【市販シャンプーの成分を考察】パックスオリー シャンプー

アフィリにご協力感謝!
成分マニアなエステティシャン(10年戦士になったのでそろそろ中堅)が、知識と実務経験を活かしてリンクを通じてご購入いただいた化粧品やシャンプーをカンタンに考察してみるよ!
な、アフィリ還元企画「2016年上半期版」でございます。
2016年上半期の一番手はこちら。
パックスオリー シャンプー 550ml -
パックスオリー シャンプー 550ml –

※2016年9月amazonでの価格
髪(毛幹部)に良いかと言えば、ノー。頭皮には良い面もあるけれど、総合力ではノンシリコンに分がある…かな? 思想で選ぶべき製品

成分見て行きます。

カリ石ケン素地
グリセリン
ムクロジエキス
スクワラン
トコトリエノール
カミツレエキス
マンダリンオレンジ果皮油
オニサルビア油
ニュウコウジュ油
クエン酸
エタノール
石けんシャンプーなので、界面活性剤は「カリ石けん素地」
保湿剤、エモリエント剤はグリセリン、スクワラン、カミツレエキス。
マンダリンオレンジ果皮油、オニサルビア油は香料。
ムクロジエキスは洗浄作用、帯電防止作用、乳化・可溶化作用、抗炎症作用等がある(化粧品成分用語辞典2012より)ということなので、洗浄助剤なのかもしれません。
トコトリエノールはビタミンE同族体ということなので、トコフェロールと同じ抗酸化作用(製品の変質防止)かなと。
――が、しかし。
この製品において重要なことは、そういうことではないと思うんですよね。
パックスオリーシャンプーといえば、石けんシャンプーの代名詞です。
ここで、石けんシャンプーは良いのかどうか、ということを考えてみたいと思います。
まず、これはシャンプーに限らずですが、「石けん」って、優しいとかなんとなく良いイメージがあるようですが、それには誤解もあります。
石けんにありがちな誤解 その1
石けんは天然の界面活性剤だから、体に優しい

石けんは天然の界面活性剤ではなく、高級脂肪酸や油脂と強アルカリを反応させてつくる合成(人工)の界面活性剤です。
んでは、合成の界面活性剤が体に悪いのかというとそんなこともありません。
界面活性剤には大別すると、アニオン系(陰イオン)、カチオン系(陽イオン)、アンホ系(両面)、ノニオン系(非イオン)などがありますが、いずれも用途に合わせて適切に使われているようです。
なかには、皮膚への刺激が優しく、毒性も低い。なおかつ、石けん同様に生分解性(微生物などによって分解され、自然に還るよ!)にも優れている合成界面活性剤もあります。
化粧品やシャンプーなどにおいて現実的には、界面活性剤が安全かどうか考えるよりも、自分の皮脂量と洗う場所に合わせて、適切な洗浄力のものを選ぶ方が遥かに大事かと思います。
石けんにありがちな誤解 その2
石けんは洗浄力がマイルド

石けんはアルカリ性のものが多いので、洗浄力や刺激は強めです。
そういう点で石けんが優しいということは、全くありません。
ただ、石けんで頭皮や肌を洗ったあとも30分ほどで自然と肌は弱酸性に戻ります。
…ということで、話を戻して石けんシャンプーについてです。
石けんという性質をふまえると、人間のからだのなかでも、特に皮脂量の多い頭皮という部分を洗うには適しています。
ただ、問題は髪の毛。
すでに生えちゃっている髪の部分ですな。
女性は、この毛幹部に艶や手触りの良さなどの美しさを求める場合が多いと思うのですが、この毛幹部、摩擦に非常に弱い性質を持っています。
しかも、濡れた状態での摩擦は甚大なダメージを与えます。
石けんシャンプーは洗髪時のすべりをよくする保湿剤を多く含まないので、どうしても摩擦は強くなりがち。
アルカリ性という性質から、パーマやカラーを落としやすい性質もあります。
ノンシリコンシャンプーが登場する以前は、皮脂が多く、べたつきがちな頭皮をすっきり洗い上げるには、石けんシャンプーしか選択肢がありませんでしたが、現在はノンシリコンシャンプーの種類は増え、自分の頭皮の状態に合わせて適切な洗浄力の製品を選べるほどになっています。
しかもお値段も石けんシャンプーとそう変わらないものもあるので、コストパフォーマンスという面でも、残念ながら石けんシャンプーに分があるというわけでもありません。
札幌市在住者の感覚だと、入手しやすさ、という面でも大差ないかと。
んー……
こちらの製品をはじめとした石けんシャンプーですが、
そういうわけで、機能的な意味では女性はあまり使用するメリットはないんじゃないかと思います。
頭皮をすっきり洗うためのシャンプーなら、今はノンシリコンで良いと思うんですよね。
皮脂量の多い40代ぐらいまでの、パーマやカラーをしていない男性だと、過剰な皮脂をスッキリサッパリ洗い上げて、健やかな頭皮を維持するのに一役買ってくれるかもしれません。
洗浄力と刺激が強めなので、バリア機能が未熟で、汗などで環境も悪くなりやすい子どもさんにも、個人的にはあまりお勧めしないです。
ただ、いろんなところで書いているんですけれど、化粧品やシャンプーの存在意義って、機能面だけじゃないと思うんですよー。
石けんが大好きだ!
なんとなく ナチュラルなライフスタイルを理想としている!!

ということで、このシャンプーを日々の生活に取り入れるってのも悪くないと思うんですよね。
ただ、石けんシャンプーは髪や頭皮に良いはずだと思って、それだけのために使っていて…
しかも、それで頭皮や髪のコンディションが優れないように感じるのなら、そのときは考え直してみても良いのではないでしょうか。
* * *
amazonさんでコスメやシャンプーをお買物の際は、ぜひ私のリンクを通ってどうぞ♪

シャンプー、基礎化粧品、美容機器その他エステティシャンの専門領域にあるものであれば、ブログ未掲載商品について半期に一度、変態エステティシャンのまなざしで見つめ、なんとなく考察します。
ワタクシの基地は札幌市豊平区にあります。
image921.gif
公式WEBはこちら
お近くの方は、ぜひサロンへも遊びに来てくださいまし^-^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA