化粧品業界の今と美容ケアの今後

近頃更新頻度がとみに落ちてしまっているのですが、それは私自身が美容ケアのあり方や化粧品の選び方に迷ってしまっているから。2年以上という長期に渡るコロナ禍を経て、さらには、とても21世紀のこととは思えないような不条理な暴悪があり……今なお罪なき人びとが苦しんでいるという、とんでもない時代です。

エステやスキンケアのような美容的ケアって、豊かさが前提なんですよね。

だから、古代から中世はごく一部の社会的地位の高い人や、経済的に豊かな人しかなじみがなかったわけです。

日本では、いわゆる美容ケアの原型のようなものが庶民にまで広がったのは、江戸時代中期だと言われています。江戸時代は、ご存じのとおり約三百年間という長きにわたって戦乱のない、世界的に見ても稀な平穏な時代です。多少の事件や災禍はあっても、豊かな社会があったからこそ庶民もそういうものに手をだす事ができたのですよね。

いつの時代のどの国でも無くなることはないものの、社会や時代によってごく一部の人のために存在するものか、広く庶民にまで親しまれるものか変化する左右するという点では、芸術分野と同じ要素があるのかもしれません。

今はそのベースとなる社会が急激に変わりつつあるし、先の方向も見えにくい。

いったい、これからの世の中で美容ケアというのものは、どんな人たちにどんな風に必要とされるのでしょうね。

今とても悩んでいます。

私は今の職……フリーのエステティシャンになって今年で17年目なのですが、この間ずっと化粧品は科学的観点で、お肌に本当に必要なケアを行えるものを扱ってきました。だからこのブログのタイトルは『皮膚科学の視点でスキンケアを考える』なのですが、こうなってくるともはやこういう考え方自体が時代に合ってきていないように思えます。これもやはり豊かな社会が前提の考え方です。

化粧品業界も今は本当に大変です。コロナによって人と会うことや関わることが制限され、そのうえマスク生活ですから、スキンケアやメーキャップの必要性そのものが低下してしまいました。

業績が悪化しているうえに、化粧品に使われる原材料の高騰や、海外のロックダウンの影響などによって容器類が入ってこなかったり、いろいろあるようです。長く化粧品・エステ業界の末席に身を置いて生きていますが、製品の製造終了、ブランドの統廃合など業界の動きはこれまで見たことがないくらいめまぐるしい。

今に、もしかすると「化粧品を選ぶ」ということ自体ができなくなる……とまではいかなくても、選択肢はこれまでの豊かな時代よりもずっと乏しくなるかもしれない。まあ、そもそもニーズが低下しているし、そういうものにお金や時間をかけられない人も増えてくるのだから、広い意味で「淘汰」といえばそれまでかもしれませんけれど、ね。帰趨がそうならそれで、構わないんですけれど。

ぐだぐだ言っていますが、今はまだこの業界に身を置いている訳です。なので、悩んでいるだけではどうしようもないので、いろいろ、あれこれ考えて動きだしてはいます。

その一環で、これまでとは少し違った視点で化粧品を見つめ、掘り起こし、試用していたのですがその影響ですっかり肌が荒れてしまいました。

エステティシャンになったばかりの頃もものすごい種類の化粧品を試しましたが、あの時は20代だったから無茶な試用にも耐えられたんだよなあ……と、ちょっと白目を剥いてしまいます。

まあ、たとえ生物学的には衰えていても今の40代の自分の方がしっくりきているし、好きですけれどね。

そんなこんなで(すごい乱暴な総括……)化粧品や美容ケアのことについて、「こんなことを知りたい」「こんなことが気になっている」なんてことがありましたら、ぜひお教えください。

ブログにコメントいただいても嬉しいですし、クローズドの方がよければ個人的にメールいただいたり、リアル店舗のお客様はお会いした際にでも、何でもお声かけてもらえると嬉しいです。

ちなみに、こんな生業で、こんなことを言っている私は、休日は髪ぼさぼさ、すっぴんで部屋着がデフォルト。しかも、できればそのまま一歩も外に出たくないです。

仕事柄、もしくはアラフォーの社会人として人様に不快な思いをさせないよう、仕事のときはなるべく外見を整えるように心掛けていますが、本来的には自分の外見に興味は薄く、人様からどう見られるか、ということに関心は薄いです。それよりも本を読んだり、分析したり、考えをまとめたりすることの方が自分にはよほど重要なので。

一般にイメージされるようなエステティシャンとはちょっと違っているかもしれません。だからこそ、どんな些細なことでも気兼ねなく、おしゃっていただければ思います。

なんかエステティシャンって美意識高そう(笑)じゃないですか。確かに、実際そういう人も多いんですけれど……自分は全然違うので、ものすごい基本的なこととか、初歩的なこともご質問いただいたりすると嬉しいし、面白いです。

最後に宣伝入れておきましょうか。

科学的視点で化粧品をお選びしています。
業務用メーカー製品を優先的にご紹介しているので、お値段のわりに高いスキンケア効果が得られると長年、たくさんの方にご愛用いただいています。

恥ずかしがり屋さんや、お忙しいあなたにはセット商品がおすすめ。

ざらつき、くすみ、吹きでものができにくい土台肌をつくる、クレンジングと洗顔のセット。

根拠ある有用性の高いスキンケアに興味が出てきたときは、まずはこちらのセットを。
化粧水、美容液、クリームがセットになっており、約2ヶ月お使いいただけます。

オンラインショップでは、この他にもニキビケアセットや、きほんの抗老化ケアセットなどさまざま商品を取り揃えています。

また、カウンセリング後は、個別にクレンジングだけ、洗顔だけ、美容液などもご購入いただけます。

【よくあるご質問】皮膚科学発想のポピュラーな化粧品メーカーといえば?

