明けましておめでとうございます。
今年もぽつぽつと続けていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
2022年の一発めは角質細胞間脂質ーー乾燥肌・敏感肌の救世主セラミド配合スキンケア化粧品についてです。
昨年から引きずって新しい年に持ち込むのはちょっと気持ち悪いかんじがありますが、保湿ケアはやはりスキンケアの基本ですし、時期的にもタイムリーですしね。
あと、意外と知られていないですが、たるみの一次的要因も乾燥です。
マスク生活が長くなりすぎていて、たるみによる老け顔に悩む方も増えていますものね。
いつどこでどなたの目に留まるか分からないので、困っている方のお力になれるよう、しっかりしたためておきたいと思います。
皮膚科学的に肌のうるおいとはなんなのか、どんな成分が有用なのかは下記にまとめました。
長いのでテキスト君とあまり親しくない方は読みにくいと思います。
3行でまとめると……
敏感肌は乾燥肌が悪化した状態
うるおいは8割がセラミド、2割弱が天然保湿因子、2,3%が皮脂(油分)によって維持されている
スキンケアにセラミドを取り入れよう! だけど、実際の製品選びは難しいよ〜
ということです。
前置きが長くなりましたが、今回のセラミド配合化粧品を見ていきます。
ALLNA ORGANIC(オルナオーガニック)美容液
ALLNA ORGANIC(オルナオーガニック) 美容液 47ml
3,,054円(2022年1月amazonでの価格)
オルナオーガニック 美容液の全成分
水、BG、グリセリン、ペンチレングリコール、プラセンタエキス、ヒアルロン酸Na、加水分解ヒアルロン酸、セラミドNP、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、サクシノイルアテロコラーゲン、アセチルヒアルロン酸Na、オレンジ果皮油、ラベンダー油、ティーツリー葉油、キハダ樹皮エキス、ヒメフウロエキス、ツボクサエキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、オウゴン根エキス、イタドリ根エキス、ソメイヨシノ葉エキス、カミツレ花エキス、ノイバラ果実エキス、トウキンセンカ花エキス、カンゾウ根エキス、チャ葉エキス、アルテア根エキス、イザヨイバラエキス、ラベンダー花エキス、ボタンエキス、ローズマリー葉エキス、キュウリ果実エキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、フユボダイジュ花エキス、ヤグルマギク花エキス、ローマカミツレ花エキス、ユズ果実エキス、オリーブ果実油、アルガニアスピノサ核油、シア脂、グリチルリチン酸2K、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、スクレロチウムガム、リン酸アスコルビルMg、アスコルビルグルコシド、グリコシルトレハロース、加水分解水添デンプン、PEG-60水添ヒマシ油、キサンタンガム、水酸化K、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、カルボマー、フェノキシエタノール(amazon当該製品ページより引用)
オルナオーガニック 美容液の成分解説とパフォーマンス
基材である水につづき、BG、グリセリンと吸湿性により保湿するマイルドな保湿剤が続いています。ペンチレングリコールはグリセリン同等の保湿剤ですが、抗菌作用があるので防腐剤がフェノキシエタノールの時によく入っています。フェノキシエタノールはパラベンと比べると守備範囲がちと狭いそうですのでね。
ここまでは化粧水や美容液の定番の走り出しです。
次がプラセンタです。
プラセンタは美白、保湿、抗老化と美容作用を広範に持つ成分です。出はじめの頃は抗老化作用をもてはやされていたのですが、最近は美白化粧品やアンチエイジング化粧品のメインの成分は張れず、サブ的位置づけで主役の成分と抱き合わせで入っていることが多いです。芸能界でいうバーターみたいな。芸能界と違うのは、プラセンタの方が若手でなく、旬を過ぎた存在であることでしょうか。あ…なんか、悲哀が満ちてきた。やめましょう。
次にヒアルロン酸(2種)があり、ここで今回の主役セラミドNPが登場です。
NPはセラミド3のことで、主なはたらきはバリア機能の強化・維持。
その後はコラーゲン(3種!)がつづき、ヒアルロン酸の優等生アセチルヒアルロン酸があり、香料である精油が3種、そして怒涛の植物エキス群です。
