予算千円ではじめる冬のお肌の乾燥対策~パックを取り入れる~

冬の困った乾燥肌。
その対策のひとつとして、今回はパックの意義と選び方をご紹介します。

■目次

 1.肌が乾燥しているとはどういう状態か
 2.肌をうるおわせるにはどうしたらよいか
 3.パックの意義と有効性
 4.ホームケアでパックを取り入れるのなら
 5.まとめ
 

1.肌が乾燥しているとはどういう状態か

肌は層になっていますが、大きく分けると「表皮」と「真皮」があります。
表皮のいちばんうえの層、0.02ミリほどの厚さの角質層には約30%水分が含まれており、外的刺激から肌を守り、肌の水分を守る役割をしています。
水には乾いた方へ移動する性質があるため、湿度が30%以下になると肌から水分が抜けやすくなります。冬に肌が乾燥しやすくなるのは、空気中の湿度がさがり、肌から水分が抜けやすくなるためです。
しかし、たとえ湿度がどんなに下がったとしても、肌から完全に水分がなくなることはあり得ません。
肌には水分を守るための保湿成分が備わっているためです。
加齢や効果的でないスキンケア、間違ったスキンケアなどによってこの保湿成分のはたらきが弱くなってしまい、本来ならば30%程度ある角質層の水分が異常に少なくなった状態を乾燥肌といいます。

2.肌をうるおわせるにはどうしたらよいか

乾いた肌へいくら水を与えても、ふやけるだけでうるおうことにはなりません。保湿成分がきちんとはたらかなければ、本来30%程度あるはずの水分を保持することはできず、与えたところでどんどん抜けてしまいます。それは底の抜けたバケツに水を注ぎ続けているようなものです。
肌(角質層)に適切な水分量を保持させるためには、水分を守るための保湿成分を補うことが必要です。
角質層の水分のうち、約80%ほどが角質細胞間脂質によって守られ、残り17,8%程度がNMF(天然保湿因子)によって、そして、たった2,3%程度が皮脂によって守られていると考えられています。
普段のスキンケアでは保湿成分を多く含むアイテムで、ケアをすることが乾燥対策につながります。

3.パックの意義と有効性

普段のスキンケアで保湿成分を適宜補っているにもかかわらず、肌が乾燥している場合、もっとも重要なのは、肌から水分が抜けていってしまうのを抑え、角質層の奥まで水分を行き渡らせること。
パック(マスク)には美白やアンチエイジングなどさまざまな種類がありますが、保湿にもっとも威力を発揮するアイテムです。
肌から水分が抜けていくのを一時的に抑えるには、肌表面をぴったりと覆い、密閉してしまうことが大切です。
最近ではシートパックが主流ですが、固まるタイプのパックが保湿には効果的なのです。

4.ホームケアでパックを取り入れるのなら

ホーム用アイテムで、固まるパックは最近なかなか見かけません。
試しにamazonで「ビューティー 」→「スキンケア・ボディケア 」→「スキンケア・基礎化粧品 」「フェイスパック 」で検索をかけたところ、9,000件がヒットしましたが、ページの半ほどまで確認しても固まるタイプのパックは数点しか見当たらず、圧倒的にシートマスクが多いようです
固まるタイプのパックは均一に塗り広げるのが難しく、なおかつ手や周囲を汚すので扱いにくく不人気なのかもしれません。
一般的なシートパックは、顔の形になった薄い不織布に化粧水様の化粧品を含ませたものです。
化粧水の主成分、90%以上は水です。
不織布ではぴったりと顔を覆うことができず、水分が蒸発するのを防ぐことができないばかりか、不織布自体がしっかり水分をとどめておけず、放置時間に乾いてきてしまうため、含まれている成分や使い方によっては逆に乾燥を招きかねません。
家庭でパックを取り入れるのなら、保湿成分がたっぷりはいったジェルタイプのパックを、十分な厚さで密閉するようにしっかり塗り広げるのがおすすめです。洗い流す前にスパチュラ(クリームなどについているヘラ。単体で販売もされている)でジェルをこそげ落とし、蒸しタオルなどで軽くふき取るなど、水洗いを最小限にするのがポイント。ジェルに含まれる保湿成分や、もともと肌にある保湿成分を水で流してしまわないためです。
どうしてもシートを使うのなら、不織布タイプではなく、バイオセルロースタイプを。
バイオセルロースは植物由来の素材で、不織布に比べ水分をしっかり保持し、密着するためジェルや固まるタイプのパックに近い密閉感が得られます。
※後日、バイオセルロースのマスクと不織布のマスクの写真を追加します
2/8写真を追加しました
モデルが弊店の整体スタッフ(中年男性)のため、絵面が雅でなくて申し訳ありません。
不織布のシートマスク
sheetmask.png
sheetmask-h.png
バイオセルロースのシートマスク
biomask.png
biomask-h.png

5.まとめ

肌の乾燥が強くなるとバリア機能が損なわれ、クレンジングや洗顔時にひりひりしたり、化粧水がしみたり、髪の毛が当たるだけでかゆくなったりしてしまいます。そこまでいかなくても、角質が厚くなり、化粧ノリが悪くなったり、いちだんとたるんで見えたりすることもあります。
冬の肌の乾燥が気になるときは、ぜひパックも試してみてください。
週1回程度行うのが理想ですが、1回でもきっと変化が実感できるはず。
固まるパックが手に入り、それを使えるだけの時間があるのならシートよりも断然そちらがおすすめです。
<本日の所要時間1時間>