<フェースパウダー> 資生堂 ホワイトニング フェースパウダー 2019


資生堂 ホワイトニング フェースパウダー 2019
10,800円
※2019年9月公式サイトでの価格
※画像(リンク先)はamazon取り扱いの2018ver.並行輸入品
ざっくり結論:
美肌づくりのためのスキンケアアイテムとして使うには、必然性がない
毎日のスキンケアやメイクアップを楽しむための製品

お客様からご質問のあった製品です。
大変人気の製品らしく、お客様もお友達から勧められて購入してみた、とのことでした。
メイクアップだけでなく、スキンケアにも使用できる、という珍しいパウダーです。
全成分「公式サイトより引用」

トラネキサム酸*,ユキノシタエキス,アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム,ミリスチン酸マグネシウム,濃グリセリン,マカデミアナッツ油,タルク,セリサイト,ポリアクリル酸アルキル,メチルポリシロキサン,ガラス末,Nε-ラウロイル-L-リジン,ステアロキシメチルポリシロキサン,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,ナイロン末,ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3,無水ケイ酸,セスキイソステアリン酸ソルビタン,架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体,クロルフェネシン,窒化ホウ素,塩化ジステアリルジメチルアンモニウム,合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム,精製水,クエン酸,リン酸二水素ナトリウム,1,3-ブチレングリコール,d-δ-トコフェロール,流動パラフィン,メチルハイドロジェンポリシロキサン,酸化アルミニウム,香料,合成金雲母,硫酸バリウム,雲母チタン,ベンガラ被覆雲母チタン,黄酸化鉄,ベンガラ  *は「有効成分」無表示は「その他の成分」
※商品の改良や表示方法の変更などにより、実際の成分と一部異なる場合があります。実際の成分は商品の表示をご覧ください。

「商品の改良や表示方法の変更などにより、実際の成分と一部異なる場合があります」とのことなので、実際の製品の成分とは違う可能性がありますが、大幅に(まったく)違うということは考えにくいので、おおよそこんな感じだろうという前提のもとにすすみます。
「有効成分」と「その他の成分」で分かれているので、医薬部外品です。
有効成分はトラネキサム酸。
美白成分の一種です。
美白成分はしみを消したり薄くする成分ではなく、しみを予防する成分ですが、成分によってアプローチ方法が違います。
トラネキサム酸はしみがある部分が慢性的に微細な炎症を起こしていることに着目し、その炎症を抑えることでメラノサイトの活性化を抑えよう、という成分です。
すごく新しい成分というわけではなく、美白剤のなかではわりとスタンダードな部類の方に入ると思います。
スキンケアに関わる美容訴求成分としては、
ユキノシタエキス
抗菌、消炎作用。近年、紫外線によって傷ついたDNAを修復する際に細胞の突然変異を防ぐ作用がわかった。
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
高い保水効果を持つヒアルロン酸をアセチル化したもの。ヒアルロン酸Naに比べ、皮膚へのなじみがよい。
濃グリセリン
吸湿性によって保湿するタイプの保湿剤
このあたり。
あとの成分は、パウダー状の製品にするための基材(色粉)だったり、それらを混ぜて定着させるためのものだったりです。
イメージとしては、
ベビーパウダーとおしろいの中間くらいの粉に、きらきらするラメを混ぜて、ちょっと美白成分と保湿成分を入れてこねて固めました!
てな感じです。
保湿成分は控えめですし、フェイスパウダーという性質上、タルクが主となっているので皮脂を吸着しますから、スキンケアアイテムとしては「美白化粧品」と考えてよいと思います。
美白成分と紫外線によるダメージを修復する際に関わる成分がありますが、一方で紫外線吸収剤は入っておらず、紫外線散乱剤は微量か含まれていないため、日中使用する場合は日焼け止めかUVカット効果を持つ下地を併用する必要があります。(公式サイトにもガッツリ書いてますね)
公式サイトによると下記7つの使い方が提案されています。
・朝、メイクの仕上げに
・夜のスキンケアの仕上げに
・美白ケア
・下地やBBに重ねて素肌感メイクに
・日中の化粧なおしに
・デコルテや首、手に
・香りでリラックス
このうち、スキンケアの観点からは、夜のスキンケアの仕上げに使うための購入はあまりお勧めしないです。
理由は、美白ケアをしたいのなら、美容液やクリームで複数の美白成分をなるべく高濃度で取り入れる方が効果的ですし、粉状でタルクが相当量入っていますから、皮脂はもちろん、夜のスキンケアに使った油分を吸着します。
皮脂量が落ちてきている人や、もともと少ない人、スキンケアアイテムで補充している油分が少ない人は、このパウダーを重ねることで肌の乾燥を助長する可能性があります。
特に、最近は油様感の強いアイテムは軒並み不人気で、化粧水とさらっとしたジェルのようなクリーム、または化粧水と美容液のみ、なんて方はすごく多いと思うのです。そうすると、恐らく、油分が取られすぎます。
皮脂でいつもギトギトになるという方は、夜寝る前につけると朝はわりとさらっとしていると思いますが、その目的に使うのならば別にこのパウダーでなくてよく、なんなら我らが大正義、ジョンソンのベビーパウダーでよいです。

そもそも、暑い季節、寝ているあいだに皮脂が出るのは当然のことです。
朝の洗顔はそれを落とすために行うわけですから、寝ているあいだにギトギトになっていても美容上は問題ありません。
快、不快の感覚的なものは別ですが……。
つまり、夜のスキンケアに使う必然性があるとは言い難いです。
ここまで書いていて、ものすごく的外れなナンセンスなことを言っているようで、自分でとても嫌になってきました。
この製品は、そういう無粋なことを言うために存在しているわけではないと思います。
キッラキラのケースに入っていて、
『フローラルアロマの香り』(公式サイトより)で、
なんかいろいろ使えるぞ!

楽しい、かわいい、わくわくする――
それで良いと思います。
そもそも化粧品は定義上は「効果をうたってはいけないもの」です。
医薬部外品はある成分が規定量入っていると、決められた効果を謳えるものです。

化粧品の方向性はものによって全然違います。
化粧品の枠組み内にありながら、皮膚科学に基づいたスキンケア効果を狙っているものもありますが、そうでない、娯楽品に近いものもたくさんあります。そして、それで良いのです。
消費者側がそれを理解して、自分がスキンケアに求めている目的に合った製品を的確に選ぶことの方がはるかに大事です。
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ちょっといろいろありまして、ずいぶん間が空いちゃいました。
山場は越えた(現実的にではなく精神的に解脱した)のですが、まだ渦中ではあります。
珍しい……というか貴重な体験をして、それが女性の美容や健康管理にも関わることだったので、いつかもうちょっと落ち着いたら個人ブログ にまとめたいと思っています。
いろいろ、滞っているのですが、こっちも月2回くらいはせめて更新したいなぁ、と。
模索中です。