化粧下地の選び方、考え方

日差しが力強さを増してくるとともに、紫外線が気になる季節になってきました。
サロンでも紫外線対策についてご質問いただくことが増えています。
今日は日焼け止めと化粧下地の違い、化粧下地の選び方などをしたためたいと思います。

化粧下地とは何か

化粧水、美容液などでスキンケアを行ったあと、ファンデーションを塗る前に使用するものです。アイテムの性質としては、メイクアップ(メーキャップ)とスキンケアの中間的意味合いを持ちます。

●メイクアップ的意味合い
肌色を補正する
凹凸を補正する
光の反射具合を調整し、ツヤ感やマット感などを与える
●スキンケア的意味合い
紫外線による影響を予防する
ファンデーションののりを良くする
ファンデーションの崩れを防ぐ

スキンケア的意味合いである「紫外線による影響を予防する」効果を持つアイテムに、日焼け止めがありますが、多くの日焼け止めは化粧下地として利用することができます。逆に、化粧下地には紫外線防止効果を持つものと、持たないものがあります。化粧下地や日焼け止めに保湿成分や美白成分、アンチエイジング成分が含まれていることはあるが、それらはごく微量です。
美容訴求成分はたとえ含まれていてもその効果は期待しない方がよく、それらは化粧水、美容液、クリームなどで補うべきです。

自分に合った化粧下地を選ぶには?

「どんな化粧下地が良いか?」これは、とても難しい問いです。化粧下地にはこれまで書いたように、さまざまな要素があるので、まずは自分は化粧下地にどんな効果が欲しいのかそこから整理してみましょう。

<メイクアップ的要素>
・肌色補正効果が必要か(透明感を出したい、赤みやくすみを抑えたいなど)
・肌の凹凸を補正する効果が必要か
・ツヤ感やマット感など肌の質感を演出したいか
<スキンケア的要素>
・紫外線による影響を予防する
・ファンデーションののりを良くする
・ファンデーションの崩れを防ぐ

エステティシャンの専門領域は「スキンケア」のため、ここから先は化粧下地のスキンケア的要素に的を絞って書き進めたいと思います。なお、メイクアップ的要素を強く持つ化粧下地については、メイクアップを生業とする方か、美容部員さんの方が詳しいと思うのでそちらでご相談を。

スキンケアの観点からは、化粧下地には日焼け止め効果が重要

紫外線が肌に与える影響は深刻です。UV-Bはやけどを起こしたように肌を変化させる(サンバーン)だけでなく、真皮のコラーゲンを劣化させ、しわ、たるみの原因となります。曇りの日でも照射量があまり変わらないUV-Aは、UV-Bのように肌に急激な変化は起こさないものの、いつの間にか肌を黒くし(サンタン)肌の奥深くまで傷つけて、しわ、たるみ、しみの原因になります。また、どちらも光発ガンを引き起こすことも分かっています。


このようなことから、美容的観点からは当然、健康維持の観点からもぜひ化粧下地には「紫外線予防効果」のあるものを選んでいただきたいと思います。

紫外線防止剤には吸収剤と散乱剤がありますが、環境省の『紫外線環境保健マニュアル』によれば、紫外線吸収剤は「まれにアレルギーを起こすことがある」とのこと。ただ、15年以上お客様のお肌を拝見し、お話しうかがってきた経験としては紫外線吸収剤による荒れや不調はもう少し頻度が高い印象です。


よしき皮膚科クリニック銀座院長 吉木伸子先生 著『スキンケア基本事典』でも、「普段使う日焼け止め化粧品なら、紫外線吸収剤を含まないものが無難」とあります。
素肌美人になるためのスキンケア基本事典 -
素肌美人になるためのスキンケア基本事典 –

紫外線吸収剤を含まない、ノンケミカルタイプの日焼け止めはややお値段が高くなる傾向がありますが、健やかな肌を目指す方にはぜひノンケミカルタイプの製品をお勧めしたいと思います。

ファンデーションののりを良くしたり、崩れを防ぐための対策は下地に求めない

ファンデーションが上手く乗らないのは、肌のうるおい(水分量と油分量のバランス)が足りないことや、角質が厚くなってごわついていることがほとんど。


リキッドやクリームファンデーションは、シリコーンオイルなどの油分様成分がベースになっているため、特に皮脂量が充分な年代である20代から30代まででは、ご自身の皮脂と相まって油分過剰となり、テカリや崩れを招きます。

ファンデーションの「のり」や「崩れ」対策は、化粧下地やメーキャップによって付け焼刃でごまかすのではなく、スキンケアによって肌そのもののコンディションをコントロールすることをお勧めします。


肌を補正する働きが強いファンデーションや、化粧下地には負担になる成分が多く含まれる傾向があり、肌の調子が良くないからと言ってそれらを使っているといつまで経っても悪循環から抜け出せません。


ぜひともスキンケアによって、ちょっとやそっとの刺激には負けないような力強く、美しいお肌を作ってください。

ごわつきにはピーリング効果のある洗顔
例:フルーツ酸、グリコール酸、酵素などの成分


皮脂が多く、べたつきがちな肌にはビタミンC誘導体を含む化粧水、美容液、一部はクリームなど
例:リン酸アスコルビルMg、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルなど


かさつく肌には角質細胞間脂質や類似成分(セラミドⅡ、ウマスフィンゴ脂質など)とともに、
はヒアルロン酸Na、加水分解コラーゲンなどの働きの異なる保湿成分を多数含むを含む、美容液、クリームなどでのお手入れが有効です。

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