<ハンドクリーム>Neutrogena(ニュートロジーナ) ノルウェーフォーミュラ インテンスリペア ハンドクリーム

近ごろずいぶんハンドクリーム、ハンドケア関連ワードで検索がかかっているようなので、またハンドクリームについて書いてみたいと思います。

手の乾燥と荒れ対策のまとめ記事はこちらからご覧いただけます

今日はamazonで現在(2022年4月)ベストセラー表示がついている「ニュートロジーナ ノルウェーフォーミュラ インテンスリペア ハンドクリーム 超乾燥肌用」を取り上げます。

ニュートロジーナ ノルウェーフォーミュラ インテンスリペア ハンドクリーム 超乾燥肌用

Neutrogena(ニュートロジーナ)ノルウェーフォーミュラ インテンスリペア ハンドクリーム 超乾燥肌用 50g
487円(2022年4月amazonでの価格)

ニュートロジーナ ハンドクリーム 超乾燥肌用の全成分

水、グリセリン、セテアリルアルコール、フェノキシエタノール、セテアリル硫酸Na、エチルヘキシルグリセリン、パルミチン酸、ステアリン酸、硫酸Na、トコフェロール

ニュートロジーナ ハンドクリームの成分解説とパフォーマンス

とてもシンプルな成分構成です。どっぷり美容ケアに浸かっていて、その道で16年飯を食っている人間からすると、「超乾燥肌用、だ…と……?」と思わざるをえないかんじ。

基材(化粧品の土台)に油性原料のセテアリルアルコール、それに保湿剤であるグリセリン。フェノキシエタノールは防腐剤で、製品中に含まれる量はごく微量。そのため以後の成分は気にしなくていいです。

肌のうるおいや改善に関与するような成分は、保湿剤であるグリセリンのみ。セテアリルアルコールはいろんなはたらきがありますが、この場合は滑らかな質感をつくりだす、コンディショニング剤かな、と。

このブログにたどりつくような、美容マニアの方ならとっくにご存じの成分だと思いますが、グリセリンはいわゆる、古典的ではたらきの穏やかな保湿剤です。また、水に流れやすい性質なので、手のような頻繁に洗うようなところ──ましてや今は、しょっちゅう洗ったり、アルコール消毒したりするような状況なので、あっという間に流れてしまうと思います。

恐らく、「超乾燥肌用」表記の担保になっているのは、グリセリンの純度と濃度。

純度99%以上のものは医薬品分野で使われるもの。濃度は明記されておらず「メーカー比」となっています。一般にいって、化粧品の高濃度とはだいたい3パーセント以上くらいから。

とはいえ、所詮グリセリンなんだよなぁ……と思ってしまいます。撥水剤も入ってないしね。顔ならまだしも……すぐ流れちゃうのよ。

まとめ

ニュートロジーナ ハンドクリームは、普段ハンドクリームをぬる習慣がなかった人が、入門的に使うといいハンドクリーム。高い機能性を求めて、ハンドクリームジプシーしているような玄人向けの商品ではないと思います。

このハンドクリームの保湿機能を最大限に引き出す使い方は、とにかく小まめにぬること。ぬりまくること、です。

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こういう、殺伐とした世の中なのであんまりネガティブなことは書きたくないし、考えたくないんですけれど。「超乾燥肌用」表記が私のハートを燃え上がらせてしまいました。めっちゃひどい手荒れに切実に悩んでいる人が買っちゃったらどうするんだよ、と。

販売側がつけるコピーは自由ですからね。最近は景品表示法や薬事法にひっかかっている広告が増えてきて、また風紀が引き締められはじめましたけれど。いい傾向だ。いいぞ、もっとやれ。

ただでさえ、あこぎな、胡散くさい業界なので、作る側も売る側も、そして私のような扱う人間も倫理と節度は大事だと思います。ちなみに、最近一部で話題になった医療機器、HIFU(ハイフ)については、本家ブログの方で触れました

