはりお値段が高くなりやすいです。

こんなことを言い出すと、元も子もないですが、予算をどうにも上げられない場合は、それらの水分を多量に抱え込むタイプの保湿剤で多角的に保湿するという手もあります。

……と、いうわけでスキンケア化粧品選びは魔境です。

結論は、効果を重視するとスキンケア化粧品選びは手に負えなくなるでした。

次回、実際のセラミド配合化粧品の市販品などを取り上げてみられればいいな、と思っています!

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このように、理論を背景にして実用性の高い製品を10年以上かけてコツコツと調べ、試用して合格した製品が現在私が取り扱っている化粧品です。

スキンケアに効果を求めたくなったとき、でも自分で調べ上げる時間的金銭的労力を節約したいときはわたくしめにご相談ください。

本来は、カウンセリングを重ねてその方に適切な商品の組み合わせをご提案させていただいた方がよろしいのですが、お時間がない方、コミュニケーションが苦手な方はこれまでの膨大なプランニングの結果から厳選した5つのセット商品もあります。

皮膚科学発想の保湿スキンケア~理論編~

ついに暖房のお世話になる季節になりました。

そうなると、湿度計が50を切っているのをしばしば見かけますし、ひどいときは30%台なんてことも……加湿器がついているっていうのにね。

だいたい11月から2月くらいまでの、お肌に過酷な乾燥シーズン。

今日はスキンケアの基本である乾燥ケア、保湿ケアについてまとめたいと思います。

お肌のうるおいってそもそも何のことだろう

そもそも、「お肌のうるおい」とはいったい何のことでしょうか。ほっぺたをさわったときに、ぽちゃぽちゃする感じのことでしょうか。それとも表面が滑らかでかさかさしていないことでしょうか?

皮膚の構造上お肌のうるおいとは、”角質層の水分量”のことです。

角質層はお肌のいちばんうえの部分で、平均的な厚さは0.03ミリ。そして約30%水分が含まれています。

この約30%のうるおいを守り続けられるかどうかが、肌が乾燥するかどうかのポイントです。

角質層の水分は約80%が細胞間脂質によって守られており、17~18%ほどが天然保湿因子によって、そして残り2~3%ほどが皮脂を中心に形成される皮脂膜によって守られています。

乾燥肌は敏感肌へのステップ

このようにお肌には本来うるおいを守るしくみ、物質(成分)がありますが、これが加齢や環境、体調などさまざまな理由で衰えたり、バランスを崩したりしてしまいます。そうして水分が30%から低下した状態が乾燥肌です。

表皮は肌への異物侵入や外的刺激から守るためにうるおいを保っているため、肌が乾燥すると必然的に敏感な状態になります。こすれなどの物理的な刺激や、化粧品に含まれる美容成分や添加剤、ときには水にふれるだけでもその刺激に耐えられなくなり、炎症を起こしてかゆくなったり赤くなったりします。この状態が敏感肌です。

よって、敏感肌とはもともとの性質によるものではなく、大半は乾燥肌によって引き起こされる2次的な状態です。アレルギーが原因でない敏感肌は、表皮の水分量を十分にすることによって改善します。

※化粧品を塗って少し経ってから起こる(多いのは12時間後から48時間後くらいだそうです。早めだと5,6時間後という場合も)、腫れや湿疹などの症状はアレルギー反応の可能性があります。また、特定の成分を使うといつも同じ不快な症状が出るときも、同じくアレルギーが心配されます。そのような症状が見られるときは乾燥肌による敏感肌とは違うので、すみやかに皮膚科医に相談しましょう!

乾燥肌に有効なのは 元もと肌にあるうるおい成分を補給すること

角質層の水分は細胞間脂質(80%)、天然保湿因子(20%弱)、皮脂や汗などによって形成される皮脂膜(2-3%)によって守られていると書きました。

肌が乾燥しているということは、それらがうまく働いていないか損なわれているために起きているので、それらを補ってあげれば良い――理論的にはそういうことになります。

細胞間脂質で特に水分保持とかかわりの強いのはセラミドⅡ。

天然保湿因子の主成分はアミノ酸、その他にPCA、乳酸ナトリウム、尿素などが含まれています。

皮脂膜は皮表脂質と汗によって形成されていますが、皮表脂質の主はトリグリセリド、それにワックスエステル、脂肪酸、スクワレン、ジグリセリド、コレステロールなどがつづきます。

ただ、皮脂腺から分泌される皮脂については角質層水分量に比べて低下する年齢が遅く、女性の場合40代くらいから、男性の場合50代くらいからというデータもあり、もともと水分量を守るためにたった数パーセントしか寄与していないことが分かっているため、積極的に取り入れるべき成分ではないかもしれません。

かつて、化粧品の保湿成分の主役は油分でした。今も安価な化粧品や、効果を重視していない製品ではそのような傾向が強く残っています。

それは、このような肌のしくみが解明されていないためだったようです。

まとめ

肌のうるおいとは、角質層に含まれる約30%の水分量のこと。

乾燥肌にならないためには、この水分を死守することです。

角質層の水分は約8割が細胞間脂質によって、2割弱が天然保湿因子によって、そして残り2-3%程度が皮脂を中心とする皮脂膜によって守られています。

乾燥肌のケアには第一に角質細胞間脂質を補給すること。そして、補佐的に天然保湿因子を取り入れるとOK!

理論的にはそういうことになりますが、現実には大きな問題が……。

次回、実践的な科学的保湿ケアを書きたいと思います。(このブログは毎週土曜更新目標です)

とにかく今、乾燥肌や乾燥肌から進んだ敏感肌に困っている方はこちらをご提案させてください。

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