成分表示からパフォーマンスを想像するのなら香料や製品安定剤の前まで見ます。それらは本当に微量で、以後に入っている成分はたとえスター級の美容訴求成分であってもとっても薄いので、残念ですが美容効果ということでは意味がないことが多いです。名称があるとなんかいい気はしますけれどね。気分は上がる。
こちらの製品の場合、成分表示の後方、増粘剤の手前に優秀な新しいタイプのVC誘導体の成分名称があるのですが、残念ながら微量すぎてVCのもつ美容効果の恩恵にはあずかれないと思います。VCはある程度の濃度がないと本当に働かないので。3%は欲しいです。
では、本題の保湿力のほどはどうでしょうか。
うーん…こちら、ちょっと難しいです。
成分表示に化粧品の常識をプラスして考えると、これまで取り上げてきた3,000円前後または以下の製品と同じで、たぶん…ペンチレングリコールまでがほとんどを占めていて、きっとセラミドはうっすいと思うんですよ。
だって、47mlで3,054円ですからね。安い。安すぎる。
ただちょっと引っかかるんですよね。
香料前までの成分名の羅列が妙にリアルというか。感覚的な話で申し訳ないんですけれど。
ちょっとプラセンタの位置が高すぎて気にはなるけど、ヒアルロン酸とコラーゲンのくだりはすごくリアル。こういう成分表示のお宝レベルの高機能性化粧品、実際に存在していて知っています。
メーカーさんがベンチャーっぽいのも引っかかります。
一般に、どの業界でもそうだと思いますが大きな会社が販売している商品には人件費や広告費などの経費がたくさん製品価格に入っているので、価格の割に性能は低くなりがちです。分かりやすい例を挙げると、家電とかね。最近ですと、日本メーカーのものよりも中国とか韓国のメーカーさんの方が安いですよね。人件費が主な要因だと思うんですが、今後は変わってきそうです。(いや、もう変わってきているかもしれないけど、その辺は明るくないので勘弁してください。よく知りもしないのに生意気いってすみません)
あと別の例だと、生命保険のライフネットさんとかもね。ライフネットさんの方がピッタリかも。
化粧品も同じです。大企業さんの製品はほら、テレビでバンバンCMとかやっていますでしょう? ああいう広告費とか、百貨店のブースの賃料とか、そこで働くスタッフさんの人件費とかが製品価格に乗っていますからやっぱりベンチャーの作る化粧品に比べると価格の割に美容成分はそうでもないことが多いです。
もっとも有名企業の化粧品を買う理由は性能が全てではないでしょうけれどね。性能とコストパフォーマンスを重視して選ぶなら大きなメーカーさんの化粧品は候補から外れるのは道理というものです。
ちょっと話逸れちゃっているので戻します。
そういう、成分表示そのものだけでなく、背景や長年多くの化粧品と戯れてきたマニアックエステティシャン(職歴16年)の勘を加味すると、あり得なくないような気がしてしまうんですよね〜。お宝の可能性があるんですよね〜
どうしようかな、買ってみようかな。
……
……と、ここまで考えてまた成分見直してみたんですけれど。
キサンタンガム
カルボマー
けっこう増粘剤入ってるね。
セラミド美容液には入っててもおかしくはないけど、ヒアルロン酸は粘度の高い成分だからヒアルロン酸の濃度がそれなりにあると増粘剤は入ってないことが多いのよね。シア脂も超微量とはいえ入ってるのにね。さらにマシマシ増粘しちゃうのか。
やっぱり薄いのかな。シャバシャバなのかな。
まとめ
オルナオーガニック美容液は、ふつうに考えたら保湿効果はそれほど高くなく、天然香料で気持ちよく優雅にスキンケアを楽しめる化粧品。だけど、もしかすると、ひょっとするとお宝美容液(お値段の割に性能・美容効果が高い)の可能性がないわけでもないかも?! 肌状態に余力と懐に余裕のある方は一度試しに買ってみても面白いかもしれないです。
余談 オーガニックは肌に良いのか?
美容効果という観点では別に良いことはありません!
商業的にはおおいに意味がありますけれどね。
オーガニックはざっくり言うと、決められた環境、条件で栽培された農作物ですが、化粧品成分の場合はそのまま口に入るわけでなく、そこから精製するのでその過程で残留農薬などはほとんど残らないそうです。そもそも一番分子が大きいまま残る植物エキスはそんなに高濃度に配合できるものでなく、製品に占める割合も少ないですしね。植物由来の薬剤にいたっては、農薬とかもう次元が違う話です。
だけど、「オーガニック」の文言に惹かれて製品を手にとる方の心理は、正味どうなのかってことは関係ないと思うのです。先の大企業の化粧品を購入される人と一緒でね。
化粧品の世界ーー特に日本の消費者が、化粧品選び・購入の際に重視しているのは「肌やからだへのやさしさ」「安全かどうか」なんだそうで、特に植物由来成分の好感度が高いそうです。そういう意味ではオーガニック表記は魅力的であり、売れやすい製品になるのではないでしょうか。