手の乾燥と荒れ対策 まとめ

時世柄、時節柄、手と顔の乾燥がヤバイことになっている方が多いのではないかと思います。

ほんとうに効果のある対策や使うべき化粧品、ハンドクリームについてまとめていきます。

手指の乾燥、荒れ対策まとめ

本気で手荒れを治す、防ぐにはどうしたらよいの?~皮膚科学の観点から~

肌荒れが起きる仕組みを分かりやすく

市販のハンドクリームの成分・実際の効果について

ユースキンA

パックスナチュロンハンドクリーム

手指の荒れと乾燥対策 3行まとめ

有効な対策は 物理的に守る・化粧品成分で守る・うるおい成分を与える

物理的に守るのは手袋、成分的に守るのはシリコーンオイルなどの撥水剤、与えるべきうるおい成分は1にセラミドやその類似成分、2に油分

残念ながら、流通しているハンドクリームに撥水剤とセラミド(類似成分)が両方含まれる、科学的な製品はほとんどない

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ほんとうに”効く”ハンドクリームは、残念ながらほとんど存在しません。

10年以上前から、たぶん累計で3百点以上のハンドクリームの成分を見ていますが、シリコーン油が十分に含まれており、セラミド(類似成分)も同時に含むという要素を満たし、なおかつ、その他の細かい条件(ややこしくなるので割愛します)も満たしており、わたしが皆さまに自信をもっておすすめしたいという製品は、たった2商品です。

化粧品はもともと、娯楽物としての側面も強いのですが、ハンドクリームが属するボディケア化粧品では特にその傾向が強いです。

顔はしみやしわ、乾燥、にきびなどがあるとけっこうストレスになるので、積極的にそこを何とかケアしようという発想の化粧品が存在するのでしょうが、ハンドケアは今まで化粧品業界も眼中外だったのかもしれません。

顔用の基礎化粧品を作っている会社が、ついでにボディケア用の商品も作っているというケースはありますが、逆はあまりないのもそれを暗に示しているように感じます。顔用化粧品とからだ用化粧品は同じ化粧品でもそれぞれテリトリーが違うのですよね。

コロナ禍によって、間接的にハンドケアのニーズが高まっているので、今後は少し情勢が変わっていくのかもしれません。

んじゃあ、今、実際に手荒れや乾燥に切実に困っている場合はどうしたらいいのかというと。

ひび割れや手荒れが発端となった湿疹などがある場合は、医薬品で治します。

そのうえで、水仕事のときはゴムやビニル製の手袋を着用、それ以外は現実的に可能な範囲で綿手袋をしたまま生活します。ポイントは、”現実的に可能な範囲”です。2歳の子どもにマスク着用させるか、などという想像力の欠如した話ではありません

ライフスタイル……具体的には、小さな子どもや介護の必要な方のお世話をしている方、手のかかるペットのお世話などをしている方は日中手袋をするのはほとんど無理だと思います。なので、そういう方は夜寝るときだけでも手袋をしておくと、それだけでも効果あります。寝ている最中に外れてしまうのはご愛嬌。

性能的にすぐれたハンドクリームはほとんど存在しないので、化粧品についてはフェイスケアの応用で対処します。

具体的にはハンドクリームは最低限しっかり撥水剤(シリコーン油)の含むものをチョイスし、ハンドクリームを塗る前に、セラミドやその類似成分をなるべく濃度高く含む美容液を塗ります。

そのうえからハンドクリームをぬればOKです。

美容液がなじみきる前に、ハンドクリームを塗ってしまってかまいません。セラミド系の成分は水溶性の成分ではないので…。

長いこと先が見えず、まったく、心もからだも懐もパッサパサに乾いてしまいそうですね。

せめて、懐や時間が許すかぎり、ご自身でご自分を十分に労わり、慈しんであげてほしいものです。

同居の方がいらっしゃる人は、感染リスクという点では一蓮托生のことが多いかと思いますので、親子やご夫婦、パートナー(性別によらず)、ご友人同士で塗りっこしてあげてもよいのではないでしょうか。

タッチセラピーというものが存在するように、人は他者のぬくもりを感じるだけでリラックスするものですから……