皮膚科学的な保湿ケアとケアに有用なスキンケア化粧品について書いています。
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今日も角質細胞間脂質配合のスキンケア化粧品を見ていきたいと思います。
ブランユー モイスチャージェルセラム
Brandyou(ブランユー) モイスチャージェルセラム 110g
6,600円(2021年11月amazonでの販売価格)
ブランユー モイスチャージェルセラムの全成分
水、BG、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ベタイン、セラミドEOP、セラミドNG、セラミドNP、セラミドAS、セラミドAP、ポリクオタニウム-51、ヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、グルコシルセラミド、α-グルカン、タウリン、リシンHCl、アラニン、ヒスチジンHCl、アルギニン、セリン、プロリン、グルタミン酸、トレオニン、バリン、ロイシン、グリシン、アラントイン、イソロイシン、フェニルアラニン、ダイズステロール 、グリチルリチン酸2K、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、水添レシチン、カプリル酸グリセリル、ポリソルベート20、フェノキシエタノール(公式サイトさんより引用)
ブランユー モイスチャージェルセラムの成分について
基材の水に定番の保湿成分、BG、プロバンジオール、ヘキサンジオール、ベタインなどが続いており、以後、角質細胞間脂質の名称が出てきます。
セラミドEOPはセラミド1、NGは2、NPは3、ASは5、APは6Ⅱです。
セラミドは番号によって、少しずつ働きが異なることが分かっています。
セラミド1と3はバリア機能の維持・強化に、セラミド2は保水、セラミド5と6Ⅱは肌の生まれ変わり(ターンオーバー)に特に関与していると考えられています。
いずれも肌のうるおい(角質層の水分量)を守るために重要な成分ですが、直接的には特に2が大事です。
こちらの製品にはすべて含まれているようで、表示に名称があります。
また、セラミド以後の成分も非常に良く、 ポリクオタニウム-51 (通称リピジュア)はとても強い保水機能を持つ成分。ヒアルロン酸も同じく高い保水能力を持つ成分ですが、カチオン化された新しいヒアルロン酸、 ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム もあります。
ヒアルロン酸はすぐれた保水力を持つ反面分子が大きい成分で、肌へなじみが良くないのですが、カチオン化すると肌への吸着力が増し、また、水やこすれなどにも強いと言われています。注目のやや新しい成分です。
以後も各種アミノ酸類が並んでおり、皮膚科学的な保湿スキンケア化粧品です。
このぐらいの表示で、お値段が110g 6,600円となってくると、「使ってみなければ分からない」という判断が難しいレベルになってきます。
ただ、多数のスキンケア化粧品の成分を見、実際に手に取り、扱ってきたマニアックエステティシャンの感覚から申しますと……
たぶん、セラミドはそんなに入っていないんじゃないかと思います。
基材以後の吸湿性により保湿するタイプの基礎的な保湿成分の種類がちょっと多いこと、110gで6,600円というお値段は一般的な感覚だとあまり安い・お手頃という風にはならないと思うんですけれども、エステティシャン的にはちょっと安いな、というかんじです。
それと、容量が大きすぎるのもひっかかります。
「セラム」という名称は一般的には美容液を意味するのですが、美容液のポピュラーな容量はだいたい30ml(g)からせいぜい40mlぐらい。40ぐらいだとけっこう美容訴求成分の濃度が低く、化粧水に近いかんじのものが多いです。それでもしかもお値段は5,6千円というところが妥当。
しかもそれは、有名メーカーでなく業務用化粧品がメインで小売サイズも作っている、というようなメーカーの話で、つまり、人件費や広告費が製品価格にたくさん計上されているわけでないので、成分や性能の割にお安めなところでの話です。
110gで6千円となると、全然化粧水であり得るくらいの価格設定なのですよね……。
ヒアルロン酸やリピジュアの表示より前にセラミド類が来ているのもちょっとひっかかります。
一般的には、セラミド類とヒアルロン酸類が同濃度ということはあまりない(特にセラミド6Ⅱとかね)ので、ベタイン以後の美容訴求成分はかなり薄いのでは? という予想につながるわけです。
セラミド(類似成分も含む)は使うと劇的に肌の乾燥状態が改善するし、べたつきもぺたつきもてかりもない、不思議な使用感なので、濃度が高いものは使うと割りとすぐ分かります。
さらさらっとして、あまりうるおう感じがなかったり(特に翌日)すると、ベタインまでが製品の大半を占めていると考えられるかなぁと。
まとめ
ブランユー モイスチャージェルセラムは表示成分だけを見ると、入っているものはすごくいい! 構成もすばらしい! ちょっとひっかかるところがあるので、使ってみないと分からないぞというかんじです。
前回、前々回のお手頃価格の製品とは違い、使ってみて再度考えてみたい製品です。
さらっとしてぬった直後はうるおう感じがするけども、翌日はそうでもなければやはりセラミド類の濃度は薄いものと思います。
110g 6,600円という容量、価格に対しての成分表示の内容からすると、やはり美容液でなく化粧水に近いのではないかと思いますが、万が一美容液レベルの性能なら大発見! 掘り出し物みーつけたっ! というところだと思います。