すぐに思いつくのは、KOSE(コーセー)さんとクラシエさん。

あとはポピュラーとは言えないかもしれないけれど、富士フイルムさん。ハダラボのロート製薬さんも。

以上です。


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期せずして、今さら子育てさせてもらえる機会に恵まれ、毎日が戦場のようです。

仕事復帰のリハビリを兼ねて毎週木曜に更新したいなぁ、と思っているんですけれど、なかなか生活のペースをつかむのが難しいです。

そもそも、妊娠に至るまでも病気との戦いというか、兼ね合いがあって、ですね。


それがちょっと珍しい状態というか、あまり頻度の高くない病気で、きっとネットで情報を捜している方もいらっしゃると思うので、そのうちに個人ブログの方でまとめたいと思っているんですけれど。治療の副作用のこととかもリアルなところ、どうなのか知りたいと思うんですよね。

自分は子育てをすることについて、人生におけるプライオリティが高くなかったのでそうではなかったんですが、この病気は人によっては絶望に似た感情をいだくこともあると思います。


だから、とりあいずの結果としてわりと明るい方へ向かったケースをネットに置いておきたいな、と。


病気というのは、たとえ同じ病名が付いてもケースバイケースなのだと思いますが、絶望してしまうくらいなら、うまくいったケースがあることを慰めにしたっていいじゃないかと。

明るい方へ向かったのは、本当に良い方々に恵まれたからで、病気の発覚から治療、出産までを経て改めて医療に携わる方々に深い敬意を覚えました。

アホな質問にも真摯に向き合ってくださったし、中途半端なスタンスを隠さない私にもみなさん丁寧に寄り添ってくださいました。

治療から出産までざっと思い返してみても、8人の先生と11人の助産師さん、2人の看護師さんにお世話になりましたが、感謝と敬意しかないです。

あと、放射線技師さんもプロフェッショナルだった!

いつまとめられるか分からないけれど、とりあいず、今なんらかの理由で病院に通っている方にお伝えしたいのは、信頼と敬意を持ち、それを示せば良いコミュニケーションにつながって、納得のいく治療を受けられると思います。

治療の結果は自分では選べないけれど、その末の結論ならばきっとどんなものでも受け容れられると思うのです。私自身、まだまだ病気との付き合いは続きますが、そう思っています。





地震と美容雑誌

前回更新よりひと月空いてしまいました。


地震があったりしてバタつきました。


弊店のある札幌市豊平区も震度5弱で揺れまして、揺れそのものによる被害はさほどありませんでしたが、長引いた停電と電力不足の影響が少なからずありました。


地震→停電の流れであってよかったと思ったものは、
・2~3日分の飲料水と食料の備蓄
・懐中電灯


あったら良かったのかもな、と思ったものは、
・ラジオ
・モバイルバッテリー


でしょうか。


ただ、周囲の話を聞いていると、初期の頃に情報を入れすぎた人は逆にパニックになったこともあったようなので、情報との付き合い方は案外難しいのかもしれません。


札幌市内は一部の被害が大きかった地区を除き、ほぼ日常を取り戻しています。


日に何度もあった余震も今は数日に一度くらいですし、食料品が手に入りにくかった状況も回復しましたし、数値目標のある節電もありません。これから紅葉もきれいになる時期ですから、ぜひ北海道に観光にいらしてください。そして、ぜひ当店にもお越しください。


さて。


後片付けをしていたら、某美容雑誌をみつけました。

美的の4月号です。

ちょうど美白化粧品の特集が組まれていたので、情報収集と、あわよくば成分を見てみようかと思って久々に購入したのですよね。


掲載されている化粧品は、以前はハイブランドの高価格帯のものが多かったのですが、最近はプチ・プライスなどと呼ばれる価格帯の製品も載っています。


最近、ますます、人はいったいなんのために、どうやって化粧品を選んでいるのか分からなくなってきています。
多様化といえばそれまでなんですけれど。


このブログでは、その方が需要があるのでは、と思い、比較的お手頃価格の製品を取り上げていることが多いのですが、実際仕事で扱っているのはその数倍から数十倍の製品が主です。


皮膚科学に基づいた化粧品しか扱っていないので、うちで取り扱っているものや使用しているものは、わりと価格と性能が比例するのですが、巷に出回っている化粧品は決してそうではありません。


そんなことを考えていたら、掲載されている製品を取り寄せて成分を見て、試用するということに気乗りせず、結局半年近く放置しました。


美的を見て製品を購入する方は、きっと性能とか、効果とかそういうことはあんまり重点を置いていないように思うので、そういう視点で関わるのはナンセンスなように思ったんですよね。


でも、なんとなくそういう思いが狭量なようにも思えて、いつかなんとかしてやろうと思って取っておいたんですけれど。


いい加減捨てることにします。


次回はお客様からご質問のあったシャンプーをまた見てみたいと思います。


約束破りが常習化していますが、目標は毎週木曜更新です。